日本でキャデラック・セビルの名が大きく知れ渡ったのが、92年モデルの第4世代
1992y CADILLAC SEVILLE STS
THE PICK UP TEST DRIVE
こんな極上セビルはもう2度と手に入らない!?
1992y CADILLAC SEVILLE STS
1992年に4代目にフルモデルチェンジした、キャデラック・セビル。日本でもセビルが大きな注目を浴びたのはこの4代目からで、今もなお根強いファンが存在する。現在90年代モデルの価格は急上昇しており、紹介するセビルのような極上の状態を保ったモデルは、さらに価値が上がっていくだろう。
高騰が続く90年代モデル、品質の高いモデルはお宝になる
全国各地の多くのアメ車ショップが今、口を揃えて語るのが「中古車の仕入れ価格が高い」だ。価格は年式を問わず上昇しているようだが、なかでも90年代モデルの上昇曲線が著しいという。
長年90年代モデルの高品質車両の販売を手掛けてきた千葉県のガレージジョーカーもその状況は同じで、「今まで見向きもされなかったボロボロの車両でも、オークションでは強気の価格設定で、それでも落札される状態。それをしっかり修理して販売するとなると、一体幾らで売るのか…」と、現在のアメ車中古車市場について語る代表の小川氏。ともすれば、修理は程々で売りに出されるかもしれない。ユーザーがそれを納得して購入すれば良いが…。
そんな90年代モデルの状況だが、ガレージジョーカーは変わらずしっかりした目利きで高品質のモデルを仕入れ、新車同然にリフレッシュしての販売を心がける。
紹介する92年型キャデラック・セビル・STS(ディーラー車)もその1台。仕入れたときから内外装ともに「驚くほどキレイ」で、リフレッシュが必要な部分は点火系程度だとか。
これまで同ショップが扱ってきた90年代キャデラックモデルは、さすがに経年劣化でエンブレムが濁っているのがほとんどのようだが、このセビルは純正のままで濁りもない。金メッキのエンジンキーも綺羅びやかさは失われておらず、キーチップもしっかりと作動する。
高騰が続く90年代モデルにおいて、これだけ極上の姿を残しているセビルは、まさにお宝と言っていい。この機会を逃したら、極上セビルを手に入れることは難しいかもしれない。まずは車両を詳しく見ていこう。
IMPRESSIONS
踏めば確かに加速するが豪快に飛ばすよりも優雅に乗りたい
30年近く経つクルマだけに、走りには大きな期待は持っていなかったが、このセビル、良く走る。踏めばグンッと出るし、踏めばビシッと止まる。正直当たり前なことだが、なにせ30年前のクルマ。2021年に乗っても十分違和感は感じない。段差もしっかり受け止め、ただ柔らかいだけのフラフラする感覚もない。踏めば出るし、軋み音も皆無だが、セビルは急ぐことなく優雅に走るのが一番お似合いだ。
パワーは劣るがメンテナンス性は優れる 92年唯一のV8・4.9L OHV
紹介するキャデラック・セビル・STSは、4代目にモデルチェンジした1992年型のファーストモデル。92年後期から翌93年型になると、エンジンは新開発の4.6Lノーススターを搭載するが、ファーストモデルは4.9Lを搭載する。パワーでは劣るものの、丈夫でメンテナンス性に優れるのは4.9Lだ。
走行距離2.9万km、ワンオーナー車
キャデラック・セビルは、エルドラドのクーペモデルに対して名付けられた名前だが、75年に独立したモデルとして第1世代が登場。
日本でセビルの名が大きく知れ渡ったのが、92年モデルとしてデビューした第4世代だ。競争が激しくなった高級セダンカテゴリーにおいて、キャデラックが世界基準のラグジュアリーセダンとして新型セビルは開発され、キャデラックの伝統を脱したスポーティなデザインが特徴的となっている。
グレードはベーシックとセビル・ツーリング・セダン(STS)があり、日本正規モデルとして導入されたのが撮影車両のSTSだ。 エンジンは当初4.9L V8 OHV(200hp)を搭載していたが、93年イヤーモデルからは新開発のノーススター4.6L V8 DOHC(295hp)が搭載される。
92年の1年だけに4.9Lが存在するわけだが、整備業界的に「丈夫でメンテナンス性に優れている」と称されるのはこの4.9L。例え出力が劣っても、やや癖のあるノーススターよりも長い目で見れば狙い目といえる。
登録から29年を迎えるこの車両だが、走行距離2.9万kmのワンオーナー車という奇跡のストック状態。内外装見回しても目に付く傷もなく、走行が逆に少なすぎて点火系のリフレッシュが必要なぐらいだ。
この状態を保ち続けた前オーナーも凄いが、あっさり販売するガレージジョーカーもある意味凄い。
第4世代のエンジンは4.6?V8 DOHC(295hp)ノーススターというイメージがあるが、モデルチェンジした初期の1992年型には4.9?V8 OHVが搭載されていた。
最高出力は200hpとノーススターよりも劣るが、メンテナンス性に優れているため、長く維持することを考えたら最適といえる。ホイールは純正の16インチ。この純正ホイールだけでも、今ではお宝の一つだ。
ガレージジョーカーではライト類を新品交換して販売することが多いが、このセビルは未交換ながら曇りのない状態の良さ。トランクルームも汚れ一つなく、ゴムモールもコンディションは良好だ。
コンメタリックのボディも美しいが、キャデラックエンブレムの状態の良さは出色。「約30年前のクルマで、未交換でこの状態を維持しているのは凄い」と小川氏は語る。純正ゴールドメッキのエンジンキーも金色に輝き、経年劣化でヘタるキーチップもまだまだ現役作動。
レザーとウッドをあしらい高級感を演出するインテリア。センターコンソールにランバーサポート調整スイッチ、コンソールボックス内にトランクルーム、フューエルドアのスイッチが配置されている。オーディオも純正カセットのまま。
最適なドライブポジションを調整できるランバーサポート付きのフロントシート。シートヒーターもしっかり備わる。あくまでもパーソナルカーであるため後席のスペースは狭めだが、窮屈を感じることはない。弾力のあるレザーシートがとにかく快適だ。
SPEC 全長×全幅×全高 ● 5210×1895×1395mm ホイールベース ● 2820mm エンジン ● V8 排気量 ● 4.9L 最高出力 ● 200hp/4400rpm 最大トルク ● 38.0kg-m/3200rpm トランスミッション ●4AT
試乗SHOP:GARAGE JOKER【ガレージジョーカー】
所在地:千葉県銚子市四日市場町238TEL:0479-25-7740
URL:https://www.garage-joker.com/
営業時間:10:00~19:00
定休日:火曜
高品質なアメ車販売、本国仕入れのアメリカン雑貨でお馴染みのガレージジョーカー。車両展示&雑貨販売するショールーム、鈑金塗装・整備を行なう工場に分かれていたが、ショールームを工場に集約移転してリニューアル。全体の完成まではもう少し掛かりそうだが、雑貨が並ぶ店内はアメ車ショップであることを忘れさせる雰囲気。販売車両は近くに新たな土地を確保し展示されている。こちらも順次手が加えられ、ジョーカーらしい雰囲気になる予定だ。
写真&文/相馬一丈
アメ車マガジン 2021年 12月号掲載
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