クライスラー

クライスラーブランドの誇る フルサイズ・ラグジュアリーセダン クライスラー300

2017 Chrysler 300C Platinum

American Cars Best20
CHRYSLER 300(クライスラー300)
2005y-

ダイムラー・クライスラー最大の成果と言える先代モデルの成功から、よりラグジュアリー度を高めた現行モデルへとスイッチしたクライスラー300。クルマとしての完成度も一段と高まった現行モデルだが、日本への正規輸入モデルは在庫限りで販売終了となる。


1998年の、クライスラー・コーポレーションとダイムラー・ベンツAGとの合併は、世界の自動車業界にとって衝撃的な事件だった。果たして「合併のメリットはあるのか」などとも言われたが、そうしてできたダイムラー・クライスラーによる最初の成果としてデビューしたのが2005年モデルのクライスラー300だった。300は、W211メルセデスベンツEクラスのコンポーネンツによるLXプラットフォームを使用しており、このLXシャシーはステーションワゴンの300Cツーリングやその兄弟車であるダッジ・マグナム、4ドアセダンとして復活したダッジ・チャージャーでも使われ、さらにLXの派生版であるLCプラットフォームはダッジ・チャレンジャーにも使用されている。さて、大ヒットモデルとなった300の現行モデルは2011年からの第二世代だ。スタイリングは先代モデルのディテールを受け継いで後継モデルであることが分かりやすいデザインではあるものの、全体としての印象は大幅にマイルドなものとなっており、先代ほどのアグレッシブなイメージはなくなった。全長も先代より長くなり、大人のためのフルサイズセダンとも言うべき仕上がりとなったのである。その印象はインテリアを見るとより強く感じられる。各パーツの素材から見直すことで先代モデルの硬質なプラスチック感覚は極力排除され、視覚的にも触覚的にもラグジュアリーセダンとして脱皮したことが感じられるものだ。走りの面でもそれは同様で、標準エンジンが250hpの3.5ℓV6から292hpの3.6ℓV6へと変更されて余裕が出たことに加え、当初は5速だったATが2012年から8速へとアップグレードされたことにより緻密な変速制御が可能となり、乗り味も燃費も向上させることに成功した。この8ATと3.6ℓV6エンジンの相性は抜群で、タコメーターを見ていないと変速していることに気付かないほど、アクセル操作と加速反応はリニアでスムーズなもので、遮音性の高いキャビンは快適そのものだ。まさにラグジュアリーセダンである。北米でのバリエーションは、現行モデルのデビューから拡大されている。当初は3.6ℓV8搭載の300と300リミテッド、5.7ℓV8搭載の300C(RWD&AWD)、6.4ℓV8HEMI搭載のSRT8が基本だったが、2012年モデルからV6の300SおよびV8の300ラグジュアリーが、2015年には300Cプラチナムが、それぞれ加わった。一方でSRT8は2014年までで北米での販売は打ち切られたが、限定車として300Sアロイ・エディション、300モータウン・エディション、300Sグレイシア・エディション、ジョン・バルベイトス・エディションが投入されてきた。最新の2018年北米モデルのラインナップは、292hpの3.6ℓV6エンジンを搭載する300ツーリング、300ツーリングL、300リミテッド、それから300hpの3.6ℓV6エンジンを搭載する300S(以上にはすべてRWDとAWDが用意される)、さらに363hpの5.7ℓV8エンジンを搭載する300Sおよび300C(こちらはRWDのみ)となる。

