GMC

日本で一番売れたアメ車はこれ!? 今も大切に乗る人たちがいる シボレーアストロ/GMCサファリ


American Cars Best20
CHEVROLET ASTRO(シボレーアストロ)
GMC SAFARI(GMCサファリ)
1985y-

日産エルグランドやトヨタ・アルファードのもとになったのは、このアストロだった。すなわち、日本がミニバンの国になったのはアストロのおかげなのだ。そのアストロも生産終了から10年以上が過ぎたが、今も大切に乗っている人たちはたくさんいる。


シボレー・アストロ/GMCサファリは1985年モデルでデビューした。当時、すでにクライスラーのミニバンが発売され、アメリカ本国では大ヒットしていた。確かにプリマス・ボイジャー/ダッジ・キャラバンも日本に輸入され、ファンも付いた。ただ、それよりも圧倒的に多くのアストロ/サファリが日本にやってきた。日本にミニバンというコンセプトを最初に持ち込んだのは1990年のトヨタ・エスティマ。その後、91年にはバネットセレナ、92年にはエスティマルシーダ/エスティマエミーナ、93年にはラルゴ、94年にはオデッセイと、次々と国産ミニバンが発売された。それらのどれもがかなり大きな話題を振りまいた。一方でそれらとは別の流れとして、着実に輸入台数が増えていたのがアストロだったのである。アストロは、先の国産ミニバンたちとは重ならないターゲットを捕まえたのだ。アストロが話題になった理由のひとつに、ハイルーフコンバージョンの存在があった。本来のアストロ自体はこのページに並べた写真のように実用本位のバンなのだが、アメリカでは室内が空っぽのバンに豪華な内装や装備を取り付けて売る架装メーカーが多数存在した。レインボースター、スタークラフト、ティアラ、エクスプローラーなどが日本でも人気が高かった。そのような豪華な内装が売りなので、国産ミニバンよりも価格は高かったが、それ以上に価値あるクルマとして受け入れられたのだった。そうして一度人気に火が付いたアストロは、架装を施していない素のものも含めて、ありとあらゆるバリエーションが輸入されるようになった。一方アメリカ本国では、アストロは日本で言う「ライトバン」のようなもので、日本人のような用途で使うのはひと回り大きなフルサイズバンが圧倒的に多かった。それで、日本でのコンバージョン需要が一段落した2000年ごろになると、そろそろアストロも生産終了かと言われるようになった。実際にシボレーの看板車種であったカマロでさえ、2002年モデルまでで休止したのである。しかしながらアストロの場合は「日本人がやたらアストロを買っていく」からもう少し続けようかという感じで2005年モデルまで継続したのだと、ホントかウソか分からないウワサがもっともらしく語られた。アストロならそんなこともあるかもしれないと納得できるほど、日本では売れたのである。1985年モデルから2005年モデルまでがアストロの全生涯になるが、その間、1995年モデルでフロントマスクを一新したほかはモデルチェンジも行なわれなかった。95年モデルでのフェイスリフトもモデルチェンジではなく、Aピラーより前だけのデザインチェンジだったので、94年以前のモデルに95年以降のフロントマスクを簡単に装着することができ、実際にそのようにフェイスチェンジされた車両も日本に多く輸入されていた。また、95年モデル以降のアストロ/サファリには2種類のフロントエンドデザインが存在した。上のブルーのアストロは後席を備えたパッセンジャーバンのもので、下の一番上の白いアストロは後席の無いカーゴバンのもの。ヘッドランプのデザインが異なるのだ。その下のサファリについても同様である。フェイスリフト以前のモデルではエンジンの変遷もあったし、それ以降は廃止されたショートボディなどもあったが、現存するアストロ/サファリの選択肢は、4.3ℓV6エンジンを搭載したものが基本で、駆動方式でRWDとAWDが選べるくらい。素に近いものなら装備内容によってLSおよびLTというグレード分けがあるが、決定的なものではない。それよりも生産終了から10年以上になって、いかに多くのアストロ/サファリが日本に来ていたとはいえ、良質な中古車には限りがある。今から手に入れて末永く乗りたいと考えるなら、アストロ/サファリを得意とするショップに相談するのが間違いない。

