元祖スラムドこと“レッドスレッド”としてアレンジされた50年型マーキュリー

クーペ

ビンテージ

2ドア クーペ

Coast Line Rod&Kustom Reunion

アメマガ2021年7月号

1950 Mercury 2door Coupe

Coast Line Rod & Kustom Reunion


レッドスレッドならではのスリークなフォルムの王道

1950 Mercury 2door Coupe

元祖スラムドこと“レッドスレッド”としてアレンジされた50年型マーキュリー。王道のアプローチの中にも、独創的で美しいシルエットを盛り込んだ秀作!“レッドスレッド” ならではのスリークなフォルムと、ストックが持つディテールの魅力がバランス良く共存する。

ハイクオリティな作業によって成立した自然な仕上がりの美形

サード(49~51)のマーキュリーといえば、低く流れるようなフォルムが特徴的な「レッドスレッド」カスタムを象徴する存在。新車当時に制作された「ヒロハタ・マーキュリー」は、カスタム史上最も有名な個体として、日本でも知られる存在。しかし、ストックの状態では、一見したルックスは整っているだけに、キャビンのフォルムが縦方向に高いのが気になる。それだけに、ルーフの高さを切り詰める「チョップトップ」は、サードのマーキュリーをカスタムするうえでは必須メニューだ。

1950 Mercury 2door Coupe

一言でチョップトップといっても、複雑な三次曲線で形成されるルーフの形状をバランス良くアレンジするには、緻密な計算、丁重な作業、そして高いセンスが必要。この個体のルーフは、フロント側は5インチだが、リア側を6インチとすることで、テールのデザインがよりスムースで引き締まった印象なのが特徴。Bビラーの傾斜角も絶妙にアレンジすることで、全体的にバランスの取れたスムースなシルエットを構築。テールレンズは質素ながら希少なストックを採用。

 

それによってルーフのデザインが際立ち、シンプルかつ新鮮なルックス。エアサスを導入した車高プロポーションのアレンジによって、チョップトップによるスムースなシルエットの美しさがフォーカスされる。 制作は、レッドスレッドのマーキュリーの専門店的な存在としても知られるボーダーズによるもの。まるでストックのように均整の取れたシルエットの美しさが際立つ。外観だけでなく、「パワートレインや配線なども一貫してアップデート化されているため、信頼性の高さもこの個体の大きな魅力だ。

1950 Mercury 2door Coupe

後方に向けて低くなる独自のフォルムを構築するうえで、チョップトップは前方5インチ、後方6インチ。Bピラーの絶妙な傾斜角も見事。ヘッドライトのフレンチングやパーキングライトやモール類のスムージングなど、お約束のメニューから、各コーナーのラウンド加工といった地味なメニューをこなしつつも、グリルやテールレンズは、状態の良いストックを活用。

IMG_4544

600cfmのエーデルブロック製キャブレターを持つマイルドパフォーマンな350ciエンジン&3速ATのTH350のパワートレインは定番のGM製でアップグレード。エアコンを装備していないだけに、エンジンルームはいかにも往年のアメ車といった感じでシンプルなルックス。

1950 Mercury 2door Coupe

後方に向かうほど傾斜角がつく独特のシルエットにアレンジした美しいボディがとにかく魅力的。レッドスレッドの秀作マーキュリーが集結した会場の中でも、その特有のフォルムによって高い存在感を放っていた!派手さは無くとも、コーナー部のラウンド加工や、ウィンドーのワンピース化などの地味ながら丁重な作業の積み重ねもこの個体の魅力に大きく貢献。

IMG_4535IMG_4537IMG_4539

メーターが5連想でセットされるダッシュパネルは、49年型特有のディテールながら、50年型のこの個体にはスワップされていた。これはオーナーにとってはチャームポイントとなっており、本来のコラムからフロアへとシフターはアレンジ。

