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GROOVY70’s サイズもスタイルも前衛的な「ワイドスモールカー」1975y AMC PACER【オレンジカウンティ】

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1975 AMC PACER

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排気ガス規制やオイルショックの煽りをもろに浮け、経営不振に追い込まれたAMCが起死回生を図り投入したペーサー。全長はサブコンパクトながら、全幅がフルサイズの“ワイドスモールカー”という前衛的アプローチの70年代を象徴する存在の個性派だ。

AMCが放った革新的な 「金魚鉢」斬新なアプローチが図られたモデル

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ハドソンとナッシュが合併して発足したA MC (アメリカン・モーターズ・コーポレーション)は、ビッグスリー(フォード、G M、クライスラー)とは一線を画す独自路線で、積極的にコンパクトカーをリリースしていた。しかし、排気ガス規制の制定でマッスルカー全盛期も終わり、エコノミーを売りとするヨーロッパ車や日本車のニーズが高まる中、経営悪化が加速…。

そこで、起死回生に向けた大勝負として、10年先を見越した前衛的アプローチのペーサーを投入したのだった。全長4364 ㎜、全幅1963 ㎜の「ワイドスモールカー」いう独自のサイズで、2ドアセダンとハッチバックのミクスチャー的なボディスタイル。曲面ガラスを多用し、ガラス面積を極端に大きくとった通称「フライングフィッシュボール」と呼ばれるユニークなスタイリング。2ドアながらも、後部座席へのアクセス性を高めるために、助手席側のドアが運転席よりも長く、コンパクトながらフルサイズ並の車幅による居住性や、クッションにボリュームのあるリッチなシートなど、他社のコンパクトカーにはない魅力で、女性を中心に人気を博した。

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開発当初は、ロータリーエンジンを搭載する前輪駆動車として計画されていたが、燃費およびコスト面での問題をクリアできず、無難なFRとしてリリース。デビューイヤーである1975年型は高セールスを得るも、その後は伸び悩み、後期型ではステーションワゴンやV8エンジンをラインナップに追加して対応したが、80年型をもって終了。アメリカではワーストカーランキングの上位にあげられると同時に、近年では70年代を象徴する革新的モデルとしても評価されているのだ。

何はなくとも「フライングフィッシュボール(金魚鉢)」の愛称で呼ばれる独特の愛らしいフォルムが魅力的なペーサー。今見ると、当時らしさの中に、モダンさも感じられ、現代でも充分通用するデザイン。ルーフには、Bピラーの幅に添って一段盛上がった“ロールバールーフ”と呼ばれるプレスラインが入っていたり、ワイパーは、コルベットなどでも採用されている、ヒドゥン(格納式)タイプであったり、ルックスへのこだわりが感じられるディテールも魅力。この個体には、オプションのルーフレールが付く。ちなみに、ペーサーは左右でドアの長さが違うのも特徴なのだ。

1975 PACER OWNER KAZUKI

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シェビーをメインとするスペシャルショップ「オレンジカウンティ」にして、ニッチでマニアックなAMCペーサーとは何故? 気になって確認したところ、スタッフのKAZUKIさんのお気に入りということで、カリフォルニアカーにこだわって3年越しで探し当てた。他車にはないユニークでキュートなルックスも、日常使用するうえでの扱いやすさも気に入っているとのこと。

限りなくオリジナル状態をキープしアップデートされた奇跡のペーサー

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本国アメリカより輸入されたこの個体は、アメ車ショップ「オレンジカウンティ」の女性スタッフのカズキさんのフェイバリットモデルとして、実際に日常使用することを踏まえて探し出したもの。仕事柄、ショップで扱うクールなクラッシックシェビーには日々触れているだけに、その魅力は十分過ぎるほど理解している。それにビジネスを意識すれば、自然とG M車を選ぶことになりそうだが、ペーサーの愛らしいスタイリングに惹かれてしまったそう。

実際、同等のスタイリングを持つモデルはほかに存在しないため、現地スタッフに依頼し、アメリカで捜索。ところが、なかなか納得のいくコンディションと条件の個体に巡り会えず、約2年が経過してしまった。それでもペーサーに対する思いは変わらず、粘った結果、いわゆるに「サバイバー」的なグッドコンディションの正真正銘のカリフォルニアカーに巡り会えたのだ。

一見しても分かるように、外装をはじめ内装までクリーンな状態をキープしており、オリジナル度も極めて高いのがポイント。その独創的で愛らしいスタイリングで女性からの支持が高く、デビューとなった75年型は、14万5528台の高セールスを記録。しかし、いくら生産数が多いとはいえ、これほどのグッドコンディションはアメリカにもそうは残っていない。日本に輸入後は、安心して日常使用すべく、ラジエターのオーバーホール、クーリングファンを機械式から電動式に変更。エアコンはビンテージエアー社製で対応するなど、ストックの魅力を崩さずにアップデートしている。

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ドアのボリュームに対して、ガラスの面積の方が上回る独特のデザインゆえに、ガラスが完全に下がらない設計となっているペーサー。そのため、ドアに対してドアパネルの方がハイトのある斬新なスタイル。高級車並のリッチなシートも魅力。ダッシュやドアパネルなどの樹脂製パーツの劣化もほとんどなく、アンチエイジングな状態なのだスバラシイ。ちなみに、内装オプションには、トライバルなパターンをあしらった“ナバホ”仕様なども設定されていた。

フロントサスペンションは、ダブルウィッシュボーン、リアはリジッドアクスル。ステアリングは、フォード・ピントに次いで、ラック&ピニオンを採用。ホイールはデラックスなD/Lグレードらしく、リッチな純正ラリータイプ。タイヤはユニロイヤル/タイガーポーGTS(215/70R14)。14インチのリムに、ハイトのあるホワイトレタータイヤが当時の雰囲気満点で、このモデルのイメージにマッチしている。

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232 ci (3.8ℓ)、258 ci (4.2 ℓ)の直列6気筒が2種と、304 ci (5.0ℓ) のV8をラインナップ。オイルショックの煽りを受けて、エコノミーなモデルなだけに、ベーシックな直6エンジンでは、いずれも100hp程度。それに伴って、トランスミッションは、3速オートマチックと、マニュアルでは、オーバードライブ付き、オーバードライブレスで2種の3速と、4速とで、計4種類がラインナップ。この個体は、232エンジンに3速オートマチックのコンビネーション。

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コンパクトでエコノミーをウリにしたモデルといえども、全幅が1963㎜と、日本車を基準とするとコンパクトとは言いがたいサイズではあるが、実際にドライブするとその取り回しも見切りも良い。そのため日常使用では不便を感じることのないレベル。車重は1360kgとサイズの割にはそこそこ重いため、排気量やスペックの割に燃費が特に良いわけではない。それでも、アメ車らしい豊かなトルクで、市街地から高速巡航まで不満なく乗れる。

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60~70年代のGMマッスルカーをメインに、他店ではあまり扱わないマイナー車まで幅広く対応するオレンジカウンティ。クラシックなモデルでも、安心して日常使用するための改善や、快適性を高めるアップデート、カスタムにいたるまで、自社ファクトリーで対応。アメリカとのパイプも太いので、今回紹介したペーサーのように、ニッチで希少なアメ車をオーダーすることも可能。ビンテージアメリカンのビギナーからマニアまで、頼りになるプロショップだ。

■取材協力:オレンジカウンティ(http://www.orange-county4u.com/)

■Text & Photos|AMERICAN VINTAGECAR magazine


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