2017 Chrysler 300C Platinum(RWD) Specifications
全長 5044㎜
全幅 1902㎜
全高 1492㎜
ホイールベース 3052㎜
トレッド 前 1611㎜/後 1620㎜
重量 1820kg
エンジンタイプ V6 DOHC
総排気量 3.6ℓ
内径×行程 96.0㎜× 83.0㎜
圧縮比 10.2 : 1
最高出力 292hp/ 6350rpm
最大トルク 35.9kg-m / 4800rpm
燃料供給装置 マルチポートインジェクション
変速機 8AT
EPA燃費 市街地8.0㎞ /ℓ/高速12.7㎞ /ℓ
サスペンション前 ショートロングアーム・コイルスプリング
サスペンション後 5 リンク・コイルスプリング
ブレーキ前 ベンチレーテッドディスク・6ピストン
ブレーキ後 ベンチレーテッドディスク
タイヤサイズ前後 245/45R20

1st Generation Wagon 2005-09

現在の第二世代の300にはステーションワゴンが設定されていないが、初代モデルの時も北米では販売されなかった300Cツーリング。日本への正規輸入のラインナップには含まれており、セダンモデルよりも1年半遅れの2006年7月に導入された。日本にもステーションワゴンのファンはいるので歓迎されたが、セダンの圧倒的な人気におよぶほどではなく、またそれは世界的にも同様の傾向があったため、2009年モデルまでで生産中止となり、日本への輸入も終了した。北米では300のステーションワゴンという位置付けでダッジ・マグナムが発売されたのだが、当時の北米はフルサイズのSUV&ピックアップトラックブームに沸いており、ステーションワゴンの需要自体が多くなかったため、マグナムは2008年モデルまでで生産終了となった。

1st Generation Sedan 2005-10

アメ車ファンに限らず、それまでヨーロッパ車にしか興味がなかったような層にも売れたのが初代の300だった。ベントレーに似ていると言われたスタイリングデザインだけでなく、ダイムラー・クライスラー時代のベンツのシャシー設計ノウハウを存分に生かしたハンドリング性能の高さも「アメ車らしくない」と好評だった。日本国内でも久々のアメ車ブーム到来の一翼を担い、さまざまなスタイルへのカスタマイズのベース車両としてもその存在感を発揮した。

CUSTOMIZED MODELS

LBワークス300の凄味

フロント6センチ、リア10センチにもなる超ド級のオーバーフェンダーは、愛知のショップ、リバティウォークのLBワークスによるもの。さらにフロント&サイドのディフューザー、リアウイングを装着、エアフォースのエアサスにより「シャコタン」スタイルを実現。22インチホイールを難なく収めた。

http://libertywalk.co.jp

アウトローダークスタイル

E&Gフロントグリル、ヒプノティック24インチホイール、クロスマフラー、ルーフ&トランクスポイラーを装着。エアサスで車高を下げたうえで、このカラーリング。深みのあるブラウンはフレーク入りでさらに立体的に見える。ヘビ革を大胆に使ったインテリアもインパクト大だ。

http://carshop-jetcity.com

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「クライスラー300」という車名は、実は1950年代から存在した。ただしそれらはマッスルカーの萌芽だったりラグジュアリークーペだったりと、現在の300とはコンセプトが異なるのでここでは触れないことにする。下の写真は300のもとになったと言われるコンセプトカーである。上は1998年に公開されたクライスラー・クロノス、下は2001年に公開されたダッジ・スーパー8・HEMI。どちらも言われてみればなるほどと思える仕上がりだ。上のクロノスはまだクライスラー・コーポレーション時代の作品なので当時のクライスラーデザインが残っているが、300の現行モデルを見ると、こちらからの流れが見えるのではないか。スーパー8の方は、ダッジのクロスヘアグリルを除けば、その雰囲気はまさに初代の300。ヘッドランプのデザインを見ると、4ドアになって復活したダッジ・チャージャーにも似ている。こうしたデザインスタディモデルを経て、ダイムラー・ベンツと合併してLXプラットフォームを獲得した末に実現したのが300だったのである。そんな300が時代の寵児となったのはクライスラーにとって幸運なことだったと言えるだろう。

https://www.chrysler.com

■Text|アメ車MAGAZINE

アメ車マガジン 2018年 3月号掲載


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