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世界のスーパーカーをも凌駕する アメリカン・スーパースポーツ シボレーコルベット

2015 Chevrolet Corvette Z06 Coupe

American Cars Best20
CHEVROLET CORVETTE(シボレーコルベット)
1953-82y, 84y-

コルベットというクルマはアメ車の中でも特別な存在だ。ファンからは最高の性能を常に求められ、実際、それに応えてきた。「最新のコルベットが最強のコルベットである」ことを実現し続けてきた結果、今なおアメリカンスポーツの代名詞として認められている。


2013年1月、それまでウワサでしかなかったコルベットの新世代モデル「C7」が現実のものとなった。しかも「コルベット・スティングレイ」と往年のファンには懐かしいサブネームまで付けての登場だった(日本への正規輸入モデルは単に「コルベット」と表記された)。GMの本気度がうかがえるネーミングだった。最初の2014年モデルが北米で発売された2013年8月、多くのディーラーではプレミア価格で販売されていた。注文数に対してメーカーからの供給が追い付かなかったからだ。そんなわけで日本C7の実車を見ることができたのは、翌2014年4月に正規輸入の日本仕様が発売になってからだった。北米仕様と日本仕様では詳細が異なるが、ここからは日本仕様を中心に解説する。2014年モデルとしてラインナップされていたのは、クーペ、コンバーチブル、Z51クーペ、Z51コンバーチブルの4グレード。搭載エンジンはいずれも6.2ℓV8のLT1だったが、クーペおよびコンバーチブルは460ps、Z51は466psとされた。Z51は、電子制御リミテッド・スリップ・デフのeLSDおよびそれを冷却するためのエアインテーク、ブレーキ冷却用のダクト、専用リアスポイラー&ディフレクター、マグネティック・ライド・コントロールなどが標準装備され、さらにより扁平なタイヤが装着されたスポーツ仕様。北米仕様ではこれに加えてサーキット走行にも耐えるスポーツサスペンションが装備されたが、これが入ると同じクルマとは思えないほど走りと乗り心地が激変すると話題になった。2014年11月には早くも2015年モデルが発表され、それまでの6ATに代わって8ATが採用された。この8ATはあらゆる面で設計が一新されており、トランスミッション本体だけでなくセンサーやコントロールシステムまで含めて刷新され、加速性能と燃費性能の向上に貢献するものとなった。そしてその数日後、C7のトップモデルという位置付けでZ06の日本正規導入が発表された。Z06には6.2ℓV8スーパーチャージャーで659psを発揮するコルベット史上最強のエンジン(LT4)が搭載されていた。エンジンルーム内にスーパーチャージャーユニットを収めるためにフロントフードは高められ、冷却用のエアベントも大型のものが採用された。専用デザインのフロントスプリッターやオプションとなる調整式のリアウイングなどによりダウンフォースも高められ、走行安定性を高めるためにボディもワイド化されている。さらに2017年モデルではグランスポーツも日本仕様に加わった。搭載エンジンはLT1だが、Z06と同様にZ07パフォーマンスパッケージをオプションとして装着することができ、Z51より一段高いスポーツ性を持ったモデルだ。そして今また、新たな最強のコルベットとして北米でZR1が発表されたのは本誌前号で既報のとおり。こちらも6.2ℓV8スーパーチャージャーだが、最高出力は755hpを発揮するLT5エンジンを搭載。現時点で史上最強のコルベットと言えばこちらである。ZR1は北米で発表されたばかりで来春に現地で発売となるが、日本に正規輸入されるかどうかは未発表である。

2015 Chevrolet Corvette Z06 Specifications
全長 4510㎜
全幅 1880㎜
全高 1230㎜
ホイールベース 2710㎜
トレッド 前 1600㎜/後 1570㎜
重量 1610kg
エンジンタイプ V8 OHV スーパーチャージャー
総排気量 6.2ℓ
内径×行程 103.2㎜× 92.0㎜
圧縮比 10.0 : 1
最高出力 659ps/ 6400rpm
最大トルク 89.8kg-m / 3600rpm
燃料供給装置 電子式燃料噴射(筒内直接噴射)
変速機 8AT
サスペンション前 ショートロングアーム・コイルスプリング
サスペンション後 ショートロングアーム・コイルスプリング
ブレーキ前 ベンチレーテッドディスク・6ピストン
ブレーキ後 ベンチレーテッドディスク・4ピストン
タイヤサイズ前 P285/30ZR19 94Y
タイヤサイズ後 P335/25ZR20 99Y

