ピックアップトラック

GM・FORD・RAMの最新動向は?今注目のHOT MODELが大集結 2018年はトラックに乗る!

2019 Ram 1500 Rebel

もっとアメ車で遊べ!情熱のTRUCK!

2019 Ram 1500 Rebel

アメリカの文化 ピックアップトラック

アメリカは、言わずと知れたトラックカントリーである。ここでいうトラックとは、長距離輸送の大型トラックではなく、ピックアップトラックを指す。西海岸のカリフォルニア州や北東部のニューヨーク州でも普及しているが、テキサス州など中西部の町中では普及の度合はハンパなく「どっちを向いてもピックアップトラックだらけ」と思えるほどの爆発的な人気車だ。アメリカの庶民にとってピックアップトラックは、まさに生活必需品 として認識されているのだ。では、具体的な数字でピックアップトラックの人気の高さを見てみよう。2017年のアメリカ国内自動車販売台数は1723万台だ。そのうち「カー(乗用車)」が633万台、そして対する「ライトトラック(小型トラック)」が1090万台となり、なんと全体需要の三分の二をライトトラックが占めることになる。ミニバンや軽自動車が主流の日本では想像つかないような社会状況が、アメリカに存在するということだ。このライトトラックの内訳を詳しく見てみると、ピックアップトラック、クロスオーバー、SUV、そしてミニバンに分類される。ピックアップトラックはライトトラック全体の四分の1となる、282万台だった。これは、日本の自動車市場の約6割に相当する驚くべき数字である。アメリカでピックアップトラックがこれほどまでに「庶民の足」として定着したのは2000年代に入ってからだ。その前兆として、90年代半ばにジープ・チェロキーやフォード・エクスプローラ、そしてシボレー・タホなどSUVの人気が徐々に上昇した。そもそもSUVは70~80年代にピックアップトラックの車体を流用した商用バンとして市場導入され、四輪駆動車がキャンプなどのレジャー用として個人所有されるケースが徐々に増えていった。だが、90年代半ばの第一次SUVブームでは、スーパーマーケットでの買い物や子供たちの学校への送迎など、個人にとっての使い勝手の良さや「都市部でオシャレに乗る」という大型車に対する高級志向が相まった。こうした時代変化を察知して、2000年代に入ると、日系ビッグ3(トヨタ、日産、ホンダ)もフルサイズピックアップトラック市場に参入していく。トヨタはタンドラ、日産はタイタン、またホンダはSUVとピックアップトラックのクロスオーバーであるSUTとしてリッジラインを新規に開発した。日系メーカーの参戦にデトロイト3(GM、フォード、FCA《当時のクライスラー》)は、フルサイズピックアップトラックのモデルラインアップの拡大、さらにはひとクラス下のミッドサイズピックアップトラックの性能向上を図るなどして対抗してきた。そして迎えた2018年、トランプ政権2年目となり、アメリカには「メイド・イン・USA」や「バイ・アメリカン(アメリカ製品を買おう)」といった風潮が強まっており、ライトトラック市場でのデトロイト3の存在感がさらに増している。


2018年 世界のトラック市場
GM・FORD・RAMの最新動向は?
日本と欧州もトラック市場に参戦!?
続々モデルチェンジが発表され益々面白くなりそうな予感!!

GM
旗艦モデル・シルバラード一新で
さらなるシェア拡大を狙う

急速に変化する米市場だがGMトラックは販売を着実に伸ばす
長年「ライク・ア・ロック」をキャッチコピーとして、「強靭さ」や「男らしさ」を商品イメージの中核に置いてきたGMのピックアップトラック。こうした「強いGM」をユーザーに印象づける商品戦略は、08年のリーマンショックによる経営破たんを経た現在でも大きく変わっていない。その上で、2017年の販売実績を見てみると、全モデルの販売総数は前年比1.4%減の300万台。このうち、乗用車は20.3%減と大きく落ち込んで70万台となった一方で、ライトトラックは6.4%増の229万台に達した。全米でセダンからSUV、クロスオーバーへと人気車種が急速に変化している中、GMの場合はピックアップトラックのラインアップ全体として販売が着実に伸びている。ブランド別では、GMのブランドは現在、大衆向けのシボレー、安定した上級志向のビュイック、ニッチな上級志向のGMC、そして高級ブランドのキャデラックの4本立てだ。このうち、ピックアップトラックは、シボレーのシルバラードを軸足として、ミッドサイズのシボレー・コロラド、シルバラードの派生車としてGMC・シエラという戦略が長年に渡り継承されている。パワートレインとしてはV8が軸足という考え方は変わっていない。ハイブリッドについては、ダイムラー・BMWと共同開発した2モーターハイブリッドシステムを導入して以来、GM独自開発の動きについてはGM周辺から詳しい話は漏れてこない。当面は「強いGMトラック」という伝統的な商品戦略が続きそうだ。