2005 Chevrolet Astro LT AWD Specifications
全長 4820㎜
全幅 1968㎜
全高 1905㎜
ホイールベース 2824㎜
トレッド 前 1653㎜/後 1653㎜
重量 2082kg
エンジンタイプ V6 OHV
総排気量 4.3ℓ
内径×行程 101.6㎜× 88.9㎜
圧縮比 9.2 : 1
最高出力 190hp / 4400rpm
最大トルク 38.7kg-m / 2800rpm
燃料供給装置 マルチポートインジェクション
変速機 4AT
サスペンション前 ショートロングアーム・トーションバースプリング
サスペンション後 リジッド・リーフスプリング
ブレーキ前 ベンチレーテッドディスク
ブレーキ後 ベンチレーテッドディスク
タイヤサイズ前後 P215/70SR16

Astro 1985-94

この時期のアストロ/サファリには、パッセンジャーバンとカーゴバンで異なるフロントマスクは無かった。生産終了後にこの型の人気が一時的に高まったことがあったが、今はフルノーマルの状態で残っているものはおそらく無いだろう。

Safari 1985-94

1994年モデルまでのサファリは、アストロと異なるのはフロントグリル部分のみ。ただしシボレーとGMCの関係から、ノーマル状態であれば、アストロよりもサファリに上級装備が用意されている。このサファリマスクも今となっては貴重な存在だ。

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Astro Starcraft

スタークラフト社によるハイルーフコンバージョンで、三井物産オートモーティブによって正規輸入された1993年モデルだ。スタークラフト社はもともとボートのメーカーで、このハイルーフ部分はボートを逆さにして付けたのがもとになったと言われた。内装には、レザー張り3列シート、ウッドパネル、ウッドコンソール、イルミネーションが定番メニューとして装着されている。外装ではサイドの大型ウインドウ、バックドアのコンチネンタルキット(スペアタイヤ)、ストライプが架装されている。

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CUSTOMIZED MODELS

ハイルーフコンバージョン

こちらは内装の写真も含めて2001 年モデルのスタークラフトブロアム・ミッドナイトバージョン。三井物産オートモーティブによって正規輸入された最後のコンバージョンモデルとして有名な1 台。限定発売だったため希少な存在で、中古車としては今も超人気車。見つけたら即買いしようと探しているユーザーも多いとか。

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あらゆるカスタムがある

アストロ/サファリをベースとしたカスタムでは、当時として考えられるあらゆるカスタムメニューが試されたと言って間違いない。カスタムを楽しみたいからアストロを買ったというユーザーが多数いたのである。当時は200台も集まったアストロのオフ会で、何も手を加えていない車両を見つけるのが困難だった。

2012-01-1

「アメ車マガジン」を創刊した1990年代末、日本で世間一般に「アメ車」と言うと「アストロ」を思い浮かべる人が圧倒的多数だった。アメ車業界にいる人たちやコアなアメ車ファンの間では少し違った認識があったかもしれないが、ごく一般的に見ればそうだった。実際、ボウタイがアストロのマークだと思っていた人も多かったのである。当時、街でアメ車を見かける機会は今と比べると圧倒的に少なく、アメ車に関する情報という点でもインターネットを含めて非常に限られたものしか無かった。世間一般から見れば、アメ車は輸入車の中でもさらにマニアな人たちのものだった。そんな状況を揺り動かしたのがアストロだった。ある時、週末に都内をクルマで走っていると、10分に1回くらいの割合でアストロが走っているのを見かけるのに気付いたことを思い出す。もちろんもっとたくさん走っている車種は日本車や欧州車にはいくらでもあったわけだが、アメ車が、アストロが、そんなにたくさん都内を走っているということに驚かされたのである。そうしたアストロ/サファリ人気の基礎を作ったのは1994年までのモデルだった。今となってはやはり1980年代風のデザインでかなりノスタルジックなイメージではあるが、今もこの型のアストロ/サファリを愛用しているユーザーもいる。もちろんそうした人たちは「この型」のアストロ/サファリに乗っていることを誇りとしているのだ。

http://www.chevrolet.com

http://www.gmc.com

■Text|アメ車MAGAZINE

アメ車マガジン 2018年 3月号掲載


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