ダッジD100ワーロックは知る人ぞ知るニッチな存在

1978 Dodge D100 Warlock
AMERICAN TRUCKS -ピックアップトラックの無限なる可能性-
1978 Dodge D100 Warlock
ダッジの特別仕様車クール過ぎる「ワーロック」
正統派ワークホースのステップサイドに限定したDodgeトラックのスペシャルモデル。“リトルレッドエクスプレス”同様のアプローチながらも、よりクールな“ワーロック”は、激レアでコレクタブルな存在。
知る人ぞ知るニッチな存在のスペシャルモデルのワーロック
とにかくピックアップトラックが人気のアメリカでは、商業車としての需要だけでなく、キャデラックやリンカーンなど、SUVとしてのニーズを踏まえた高級志向のモデルもラインナップしている。
総合的な魅力で選ぶなら、近年のクルーキャブとなるが、アメリカンなピックアップトラックといえば、何といってもショートボックスのステップサイドだ。リヤタイヤハウスと荷台がそれぞれ独立したデザインは、戦前から受け継がれるトラックの王道スタイルだ。しかし、積載量やスタイリングなどを追求すれば、キャビンから荷台が延長線でデザインされるいわゆるフリートサイド(GMの名称)の方が主流。そんな中で、ダッジのD100のスペシャルモデルである「リトルレッドエクスプレス」やこの「ワーロック」では、ステップサイド(ダッジでの名称はユーティーライン/utiline)に限定しているのがポイント。
ゴールドのピンストライプや、ウッドのサイドレールをあしらったクラッシックなアプローチが当時のトレンドを反映して魅力大なのだ。「ワーロック」は、リトルレッドの特徴だった煙突型マフラーが騒音基準をクリアできない地域のためにディーラーオプションとして誕生したモデルなのだ。
それだけに、知る人ぞ知るニッチな存在で、この個体はリトルレッドエクスプレスなどの、ピックアップトラックを乗り継ぐ熱烈なファンによってアメリカで探し当て輸入されたもの。オリジナル状態を保持したコレクタブルな存在ながら、日常使用から愛機インディアンの運搬など、あくまでもトラックとしてカジュアルに使っているのがカッコ良い。
曲線を基調としたデザインなだけに、ユーティーライン(ステップサイド)がよく似合う。専用のカラーリングやウッドのサイドレールの採用で年式に対してクラッシックな印象。エッジの効いたデザインの同年代の他社モデルと比べると、全体的に引き締まって若干小さく見える。
ダッシュの形状や計器のレイアウト、ステアリングやドアパネルなど、70年代のマッスル系のモデルに通じるデザインで魅力的。外装にあわせてあしらわれたピンストライプが魅力大。ホールド性の良いセパレートシートにして、センターシートによってベンチを兼ねる。
ブラック&ゴールドの色調や、ピンストライプによる専用ステッカーなど、70年代のファクトリーカスタムを象徴するアプローチが今こそ魅力大。スポーティなパッケージでは“スウィプトライン(”フリートライン)が主流だったのに対し、“ ワーロック” ではオーセンティックな“ ユーティーライン”(ステップサイド)なのがポイント。
スロットタイプのクロームホイールは、“リトルレッドエクスプレス” でも採用されるストックのスチール製。フルサイズながら、いわゆる1/2トントラックなので5ラグ。ファイヤーストーンのホワイトレタータイヤ(235/70R15)が全体の雰囲気にマッチしている。
38~440まで、4種のV8エンジンの中でも71年から93年まで主力となった360(5.9ℓ)エンジンを搭載。180hp程度ながら、リッチなトルクで車重を感じさせない軽快な走り。この個体のオーナーのもう1台の愛車70チャレンジャーから降ろした440エンジンに換装を計画中。
Photo & Text 石橋秀樹
アメ車マガジン 2021年 9月号掲載
最新記事

2023/03/31
イメージは軽井沢の別荘地ミッドセンチュリーを組み合わせ自然と暮らす家
山に囲まれた小高い丘に建つ平屋建ては、別荘を連想させる。野村さん夫婦が思い描いた住宅と周辺環境のテーマは、大好きな軽井沢とアメリカンモダンデザイン「ミッドセンチュリー」の融合。自然を感じながら、毎日がバケーション!

2023/03/30
大排気量のマッスルカーよりも、唯一無二の存在というべきカスタムカーの方が好きだった
クライスラー300を皮切りに、V8 チャレンジャー、そしてこのマスタングと乗り継いできたオーナー氏。誰もが一度は大排気量のマッスルカーに乗りたいと思うが、いざ乗ってみて分かったことは「マッスルよりもカスタムカーが好き」という事実だった。

2023/03/29
「初めての愛車はシボレーSUV」。20代の頃、コンビニで立ち読みしたアメマガを見て、決意!
「初めての愛車はシボレーSUV」。20代の頃、コンビニで立ち読みしたアメマガを見て、そう決意した吉田さん。金銭的な問題で初の愛車は国産コンパクトカーにしたが、入社した会社の同期がタホに乗っていることを知り、負けていられないと、夢のアメ車購入へ踏み出した。

2023/03/28
ビンテージアイテムに特化した「KANCHI HOUSE」を紹介しよう。
アメ車に乗っていたら、やっぱりアメリカンカルチャーは否応なしに気になるもの。以前から全国各地のアメリカン雑貨専門店を紹介してきたが、今回はその中でもビンテージアイテムに特化した「KANCHI HOUSE」を紹介しよう。