GM
世界を駆け巡るアメリカ在住の
モータージャーナリスト・桃田氏
このモデルに注目!!
2019 CHEVROLET SILVERADO

巨額投資で大幅に改良した結果上質な仕上がりで現地の反響は大きい
2017年のクリスマスを翌週に控えたテキサス州フォートウォース市の郊外。NASCARの舞台として知られるテキサスモータースピードウエイで、その雄姿が初公開された。この日は、GMのトラック事業開始100周年を祝う式典が開かれていたが、そのクライマックスに登場したのが、次期シルバラードの2018年夏発売モデル(米市場での2019イヤーモデル)だった。正確には、量産される8モデルのなかで最も販売量が多いと目される、LT トレイルボスである。GMディーラー関係者からは「全体的にスリムになった」「明らかに荷台が大きい」といった声が聞こえてきた。こうしたパッと見た目だけではなく、新型シルバラードは車体設計を完全に見直して徹底した軽量化、今後の主力エンジンになると目される4.3ℓV6など、大きな変化が起こっている。これは、GMがミシガン州、インディアナ州、そしてメキシコ国内のピックアップトラック関連工場に総額3000億円を超える巨額投資を行った結果である。そして迎えた、2018年1月の北米国際自動車ショー(デトロイトショー)で、実車をじっくりと見たが、デザイン手法はシルバラードを継承しているが、これまでとは「全く別モノ」と言えるほど上質な仕上がりだった。

FORD
国内販売3台に1台はF150
フォードを支える大黒柱は健在

本音はトラックカンパニーからの脱却しかしまだまだ軸足はトラック
日本ではあまりイメージがないかもしれないが、アメリカでは「フォード=トラックカンパニー」という認識がある。これは、ユーザー側も自動車産業界も、そしてフォード社内でも同じだ。フォードといえば、スポーツカーとグランドツーリングカーの魅力を併せ持つマスタングや、ドイツを拠点とする欧州フォード開発チームがジャーマン3への対抗馬として走りを熟成させている世界戦略Cセグメントカーのフォーカス、さらにはアメリカでのSUVブームの立役者であるエスケープを思い浮かべる方も多いはずだ。しかし、17年のアメリカ国内販売実績を見てみると、総販売台数は前年比0.9%減の256万台で、そのうち乗用車は60万台とフォード全体の四分の1以下に過ぎない。しかも前年比で14.2%減と大きく落ち込んでいる。一方、フォード全体の四分の三以上を支えるライトトラックは前年比3.9%増の198万台だ。そして、ライトトラック販売台数のうち約半分に相当する90万台がフルサイズピックアップトラックのF150だ。つまり、フォードのアメリカ国内販売の3台に1台はF150なのだ。こうしたF150に頼る「一本足打法」の経営実態に対して、前社長のマーク・フィールズ氏が「トラックカンパニーからの脱却」と意気込んでいた。しかし、昨年から経営陣が刷新され、ビル・フォード会長をはじめとしてトランプ政権に対する配慮もあり、アメ車の強みであるピックアップトラック重視を維持する姿勢が見られる。

FORD
世界を駆け巡るアメリカ在住の
モータージャーナリスト・桃田氏
このモデルに注目!!
2018 FORD RAPTOR

オールアルミボディにツインターボ搭載さらなる進化を遂げた最強トラック
世界最強の量産型ピックアップトラック、それがフォードラプターだ。そう言い切ってしまうことに異議のある人はいない。ラプターは、ピックアップトラック世界最多販売台数を誇るFシリーズのスペシャルバージョンである。1940年後半にFシリーズがこの世に名を受けた以降、アフターマーケットではFシリーズをロードカーバージョンとして、またオフロードバージョンとしてカスタマイズする動きも広がっていった。それが2000年代に入ると、米自動車産業界の中でオフィシャルチューニングカーのブームが到来。フォードはSVT(スペシャル・ヴィークル・チーム)というブランドで、Fシリーズのロードモデルがライトニングを登場させた後、オフロードモデルとして2010年にラプターが出現した。筆者はこれまで何度も全米各地でラプターを試乗してきたが、乗るたびに心が躍る。第一次ラプターでは、5.4ℓV8、さらには6.2ℓV8による重厚な走り味に度肝を抜かれた。さらに2016年からはFシリーズ刷新に伴い、オールアルミボディと3.5ℓV6ツインターボ+10速ATへ変貌。FOX製サスはリアの稼働領域が15インチにも及び、車体軽量化と相まって驚異的に見事なハンドリングを実現した。

RAM
GM・FORD に対抗すべく
モデルチェンジで勝負に出る!

