Gボディ・エルカミーノはセダン、ピックアップ、マッスルの要素も兼ね備える
1986 Chevrolet El Camino SS
AMERICAN TRUCKS -ピックアップトラックの無限なる可能性-
1986 Chevrolet El Camino SS
セダン、ピックアップ、マッスルの要素を兼ね備えたGボディ・エルカミ
ピックアップでありながらも、NASCAR参戦モデルという血統ならではのスラントノーズが魅力大の「SSパッケージ」車。セダン、ピックアップ、マッスルの3つの要素を兼ね備えたGボディ・エルカミーノ。
モンテカルロのスラントノーズが採用されたエルカミーノSS
アメ車にしてオーストラリアで誕生した「セダンピックアップ」は、57年のフォード・ランチェロに続いて59年よりシボレーのエルカミーノもラインナップ。ランチェロは79年で最終だったのに対し、エルカミーノは87年までラインナップされ、各世代ごとに現在でも高い人気となっている。ピックアップトラックが全般的に人気となっている中で、マッスルカーとしての魅力も兼ね備えるエルカミーノも年々ポピュラーになっている。
70年代以前のモデルはクラッシックカーとしての希少で高騰する中、80年代もビンテージの域に達すると同時に、メカニズムや採用素材に樹脂が多い関係で現存数が少ないため高騰している。近年では、最終の5世代目が幅広い層から指示され人気だが、それ以前の世代よりもパーツの供給などで不利な面もあり、良い状態を保持する個体が少ないのが現状。

このSSは、C10、C1500など、トラックを乗り継ぐベテランオーナーによって狙い撃ちでアメリカより輸入、登録したもの。モンテカルロのスラントノーズが採用されるSSにこだわって探し当てた。一見して分かるセダンのマスクの専用採用は、73年のラグナS3パッケージから受け継ぐNASCAR参戦モデルとしての血統ならでは。樹脂製で変形しやすいノーズ部は、かつては難なく入手できたが、現在ではアメリカでも入手困難となっており、OPG最後のストックローランのFRP製を入手して対応。ホイールや車高スタンスも含め、オリジナルの状態でリフレッシュ、SS専用の純正セパレートシートなど、内装や機関系まで、オリジナルの魅力を再認識できる状態となっている。

マスクはエッジのきいたシャープなデザインながら、素材の樹脂が変形してしまうケースが多いが、ここではOPG製品でリフレッシュ。チリもしっかりとあっており、後付け感もなく魅力的。専用フード、ミラー、ホイール、ベッドのサイドレール、車高スタンスも含めてストックをキープ。


SSパッケージ車はセンターコンソールを持つセパレートシートが採用されているため、ステアリングを除けば内装は基本的に兄弟車のモンテカルロと共通。劣化の激しい樹脂製パーツが多く採用されているが、良い状態を保持している。

82~87の最終型は、ポピュラーな割には、各年の平均出荷台数は2万台程度と、そもそもが希少な存在。そんな中で特別なSS車はさらに希少なため、現在においてこれだけ良いコンディションを保持する個体はアメリカにおいても稀。

星型の5スポークホイールは、80~90'sに渡って多くの主力モデルに採用されたGM純正ラリータイプ。センターキャップは、ナットの部分も含めてカバー式の独特なデザイン。タイヤは255/60R15を装着。ちなみに、メーカー純正では14×6(207/75R14)で設定されていた。

4種のV6の他、V8は4.4ℓ (267ci)、5.0ℓ (305ci)、5.7ℓ (350ci) の3種でラインナップ。この個体は350を搭載し、ホーリー製キャブレターなど給排気系のアップグレードを施している。日常使用にもフレンドリーなマイルドパフォーマンスながらも、リアエンドにはLSDが組み込まれており、お遊び感覚でレースにも参加するなど楽しんでいる。
Photo & Text 石橋秀樹
アメ車マガジン 2021年 9月号掲載
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