軽量でタフなポストカーなサヴォイ、スーパーストックを象徴するモデル

セダン

ビンテージ

プリマス

アメマガ2021年6月号

サヴォイ

THE VINTAGE

1964 Plymouth Savoy

THE VINTAGE ビンテージアメリカンの魅力


1964 Plymouth Savoy

ドラッグレースのカテゴリーでは工場出荷車における頂点的存在のスーパーストックを象徴するモデル。武骨ながら軽量でタフなポストカーという点も、スーパーストックらしくてカッコ良い!そんないぶし銀なモデルながら、23歳のオーナーによって国内新規登録された個体。

スーパーストックを意識して440エンジンを搭載、快適装備を廃した本気なスタイルを貫くMoparガイの愛機

マッスルカーというと、60年代後期から70年代初頭のモデルがメインストリームとなっており、レースカーにも通じるカラースキムなど、キャッチーなルックスが目をひく。それに対して60年代初頭のモデルでは、実際のレースでの活躍を目的とした、いわばメーカー純正の市販レースカーというハードコアな仕様なのがポイント。そのため、パフォーマンスも極限まで高められており、日常使用どころか、ディーラーで購入した際に、積載限定で自走での持ち帰りは不可だったりしたのだ。

1964 Plymouth Savoy 1964 Plymouth Savoy

スーパーストック仕様車においては、ドラッグレースでの1/4マイル走行でいかに速く走るかだけをテーマにモディファイされているため、ファイナルレシオは4.11とかなりローギアなうえ、特別な3速マニュアルミッションが組み込まれるなど、高速巡航することが極めて厳しい。それだけ潔くドラッグレースにふった内容なだけに、現代においても同カテゴリーではトップクラスの実力を持っている。


しかし、それだけピンポイントな仕様とあって、実売数は数十台単位と極めて少数。それでも、マッスルカーのルーツ的な存在として、近年になって再評価されている。かなりマニアックな存在なうえ、ルックス的にも渋いプリマス・サヴォイのポストカー(Bピラーのある2ドアセダン)を所有するとなると、ベテランMoparオーナーだったりするのだが、この個体のオーナーは23歳というヤング。それでいて同じくスーパーストックのアイコン的存在の69ダッジ・ダートからの乗り換えというMoparガイ!スーパーストックを意識して440エンジンを搭載し、快適装備を廃した本気なスタイルを貫いている点もカッコ良いのだ!

1964 Plymouth Savoy IMG_3617

上級グレードではフューリー、中間のベルベディアに対して、サヴォイはスタンダード。モールディングやガーニッシュなどの装飾パーツがオミットされているのがポイント。走りに特化したスーパーストック仕様においては、軽量かつ強靭な2ドアセダンが主流で、ファンのあいだでは“ ポストカー” の相性で呼ばれている。レースカーとして塗装する前提なため、車体色も白などの淡い色が基本。

1964 Plymouth Savoy

ハイライズインテーク、TTI製ヘダースなどの定番アップグレードを施しながらも、ストリートカーとしてのバランスが取れているため、比較的扱いやすい印象。エアコンの装備こそないが、ドラッグ仕様ではスポイルしがちなパワーブレーキを装備するなど、日常使用でも難なく対応可能。

IMG_3664

64年型ではアメリカンV8における最強ユニットでもある426HEMIが設定された。スーパーストック仕様のウエッジエンジンにはハイコンプな413ciと426ciが設定されていた。この個体はモデファイした440ciを搭載。トランスミッションは、強靭なTF727(3速AT)。

IMG_2258IMG_3607

往年のスパーストック車においても定番採用されていたアメリカンレーシング製トルクスラスト。若干腰高な車高プロポーションもスーパーストック車ならではのファクター。サスペンションなどはストックを保持しながらも、リアエンドはスーパーストック仕様に見合う、当時のクライスラー車では最大級の8.75サイズを装備。明らかに深いディープパンや、スイッチ一つで即直管となるカットアウトエキゾーストなど、ドラッグマシン特有のアレンジを施す。

IMG_3644 IMG_3652

個性的でアクの強いアーリーBボディにおいて、64年型はスッキリとして受け入れやすい。メータークラスターにおいても、同サイズの丸型ゲージ4連装と、シンプルなデザイン。ステアリングも含めた赤系の内装色と車体色とのコントラストが映える。ボタン式シフターを配して、ハースト社のフロアシフトにアレンジ。


IMG_36811964 Plymouth Savoy

Owner: 近藤宏樹さん

日本ではクルマを趣味とする若者は減少傾向にある中で、近藤さんはかなりハードコアな存在。ベテランMoparオーナーでもない限りはなかなか目を向けることのないアーリーBボディ車を、スーパーストックに見立てた仕様で所有。前の愛車も69年型ダートというMoparガイ。日常のドライブからイベントなどにも積極的に参加している。


PHOTO&TEXT:石橋秀樹
アメ車マガジン 2021年 6月号掲載

最新記事


2023/03/28

ビンテージアイテムに特化した「KANCHI HOUSE」を紹介しよう。

ショップ

アメ車に乗っていたら、やっぱりアメリカンカルチャーは否応なしに気になるもの。以前から全国各地のアメリカン雑貨専門店を紹介してきたが、今回はその中でもビンテージアイテムに特化した「KANCHI HOUSE」を紹介しよう。

2023/03/27

覇王ホイールの新たなディビジョンとして誕生したのが「IRON WORKS」だ。

ピックアップトラック

逆輸入車

OTHER

アウトドア

既製品のラックにオプション品でアレンジ。もちろんそれは効率的かつ確実。だけど、本当はもう少し手前にこのアイテムを積みたいとか、もっとインパクトのあるシルエットにしたいなど、こだわればこだわるほどに欲が出る。そんなアナタに朗報!

2023/03/24

オーバーランド・スペック・アウトドアーズは、どんなスタイルにも似合うよう、ブラックで各アイテムを統一する

ホビー・雑貨

アウトドア

近頃のキャンプブームの盛り上がりは驚かされるばかり。その中でもキャンプギアの変化は目覚ましいものがある。特にここ1〜2年は黒いテントが大流行中!そんなサイトでぜひ使いたいのが、OSOが提案する様々なストレージボックスやバッグ類だ。

2023/03/23

千葉県銚子市のガレージジョーカーに、創業間もない頃から通う

SUV

シボレー

千葉県銚子市のガレージジョーカに、創業間もない頃から通う3人組。いずれも20代前半にアメ車購入し、40代半ばになった現在もアメ車に乗り続けている。その3人のなかで、いち早くアメ車デビューしたのが白石さんだ。

ランキング


2023/03/27

覇王ホイールの新たなディビジョンとして誕生したのが「IRON WORKS」だ。

ピックアップトラック

逆輸入車

OTHER

アウトドア

既製品のラックにオプション品でアレンジ。もちろんそれは効率的かつ確実。だけど、本当はもう少し手前にこのアイテムを積みたいとか、もっとインパクトのあるシルエットにしたいなど、こだわればこだわるほどに欲が出る。そんなアナタに朗報!

2021/02/10

【GMC タイフーン】モンスターSUVの異名を誇る、90年代を代表するプレミアムカー!

SUV

1992 GMC TYPHOON

2021/03/15

大阪の老舗アメリカン雑貨のアンダーウッドブランドには同業者も買い付けに訪れる

ショップ

UNDERWOOD BRAND【アンダーウッドブランド】

2016/11/04

超レアなマスタング、1969年モデルのBOSS429!

クーペ

ビンテージ

フォード

1969y FORD MUSTANG BOSS 429