ラムトラックへと独立してから真価を問われる大変革の年になる
すっかり耳に馴染んだ、「ラムトラック」という言葉。ダッジのモデル名称だったラムがピックアップトラック全体を指すブランドになって久しい。時計の針を少し戻すと、クライスラーが70年代、GMやフォードの小型乗用車戦略に対抗するため、日本の三菱自動車と技術提携をしてモデル拡充を図ったのがダッジブランドの創成期だった。その後、80年代にはダッジのピックアップトラックが存在したが、GMの当時のC/KシリーズやフォードのFシリーズに比べて、三流のイメージが払拭できなかった。そうしたなか、90年代中盤に登場したラム1500がダッジにとって起死回生の一撃となった。フロントグリルのデザインがGMやフォードと比べて立体感を強調し、さらに「どこか愛らしく見える」デザインテイストがラムの新規需要を一気に押し上げた。また、V10ディーゼルや当時クライスラーが進めていたスポーツブランドのSRT仕様ではハイスペックで大出力のHEMIが唸った。だが、そうしたラムブームは2000年代中頃には落ち着き始め、ラムは再びマイナーブランドへ逆戻りしそうになった。追い打ちをかけるように、リーマンショック後のクライスラー経営破たん。事業再生によって伊フィアットが買収し、大規模な組織再編を実施。ダッジから切り離し、ピックアップトラックのみをラムトラックとして存続することになった。そして迎えた2018年、ラムトラックのフルモデルチェンジ期であり、FCAにとって勝負の年となる。

RAM
世界を駆け巡るアメリカ在住の
モータージャーナリスト・桃田氏
このモデルに注目!!
2019 RAM 1500

迷走したデザインに終止符を打ち現地メディアも大絶賛の新モデルに注目
満を持して、ラムトラックがフルモデルチェンジ。2018年1月のデトロイトショーのメディア向けプレゼン現場で、アンベールの瞬間を見た。新生ラムに相応しい凛々しい姿に感動した。筆者が90年代半ば、ノースキャロライナ州シャーロットでひと目惚れし、その後テキサス州ダラスでの愛車となった、あの大人気ラムの興奮が再び戻ってきた。そうしたラム全盛期再来の気配を、集まったメディア関係者の多くが直感した。「これは売れる!」と。売れる理由その1は、デザインに無理がないことだ。90年代全盛期以降、ラムのデザインは迷走した。ひたすらゴテゴテした雰囲気が拡張されることに、市場は冷ややな反応をした。それが新型ラムでは空力論理をしっかり踏まえて、ラムのアイコンであるグリルを生かしながらスッキリとした未来感を実現した。さらに凄いのはインテリアの質感の高さだ。正直なところ、インテリアは新型シルバラードを大きく凌ぐ出来栄えだ。また、車載通信システムのUコネクトが第四世代となり次世代車としての魅力も充実。パワートレインではマイルドハイブリッドの3.6ℓV6、HEMI、さらにディーゼルと内容充実。次世代ラムの人気爆発は、もう目の前にある。

WORLD
日本では待望のモデルが発売し
ベンツもトラック分野に参戦!!
世界に目を広げるとトラック市場は激戦区
アメ車のライバルたちの動向もチェック!

アメリカなど北米をターゲットかアジア向けの世界戦略車に絞られる
世界では今、ピックトラック分野で大きく2つの潮流がある。ひとつが、アメリカでのフルサイズピックアップを頂点とするライトトラックだ。もうひとつが、東南アジアを中心とした世界戦略ピックアップトラックの分野だ。そもそも、タイでピックアップトラックを商用と乗用で共用する動きがあり、いすゞや三菱自動車が東南アジア向けの専用ピックアップトラックを東南アジア各地で生産・販売し始めた。ここに、トヨタが2012年、IMV(インターナショナル・イノベ―ティブ・マルチパーパス・ヴィークル)という新興国市場向けのピックアップトラックとSUVを対応させるプラットフォーム戦略を打ち出した。また、日産もピックアップトラックのナバラ(NP300)を世界戦略車として大幅改良を行なった。昨年は世界販売されていたトヨタ・ハイラックスが13年ぶりに日本市場に復活登場し、受注台数は目標を大きく上回っているという。こうした中、タイで長年に渡りマツダとの協業を行なってきたフォードは、ピックアップトラックのレンジャーを新興国戦略車と位置付けて新規の開発を行なった。さらに驚くべきことに、なんとメルセデスも昨年、Xシリーズとしてピックアップトラック分野に初参入したのだ。このように、世界市場において、アメリカ市場でのピックアップトラックは、ある意味でアメリカ版のガラパゴス車だと言える。



コレがニッポン独自のトラック文化
軽トラカスタム!

実は軽トラのカスタムが凄いことになっているって知ってた?
日本独自のクルマカテゴリーである軽規格。セカンドカーとして軽自動車を所有する読者も多いだろうが、実は軽トラのカスタムが増加傾向にあるのだ。車高調やサスキットでのローダウンは当たり前で、エアサスまで組むモデルも登場。オーバーフェンダーなどのボディキットも多数販売され、ホイールも16、17インチというサイズは軽規格にしては大口径だ。もっと詳しく軽トラカスタムのことを知りたければ、ぶんか社から発売されている「軽トラカスタムマガジン」を見てみよう! アメマガと同じ出版社なので宣伝ですが(笑)



文/桃田健史

アメ車マガジン 2018年 4月号掲載


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