IMG_4518

ホワイトウォールタイヤにキャデラック用のハブキャップという王道の組み合わせ。タイヤはBFグッドリッチ 7.10-15と大きいため、ここまで低いプロポーションではタイヤが干渉する限界の状態。足回りはフロントはストックにドロップスピンドルを装着。リヤはストックのリーフスプリング。


Coast Line Rod & Kustom Reunion
Sunday April 18,2021 at Rinku north


Photo & Report ◆ Hideki Ishibashi
アメ車マガジン 2021年 7月号掲載

関連記事

RELATED


ロングルーフのプ ロポーションの良さが際立つコロニーパーク

1961 Mercury Colony Park Station Wagon

フォードとリンカーンの間に位置するマーキュリーブランド。

フルサイズボディでありながら2ドアという贅沢。クラシカルでオシャレなルックスと往年のアメリカ車ならではの深い味わいを求めて、ビンテージカーに注目する人が増えてきている。憧れだったあのクルマも、現代の技術を駆使すれば、気軽に、毎日乗れるクルマとしての信頼性を持っている。世代によって異なる個性を解説しながら、カジュアルに乗れるビンテージカーを紹介していこう。

AMERICAN DAILY VINTAGE CAR

マーキュリーが放ったマスタングの姉妹車クーガー【オートレイド】

マスタングの豪華版ともいえるマーキュリー・クーガーは、そのキャラクターに見合うアレンジとして、マスタングよりもホイールベースが3インチ延長され、乗り心地の向上や居住性が高められている

【1960年型シボレー・インパラ4ドアの大幅カスタマイズ】個性が光る劇的なプロポーション

1960年型シボレー・インパラ4ドアの大胆なカスタマイズを紹介。チョップトップとチャネリングによる極端なプロポーションが特徴で、オーナー自身によるDIYで作業をし続けること15年以上。エクステリアもインテリアも個性的で、未完成ながらも進化をしつづける魅力的なシボレー・インパラを徹底取材。
1960 Chevrolet Impala 4door

オールズモビルトロネードは前輪駆動方式を採用する

1970 OLDSMOBILE TORONADO GT
produced by BERNESE

 

最新記事


2025/11/18

【シボレーファンデイ2025】モータースポーツの聖地「FSW」シボレー派が大集合!

イベントレポート

CHEVROLET FAN DAY 2025
富士スピードウェイ

2025/11/14

【ジープファンミーティング2025】夏から秋へ、ジープファンミ新時代!快適さと熱気が共存した

ジープ

アメマガミーティング

イベントレポート

日本最大級のジープイベント『ジープファンミーティング2025』

2025/11/14

ジープファンミーティング2025の会場を彩った出展ブースたち

ジープ

アメマガミーティング

イベントレポート

日本最大級のジープイベント『ジープファンミーティング2025』

2025/11/14

【ジープファンミーティング2025】ジープオーナーがふじてんスノーリゾートに大集合!ユーザーを一気見せ!④

アメマガミーティング

イベントレポート

日本最大級のジープイベント『ジープファンミーティング2025』

ランキング


2016/11/04

超レアなマスタング、1969年モデルのBOSS429!

クーペ

ビンテージ

フォード

1969y FORD MUSTANG BOSS 429
マッドネスモータース

2020/09/01

マスタング史上最強のBOSS 429、859台にのみ搭載された極めて希少なBOSS 9

クーペ

ビンテージ

フォード

1969 Ford Mustang Boss 429

2020/08/31

魅惑のマッスルカー黄金時代:1960年代と70年代の誇り高き車両たち

ビンテージ

人気のあるマッスルカーであるマスタング、カマロ、チャレンジャーに焦点を当て、1969年のシボレー・カマロ、コルベット、フォード・マスタング・ボス429を紹介。性能やコストパフォーマンスだけでなく、美しさや運転の喜びにも注目。

2019/02/16

極薄扁平マッドタイヤに合わせるのは特注鍛造RBPホイール

ピックアップトラック

逆輸入車

マッドタイヤの20インチオーバーサイズが続々登場!