1st Generation 1953-62

1954y

実は最初のコルベットは「スポーツカー」として企画されたのではなかった。1.3トンあまりのボディとはいえ、150hp の直6 エンジンに2 速AT では走りには期待できない。後にはV8 エンジンの搭載などもあったが、C1は最後までそうした状況を引きずっていた。

2nd Generation 1963-67

1966y

コルベットがスポーツカーになったのはこのC2からと言われる。横置きリーフスプリングによる4輪独立懸架の足回りを新たに採用。この足回りは形を変えながらC4まで継続した。エンジンバリエーションも豊富になり、ミッションも3MT、4MT、3ATを用意。

3rd Generation 1968-82

1972y

典型的なコークボトルボディと、ロングノーズ&ショートデッキなスタイリングはアメ車にしかない。そこが根強い人気の源である。マッスルカーの最盛期とアメ車が一気に転落した時代を通して生き延びた、モデルレンジがもっとも長かったコルベットだ。

4th Generation 1984-96

1995y

日本ではいわゆるバブルの時代に当たったため、国内販売台数がもっとも多かった世代である。アメ車らしさという点ではC3 に譲るものの、その後の世代に比べるとアメ車の香りが強い。エンジンパワーが300hp、400hp超えと復活したのもこの時代である。

5th Generation 1997-2004

2001y

体感の速さ、加速性能の点で、前世代までと比較にならないほどの高性能を誇ったのがC5。アメ車のインジェクション技術が新たな段階へと進化したことを感じさせた。スタイリング的にアメ車というより効率重視の無国籍感覚が強まったのがこの世代からだ。

6th Generation 2005-13

2013y

400hp 台から一気に600hp 台へとエンジンパワーを引き上げたのがこの世代。速さはもちろんのこと、信頼性においても一層磨きがかかったのは大いに歓迎されたが、価格的にも一気に1000万円超えのZR1が登場するなど、次の段階を感じさせた世代だった。

CUSTOMIZED MODELS

超ワイドボディコルベット

その車幅、2000㎜というワイドボディを持つC7 は、名古屋市にショップを構えるフォルテによる作品。オートサロンを始めとしたカーショーイベントで実車を目にした人も多いはずだが、日本国内だけでなく世界からの注目を集めた。このボディキットおよびマフラーは販売中。

https://www.forte-special.com

8MPR0165

レーシングスピリット満載

Z06のコンバーチブルに純正オプションのZ07パフォーマンスパッケージを装着、日本人NASCARドライバーである古賀琢麻氏によるREVORIXホイールをボディカラーに合わせペイントして装着。カーボンフードにはコルベットレーシングのシンボルである「ジェイク」が描かれた。

http://www.lionheart2005.com

8MPR2387

第二次世界大戦中のヨーロッパ戦線で、現地のコンパクトスポーツカーを見てきた若い復員兵たちを中心に、アメリカ国内にそれらを輸入して楽しむ層が増えていた。そこをターゲットにした2人乗りラグジュアリーカーとして企画されたのがコルベットだった。当時、GMが毎年初にニューヨークで開催していたモーターショー(モトラマ)の会場で、コンセプトカーとして世に問うたコルベットの反響は大きく、即、市販が決定した。ところが、そのスタイリングから活発に走るスポーツカーを期待したユーザーたちによって、最初の非力なコルベットは酷評されることになった。そこからエンジンを見直し、トランスミッションを見直し、足回りを見直し、スポーツカーとしての性能を詰め込んでいくのが、コルベットの歴史となったのである。現在までに7つの世代を数え、厳密にいうと1983年モデルはモデル切り替えの狭間に当たって存在しないのだが、1953年から65年間に渡って「唯一のアメリカンスポーツ」という形容詞をほしいままにしてきた。コルベットユーザーは7つの世代それぞれにファンが付いており、コルベットファンというよりC1のファン、C2のファン…といった方が正しいのではないかという熱烈な人たちに支えられているのが特徴的だ。そのため、古い世代のモデルであってもその気になれば必要な部品は手に入る、愛しがいのあるクルマである。

http://www.chevrolet.com

■Text|アメ車MAGAZINE

アメ車マガジン 2018年 3月号掲載


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