-フリースタイルで行こう- #17 ヘンテコなホットウィールを愛さずにはいられない!!

コラム

アメマガ2021年9月号

フリースタイルで行こう

#17 ヘンテコなホットウィールを愛さずにはいられない!!

-フリースタイルで行こう-


-フリースタイルで行こう-
#17 ヘンテコなホットウィールを愛さずにはいられない!!

「ホットウィール」は、一見ふざけたアプローチでも、実車のカーメーカーでのキャリアを積んだプロフェッショナルなカーデザイナーにしてホットロッダーが実車としてデザインしているだけに、メカニズム的にも説得力があるのがポイント!子供だましのおもちゃではなく、真剣にふざけたデスクトップのショーロッドなのだ!!

カリフォルニア発のアメリカンなホットウィールは小スケールのダイキャスト製「ホットロッド」なのだ

Hot Wheels(以下HW)はリリースするモデルのラインナップが世界一幅広いため、マイナーな日本国内でも年々ファン層が拡張している感じ。そこでは基本的に実車のミニチュアカーとしてのニーズが主流なので、単純にお気に入りのクルマがHWでリリースされれば注目するわけです。近年では日本車やポピュラーなレースカーなどをテーマにしたシリーズが立て続けにラインナップされているので、好きな車種としてなんとなく手に入れたのがきっかけで、HWのコレクション地獄の餌食になってしまう人も少なくないのでは?!

 

日本やヨーロッパでは、ミニカーというと、実際に存在するクルマのミニチュア版という認識ですが、カリフォルニア発のアメリカンなHWは、パフォーマンスも楽しむ小スケールのダイキャスト製ホットロッドというのが基本コンセプトとして半世紀以上の歴史を持つブランドということを忘れてはいけません!しかも、当初からのコンセプトがそうであると同時に、それを担うデザイナー陣には実車メーカーでキャリアを積んだプロフェッショナルなカーデザイナーを採用するというのがポイント!

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HWの生みの親としても知られる、初代チーフデザイナーのハリー・ブラッドレー様は、優秀なカーデザイナーでありながら、いち早くホットロッドとしてピックアップトラックを取り入れたお方。HW初代の有名モデル「フリートサイド」は、ブラッドレー様の愛車をモデル化したもので、8スタックのフェンネルがフードから突き出たマグホイールを履くホットロッドで、そのアプローチこそがHWの基本コンセプトとなったのでした。

 

ベース車が何であれ、マグホイールを履いたホットな仕様なので、単なるミニチュアではなく、トーションバーサスペンションを採用して、猛スピードで走ることができるハイパフォーマンスなダイキャストカーとして誕生。また、ブラッドレー様がデザインを担当したダッジのコンセプトカー「DEORA」のように、オリジナルデザインのモデルが存在することもHWの魅力。

 

国内のお硬いミニカーコレクターの方々は、HWを子供のおもちゃとしてスルーしてましたが、HWの真骨頂はオリジナルデザインこそなのです。そこには一見ふざけたようなデザインも珍しくないのですが、アメリカのホットロッドの世界では、劇用車や企業のプロモーションカーなどとシンクロして60年代あたりからショーロッドがメジャー化。それに連動して、TOYやダイキャストでも同様のアプローチによるオリジナルデザインのモデルがリリースされているのです。オリジナルこそが真骨頂のHWにおいては、誕生以来今日まで、一つのセグメントとして定番的にリリースされているのです。

 

実際HWはキッズ層がメインターゲットですが、商品をデザインするデザイナーたちは、基本的に自身の趣向に則って、実際のホットロッドとしてデザインしているのがポイントなのです。かつてマテルのデザインセンターを取材させてもらった際にメインのデザイナー陣の全員に確認しましたが、いかに売れるモデルをデザインするかではなく、あくまでも自分の好みでオリジナリティを発揮してデザインしたものの中から、会社側が判断して商品化されるスタイルとのこと。それだけに、一見ふざけたデザインのモデルであっても、よく見ると思わずニヤついてしまう実車としてのメカニズムや、ホットロッドの歴史が垣間見れるトリビュートなファクターが詰まっていたりするのです。

 

なので、海外では、実車での知識や高いセンスの持ち主こそ、HWのオリジナルデザインを高く評価してたりします。偉そうに語る自分自身がそうでしたが、HWのファンになった当初はオリジナルデザインには目もくれなかったのですが、少しずつじんわりと本来の魅力を刷り込まれ、現在に至るのです。その辺は、パンクやヘビーロックで音楽に目覚めて追求していくうちに、最初は毛嫌いしていたブルースやジャズの魅力にハマるのと同じ感じ! トイレやタコスをテーマにしたりするHWも実はそれくらい奥深い魅力が詰まっていたりするのです!

