Gボディ・エルカミーノはセダン、ピックアップ、マッスルの要素も兼ね備える

ピックアップトラック

シボレー

アメマガ2021年9月号

AMERICAN TRUCKS

エルカミーノ

エルカミーノ SS

1986 Chevrolet El Camino SS

AMERICAN TRUCKS -ピックアップトラックの無限なる可能性-


1986 Chevrolet El Camino SS

セダン、ピックアップ、マッスルの要素を兼ね備えたGボディ・エルカミ

ピックアップでありながらも、NASCAR参戦モデルという血統ならではのスラントノーズが魅力大の「SSパッケージ」車。セダン、ピックアップ、マッスルの3つの要素を兼ね備えたGボディ・エルカミーノ。

モンテカルロのスラントノーズが採用されたエルカミーノSS

アメ車にしてオーストラリアで誕生した「セダンピックアップ」は、57年のフォード・ランチェロに続いて59年よりシボレーのエルカミーノもラインナップ。ランチェロは79年で最終だったのに対し、エルカミーノは87年までラインナップされ、各世代ごとに現在でも高い人気となっている。ピックアップトラックが全般的に人気となっている中で、マッスルカーとしての魅力も兼ね備えるエルカミーノも年々ポピュラーになっている。


70年代以前のモデルはクラッシックカーとしての希少で高騰する中、80年代もビンテージの域に達すると同時に、メカニズムや採用素材に樹脂が多い関係で現存数が少ないため高騰している。近年では、最終の5世代目が幅広い層から指示され人気だが、それ以前の世代よりもパーツの供給などで不利な面もあり、良い状態を保持する個体が少ないのが現状。

1986 Chevrolet El Camino SS

このSSは、C10、C1500など、トラックを乗り継ぐベテランオーナーによって狙い撃ちでアメリカより輸入、登録したもの。モンテカルロのスラントノーズが採用されるSSにこだわって探し当てた。一見して分かるセダンのマスクの専用採用は、73年のラグナS3パッケージから受け継ぐNASCAR参戦モデルとしての血統ならでは。樹脂製で変形しやすいノーズ部は、かつては難なく入手できたが、現在ではアメリカでも入手困難となっており、OPG最後のストックローランのFRP製を入手して対応。ホイールや車高スタンスも含め、オリジナルの状態でリフレッシュ、SS専用の純正セパレートシートなど、内装や機関系まで、オリジナルの魅力を再認識できる状態となっている。

1986 Chevrolet El Camino SS

マスクはエッジのきいたシャープなデザインながら、素材の樹脂が変形してしまうケースが多いが、ここではOPG製品でリフレッシュ。チリもしっかりとあっており、後付け感もなく魅力的。専用フード、ミラー、ホイール、ベッドのサイドレール、車高スタンスも含めてストックをキープ。

IMG_5533IMG_5530

SSパッケージ車はセンターコンソールを持つセパレートシートが採用されているため、ステアリングを除けば内装は基本的に兄弟車のモンテカルロと共通。劣化の激しい樹脂製パーツが多く採用されているが、良い状態を保持している。

1986 Chevrolet El Camino SS

82~87の最終型は、ポピュラーな割には、各年の平均出荷台数は2万台程度と、そもそもが希少な存在。そんな中で特別なSS車はさらに希少なため、現在においてこれだけ良いコンディションを保持する個体はアメリカにおいても稀。

IMG_5515

星型の5スポークホイールは、80~90'sに渡って多くの主力モデルに採用されたGM純正ラリータイプ。センターキャップは、ナットの部分も含めてカバー式の独特なデザイン。タイヤは255/60R15を装着。ちなみに、メーカー純正では14×6(207/75R14)で設定されていた。

IMG_5529

4種のV6の他、V8は4.4ℓ (267ci)、5.0ℓ (305ci)、5.7ℓ (350ci) の3種でラインナップ。この個体は350を搭載し、ホーリー製キャブレターなど給排気系のアップグレードを施している。日常使用にもフレンドリーなマイルドパフォーマンスながらも、リアエンドにはLSDが組み込まれており、お遊び感覚でレースにも参加するなど楽しんでいる。


Photo & Text 石橋秀樹
アメ車マガジン 2021年 9月号掲載

最新記事


2024/07/26

物静かな青年が次第に豹変、マスタングにもっと刺激が欲しい!

クーペ

フォード

燃費が…維持費が…。マッスルカーに憧れを持つも、アメ車へのネガティブな思いが強く決断できずにいたオーナーさん。そんな彼が、彼女の後押しによって購入を決めるのだが、次第にアメリカンマッスルの魔力に染まり豹変していく。「音も見た目も刺激が欲しい!」

2024/07/25

ポストビンテージバンの大本命として人気高騰中【シェビーバン ビュービル】

バン

ビンテージ

シボレー

70年代の丸目を筆頭に、フルサイズバンの中でも80年代までの個体がビンテージバンとして人気を博してきた。しかし紹介する個体の様に90年代中頃まで基本コンセプトは変わらない。むしろ熟成された最終モデルこそベストバイ!

2024/07/24

アニメを見て惚れたマスタング、今では押しも押されぬ爆速女子へ

クーペ

フォード

名探偵コナンに登場したマスタングに惹かれてカーボックスを訪れたオーナーさん。一番ド派手なエレノア仕様を選び、チャレンジャー・ヘルキャットに乗る旦那様は走りで負けたくないライバルだ。

2024/07/23

仮契約までしたけどLBスタイルに惚れて変更【ダッジチャレンジャー】

クーペ

ダッジ

過去2回、LBワークスで武装したチャレンジャーに乗ってアメマガ主催イベントamZに参加したみっちさん。軽自動車が長年の愛車だった彼女が、初めてのアメ車としてチャレンジャーを手にするストーリーとは。

ランキング


2024/07/26

物静かな青年が次第に豹変、マスタングにもっと刺激が欲しい!

クーペ

フォード

燃費が…維持費が…。マッスルカーに憧れを持つも、アメ車へのネガティブな思いが強く決断できずにいたオーナーさん。そんな彼が、彼女の後押しによって購入を決めるのだが、次第にアメリカンマッスルの魔力に染まり豹変していく。「音も見た目も刺激が欲しい!」

2024/07/25

ポストビンテージバンの大本命として人気高騰中【シェビーバン ビュービル】

バン

ビンテージ

シボレー

70年代の丸目を筆頭に、フルサイズバンの中でも80年代までの個体がビンテージバンとして人気を博してきた。しかし紹介する個体の様に90年代中頃まで基本コンセプトは変わらない。むしろ熟成された最終モデルこそベストバイ!

2018/02/07

走っているとやけにハンドルがブレる…原因はタイヤ?ホイールバランス?それともブレーキか?【REFRESH PROJECT】

メンテナンス

コラム

走行中に感じた違和感。それはハンドルのブレ。【REFRESH PROJECT】

2022/04/08

US日産の巨大ユーティリティバンのNV3500

バン

逆輸入車

2019 Nissan NV Passenger