利便性の高い4ドアでありながら2ドア同様のスタイリッシュな「ウィリスセダン」

セダン

ビンテージ

OTHER

ウイリス

アメマガ2021年6月号

ウイリスセダン

THE VINTAGE

1940 Willys Sedan

THE VINTAGE ビンテージアメリカンの魅力


1940 Willys Sedan

60'sドラッグレースシーンにおける今はなきカテゴリー“ ギャッサー” を象徴するモデルにして激レアなウィリス。ストリートロッドではクーペが主流ながら、利便性の高い4ドアにして、2ドア同様のスタイリングを持つセダンこそ、ウィリス特有の魅力!

GM製400ciV8に3速ATのTH350を連結し換装したストリートロッドな個体のウィリスセダン

ドラッグレース、ホットロッド、ストリートロッドを語るうえで、ウィリスは無視できない存在。ストックの状態では、速さとは無縁なチープでコンパクトな4気筒エンジン搭載車ながら、ドラッグレースという極めて特異な直線短距離走においてのベース車としては、60年代に大ブレイクした。ニトロメタンを使用するトップカテゴリーに対してガソリン燃料におけるトップカテゴリーとなる「ギャッサー」の象徴としておなじみの存在なのである。

1940 Willys Sedan

そもそも4気筒エンジンを搭載するコンパクトで軽量なモデルに、V8エンジン最強のクライスラーHEMIエンジンを搭載したスタイルが勝つための条件として定着した。ストックのままでは単なるマイナー車であったが、ドラッグ仕様にアレンジされたものに関しては、その速さと個性的なルックスで人気を獲得。


以降ストリートロッドにおいても人気のモデルとなっているが、個体数が極めて少ないため、リプロダクションパーツによる新車も誕生しているが、数千台単位で集結するアメリカのホットロッド系のイベントにおいても、数台しか見ることができないほど激レアな存在。


速さを追求するうえでは、2シーターの2ドアクーペが主流で、スタイリングの良さも含めて、続いて2ドアセダン、3ドア・ウッディーワゴンとなるが、他社のモデルと違って、ウィリスのセダンは、4ドアであっても、2ドアと共通のルックスでデザインされているのがポイント。


オーナー自身も、2ドアセダンを探していたが、限られた予算内で満足の行く状態のこの4ドアセダンにめぐり逢い、購入に踏み切った。ドアハンドルを無視すれば、2ドアと変わらぬスタイリングなうえ、使い勝手が良い点でも気に入っているそうである。

1940 Willys Sedan

リア側のドアハンドルを無視すれば、2ドアセダンに見える特有のデザインがなんとも魅力的。スチールボディからバンパーまで、ストックを保持しながらも、往年の定番スロットホイールの採用と、絶妙な車高アレンジによって、クールなレストロッドとして魅力が炸裂!

1940 Willys Sedan

ストレスのない乗り心地と、アメリカンV8 エンジンによるスムースでリッチなポテンシャルを確保しているため、戦前のモデルであることを忘れてしまう。エンジン自体のポテンシャルはマイルドであっても、車重が軽量なため、不満のない加速感が得られている。現代的で快適なシートや、エアコンも装備しているので、難なく日常使用できる。

IMG_3906IMG_2542 IMG_3905

本来は2.2?の4気筒エンジンのみで設定されたコンパクトなモデルに、GM製400ciV8に3速ATのTH350を連結し換装したストリートロッド。総重量で1.2t程度なだけに、余裕のあるポテンシャルを確保し、信頼性も格段に向上。パワーブレーキやエアコンも装備して、難なく日常使用もこなせる仕様。

IMG_3857IMG_3862

ダッシュパネルはストックを活かしつつ、ゲージ類は社外製でアップグレード。ステアリングコラムはチルト式のGM製を流用。90年代あたりの乗用車からの流用と思われるシートによって、座り心地は現代車並み。室内は見た目以上に広いため、ロングドライブでも快適。

IMG_3841IMG_3840

往年のレースシーンで多く採用されたハリブランド製スロットホイール。ストリートロッドでは定番にして憧れの逸品。前後で異なる絶妙なサイズ(F:195/70R14 、R:235/70R15)セレクトによって、クルーなプロポーションを確立する。

IMG_2543IMG_2541

マスタングIIタイプの独立懸架サスペンションユニットを採用することで、V8エンジン搭載と現代的な乗り心地を成立。ステアリングはラック&ピニオン式。リアサスペンションはストックのリジットリーフ。 リアエンドはフォードの8インチにアレンジ。


1940 Willys SedanIMG_3900

Owner: 瓜生 真さん

カメラマンという職業柄、それなりの機材を運搬できることもポイント。すでに所有している2ドアセダンをワゴン化したシェビー・ノバのカスタムよりも、居住性、荷室容量の面で優れるこのウィリス1台で仕事にも対応。憧れていたモデルながら、無理なく維持できるフレンドリーな個体に奇跡的に巡り会えた事に大満足している。


PHOTO&TEXT:石橋秀樹
アメ車マガジン 2021年 6月号掲載

最新記事


2023/12/06

BCDには目利きの効いた、刺さるアメ車が勢揃い!【BUBU阪神】

ショップ

現地スタッフとの連携で独自のネットワークを駆使して良質な車両を仕入れて販売するBCD(BUBUカリフォルニアダイレクト)。その2店舗目として人気を博すBUBU阪神。景気低迷の最中でもコンスタントに売れる人気店の魅力に迫る!

2023/12/05

【ラングラースポーツ】クルマをファッションの一部として、捉えたらもっと自由になる

SUV

ジープ

ドアは4枚、座席やラゲッジ容量も多いに越したことはない。いつからか、そんな物差しでクルマを選ぶ様になってきた昨今。モノ選びに長けた古着マニアから、クルマとの向き合い方を考察。

2023/12/04

-アメカルにまつわるエトセトラ- #33 NICE BUDDY

コラム

2023/12/04

色のコダワリは無いが、何故か黄色のチャレンジャーを3台乗り継ぐ

クーペ

ダッジ

走れるチャレンジャーカスタムを提案するCARBOX。ヘルキャットオーナーの竹林さんは、実はこの車両が3台目のチャレンジャーだったりする。

ランキング


2023/12/05

【ラングラースポーツ】クルマをファッションの一部として、捉えたらもっと自由になる

SUV

ジープ

ドアは4枚、座席やラゲッジ容量も多いに越したことはない。いつからか、そんな物差しでクルマを選ぶ様になってきた昨今。モノ選びに長けた古着マニアから、クルマとの向き合い方を考察。

2023/12/04

色のコダワリは無いが、何故か黄色のチャレンジャーを3台乗り継ぐ

クーペ

ダッジ

走れるチャレンジャーカスタムを提案するCARBOX。ヘルキャットオーナーの竹林さんは、実はこの車両が3台目のチャレンジャーだったりする。

2023/12/04

-アメカルにまつわるエトセトラ- #33 NICE BUDDY

コラム

2016/07/12

【1969y Chevrolet CHEVELLE】どこに出しても自慢できるベストコンディションモデル

ビンテージ

GMを代表するハードトップセダンがシェベル。現在あるクルマとはまったく異なるデザインであり、それが逆に新鮮で格好良い。海や街中、どんなシーンでも衆目を集め、賞賛される。美しさとコンディションを併せ持つこの1台は必見のトレジャーだ。