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BUNS OF STEEL / ROLLER TOASTER

ウィンナーモービルに通じるプロモーションカー的なアプローチのシリーズ。フルサイズVANをベースにしたハンバーガー屋さんのマシンは、その名も“BUNS OF STEEL”!トースター号は“ROLLER TOASTER” と、HWはネーミングセンスも抜群。いずれも、クルマとしてのデザインも、バーガー、ポテト、トーストなどのモチーフの造形も素晴らしい!

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CAR-DE-ASADA / DONUT DRIFTER / STREET WIENER

好物メニューをホットロッド化するのも、自然な流れ?!“CAR-DE-ASADA” はメキシカンな牛肉の料理名とデザイナーであるRyu Asada氏の名前をかけたタコスなドラッグマシン。タコスの皮はコーン製2枚重ねだったり、ライム添えってのがいかにもで◎!残念ながら、これがASADA氏の遺作となってしまった…ちなみに“STREET WIENER”、上写真の“ROLLER TOASTER” も彼のデザインなのだ。

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BUBBLE MATIC / AISLE DRIVER / CARBONATOR

栓抜きだったり、シャボン玉をつくったり、レンチ、ドライバーなど、実際に機能したリアクションを楽しむスタイルのセグメントなんかも存在します。栓抜きの利用頻度は極めて少ないですが、一応使えるというのはポイント大です。シャボン玉も少々無理がありますが、純粋に楽しいので◎ ショッピングカートもナイスです。

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Oscar Mayer Wienermobile

企業のプロモーション用に制作された実車の中では最も有名にして最古のウィンナーモービル。戦前に誕生して、時代ごとにリニューアルされた中でも、この90 年代版は、実車のデザインはHWの生みの親でもある、ハリー・ブラッドレーが担当。ちなみに、日本国内ではプリマハムが導入して80年代後期より数年間活動してました。

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EXPRESS LANE / RADIO FLYER WAGON

最小なものに最大なものをぶち込むマッシブなアプローチは一種の定番で、実際にラジオフライヤーやショッピングカートにV8エンジンを搭載するケースは珍しくないので、当然の商品化?!とはいえ、HWのセンスの良さは抜群です!!

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FUN BUGGIES/ZOWEE 1972 Home Sweet Home

70年代初頭にはマイクロサイズ(1インチ以下)のショーロッドだけのシリーズを展開。全部で十数種類ラインナップされた中で、後期のスカルがモチーフのものにはびっくりするほどのプレミアムプライスが付いてたりと、熱心なファンが意外に多いのです。

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SCUM CHUMS ACTION PACK HOT SEAT & SUDZSTER / GOTTA GO / HOT SEAT

ショーロッドが一大ムーブメントとして開花した60年代以降は、とにかくあらゆるものをテーマにしたショーロッドが誕生。トイレ&バスタブのショーロッドは模型としてリリースされた有名な存在。MOONEYES のHRS では、展示されただけでなく、自走入場で実働っぷりをアピール!そんなわけで、HWにも同等のテーマのモデルがちょいちょい存在します。

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STREET BEASTS:DUCK N' ROLL(Yellow) / STREET BEASTS:DUCK N' ROLL(Green) / HW GLOW RACERS:DUCK N' ROLL

おとぼけ系の中でもモチーフが“ ラバーダック” なだけに、純粋に可愛いアヒルのアイテムとして幅広い層に受け入れられている感じ。ファンシーな雑貨やアイドルグループと共通で、複数で集合することで魅力が倍増するタイプ。そんなわけで、バリエーション展開が楽しみだし、ついついコレクションしたくなる!

★石橋秀樹
アメリカンホビーショップ「ホットワイヤー」の店主であり、フリーペーパー「イグナイト」の編集人、そしてアメ車マガジンでもライターを行なうなど、アメリカンカルチャーに関する偉人(変人)である。人生は肩ひじはらずに「フリースタイル」なのが信条。


アメ車マガジン 2021年 9月号掲載

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