軽量でタフなポストカーなサヴォイ、スーパーストックを象徴するモデル
1964 Plymouth Savoy
THE VINTAGE ビンテージアメリカンの魅力
1964 Plymouth Savoy
ドラッグレースのカテゴリーでは工場出荷車における頂点的存在のスーパーストックを象徴するモデル。武骨ながら軽量でタフなポストカーという点も、スーパーストックらしくてカッコ良い!そんないぶし銀なモデルながら、23歳のオーナーによって国内新規登録された個体。
スーパーストックを意識して440エンジンを搭載、快適装備を廃した本気なスタイルを貫くMoparガイの愛機
マッスルカーというと、60年代後期から70年代初頭のモデルがメインストリームとなっており、レースカーにも通じるカラースキムなど、キャッチーなルックスが目をひく。それに対して60年代初頭のモデルでは、実際のレースでの活躍を目的とした、いわばメーカー純正の市販レースカーというハードコアな仕様なのがポイント。そのため、パフォーマンスも極限まで高められており、日常使用どころか、ディーラーで購入した際に、積載限定で自走での持ち帰りは不可だったりしたのだ。

スーパーストック仕様車においては、ドラッグレースでの1/4マイル走行でいかに速く走るかだけをテーマにモディファイされているため、ファイナルレシオは4.11とかなりローギアなうえ、特別な3速マニュアルミッションが組み込まれるなど、高速巡航することが極めて厳しい。それだけ潔くドラッグレースにふった内容なだけに、現代においても同カテゴリーではトップクラスの実力を持っている。
しかし、それだけピンポイントな仕様とあって、実売数は数十台単位と極めて少数。それでも、マッスルカーのルーツ的な存在として、近年になって再評価されている。かなりマニアックな存在なうえ、ルックス的にも渋いプリマス・サヴォイのポストカー(Bピラーのある2ドアセダン)を所有するとなると、ベテランMoparオーナーだったりするのだが、この個体のオーナーは23歳というヤング。それでいて同じくスーパーストックのアイコン的存在の69ダッジ・ダートからの乗り換えというMoparガイ!スーパーストックを意識して440エンジンを搭載し、快適装備を廃した本気なスタイルを貫いている点もカッコ良いのだ!

上級グレードではフューリー、中間のベルベディアに対して、サヴォイはスタンダード。モールディングやガーニッシュなどの装飾パーツがオミットされているのがポイント。走りに特化したスーパーストック仕様においては、軽量かつ強靭な2ドアセダンが主流で、ファンのあいだでは“ ポストカー” の相性で呼ばれている。レースカーとして塗装する前提なため、車体色も白などの淡い色が基本。

ハイライズインテーク、TTI製ヘダースなどの定番アップグレードを施しながらも、ストリートカーとしてのバランスが取れているため、比較的扱いやすい印象。エアコンの装備こそないが、ドラッグ仕様ではスポイルしがちなパワーブレーキを装備するなど、日常使用でも難なく対応可能。

64年型ではアメリカンV8における最強ユニットでもある426HEMIが設定された。スーパーストック仕様のウエッジエンジンにはハイコンプな413ciと426ciが設定されていた。この個体はモデファイした440ciを搭載。トランスミッションは、強靭なTF727(3速AT)。


往年のスパーストック車においても定番採用されていたアメリカンレーシング製トルクスラスト。若干腰高な車高プロポーションもスーパーストック車ならではのファクター。サスペンションなどはストックを保持しながらも、リアエンドはスーパーストック仕様に見合う、当時のクライスラー車では最大級の8.75サイズを装備。明らかに深いディープパンや、スイッチ一つで即直管となるカットアウトエキゾーストなど、ドラッグマシン特有のアレンジを施す。

個性的でアクの強いアーリーBボディにおいて、64年型はスッキリとして受け入れやすい。メータークラスターにおいても、同サイズの丸型ゲージ4連装と、シンプルなデザイン。ステアリングも含めた赤系の内装色と車体色とのコントラストが映える。ボタン式シフターを配して、ハースト社のフロアシフトにアレンジ。


Owner: 近藤宏樹さん
日本ではクルマを趣味とする若者は減少傾向にある中で、近藤さんはかなりハードコアな存在。ベテランMoparオーナーでもない限りはなかなか目を向けることのないアーリーBボディ車を、スーパーストックに見立てた仕様で所有。前の愛車も69年型ダートというMoparガイ。日常のドライブからイベントなどにも積極的に参加している。
PHOTO&TEXT:石橋秀樹
アメ車マガジン 2021年 6月号掲載
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