フルリノベーションでスクールバスを第二の部屋に

バン

アメマガ2022年8月号

米国的商用車のススメ

バンデューラ

内装ドンガラ状態のスクールバスを手に入れ、1年半の月日をかけてコツコツと仕上げたオリジナルキャンパーバス。そこには市販車じゃ不可能な3兄弟が快適に寛げるギミックが満載! まるで動く子供部屋!!

米国的商用車のススメ


外観はスクールバスなのに中はDIY部屋という遊び心

琵琶湖で行なわれた56ビーチミーティングでお会いしたアストロオーナーが、面白いスクールバスを作っているとの情報を受けてから約半年。首を長くして待ちわびていたのだが、ようやく完成したとの一報を受けて早速取材へ。

高橋さんファミリーがこのスクールバスを手に入れたのは2020年の9月で、コロナの感染拡大を受けて緊急事態宣言やまん延防止が頻繁に繰り返されて、ホテルや観光地が閑散とした時期。〝おうち時間〟のフレーズと共に出掛けることを控えるのがマナーの様な状況だった。しかし遊びたい盛りの男の子3人を家に閉じ込めておくのは、もはや罰ゲーム。何とか合理的に外へ連れ出せないか? そんな些細なキッカケか否かは置いといて、タイムリーに手に入れたスクールバスを生かさない手はないとばかりに、おうち時間にあやかって、スクールバスの内装をフルリノベーションすることを実行に移した。

中でも一番大変だったのはリアタイヤハウスのでっぱりで、そこをどうスマートに埋めるか、そして違和感なく部屋として成り立たせるかだったそうで、お子さんそれぞれに就寝スペースを設けるため3段ベッド化する際も、リアゲート部分の出入り口を塞がない様に真ん中のベッドは昇降式にアレンジ。その他、介護用のトイレを流用したり、常時電源を天井のソーラーパネルを介して得られるよう環境に優しいSDGs的な仕立ても好印象。キッチンはシンクや冷蔵庫、電子レンジと一通り揃い、エアコンも完備。大容量ソーラーパネル電源の恩恵を受けて、エンジンオフの状態でもすべてが機能する点も特筆物。

ちなみにアストロも所有し続けており、日常の足として活用。家族で遠方に旅行する際はこのスクールバスを駆り出す二刀流。車中泊が快適過ぎて宿を取る機会がほとんどなくなったという高橋ファミリー。そんな一家がもっぱらハマっているのが自宅に居ながらバスの中でのタコパ。ある意味自宅より落ち着ける場所なのだ。

'91 GMC VANDURA 3500 BLUE BIRD SCHOOL BUS

フェイス周りはGMCバンデューラと同じ。しかしフロントウィンドーより後ろはフルサイズバンのさらに上を行く超巨体。ルーフの高さもさすがバスといった印象。ソーラーパネルの電力はスマホのアプリで管理できて、いざというときは電源有のサイトでコンセントを介しての電力供給も可能だ。

本国で実際にスクールバスとして使われていた証としてSTOPプレートやルーフランプを完備。赤いレンズはスイッチのオンオフで点灯する。タイヤ& ホイールの換装も検討したが、スクールバス感はむしろ現在のままの方がリアルだ。

本物のバスなので運転手さんが座る椅子のほかは後部座席への通路となりシートは一脚のみ。ドアは手動で運転席側から開閉するリアリティが非日常的で楽しい。バスと言っても長さはショートなので慣れれば公道を走っていて困る心配もない。

サブスクで映画や動画を見放題にしていることもあって家庭用TVが重宝。手前のソファを展開すれば大人二人がゆったり寝れるベッドに。家族5人がゆったり寝れる広大なスペースはさすがスクールバスベースの成せる技だ。

まるでワンルームマンションのキッチンの様にしっかりした作りのダイニングスペース。上部棚に飾られた雑貨は走行中に倒れない様にしっかり固定されている。上部には換気扇まで完備。トイレも立派な介護用を採用。もはや普通に住めちゃうクオリティーだ。

OWNER : Takahashi famiry


PHOTO&TEXT:石井秋良
アメ車マガジン 2022年8月号掲載


関連記事

RELATED


老若男女、誰からも愛される、お店のマスコットとして活躍【アーラキッチン】

198号線(河内長野美原線)から一本離れたローカルロードに店舗を構えるアーラキッチン。田園風景に馴染む様に佇む黄色いスクールバス、そして大きなどんぐりの木は、メインストリートからでも一際目を引く!

リアルキャンパーバンじゃなくてメローに車中泊を嗜むのが気分!

電動ベッドに豪華ウッドの内装をあしらうスタークラフトのような至れり尽くせりの装備は要らない。プロの手で仕立てられたキャンパーバンほど多くを求めない。二人が居心地良いと感じられる室内は、自らDIYしてこそ愛着が湧く!

長年乗りたかったアメ車に毎日仕事で乗れる幸せ!

幼い頃からアメ車が大好きで、一時期はクルマ屋さんで働いた事もある福本さん。現在は飲食店に勤務するが、そこで使用するキッチンカーはE-450 をベースにしたキッチンカーだった!

ヴィンテージTシャツを運ぶクルマとして最適な“映えるVAN”【greatLAnd】

ここ最近#VANLIFEのハッシュタグと共に人気を博すフルサイズバン。なかでも80年代以前のモデルは旧車としての味が濃厚になってきており、価格も高騰中。40年近く前のUSED CARが国産ミニバンの新車よりも高いなんて現象も珍しくない。ある意味、それはプレミアの付いた貴重なヴィンテージTシャツに通じるものがある。点と点が結びつく様なクルマとオーナーのマッチングもまた、VAN LIFEの醍醐味だ。

じゃがいも好きな店主が始めた、フレンチフライ専門のキッチンカー【FRIED pride】

2000年型のGMC・サバナをベースにトーマス・ビルト・バス社が製作したスクールバスをキッチンカーとして使用する「FRIDE pride」はフレンチフライ専門店。関東圏で開催される週末のイベントに出店しており、鮮やかなイエローのバスが目印だ!

 

最新記事


2024/12/02

激レア!フルウィンドーのダッジスポーツマンの愛らしさ

バン

ダッジ

いつかはウェストサイドなローライダー!そんなイメージを抱きがちなDJではあるが、本国では意外とそうでもなかったりする。現地で見たリアリティ溢れるカーカルチャーを、日本でサラッとこなすナイスガイを直撃!

2024/11/29

【ファニーガレージ】クルマ全般に精通しており、頼れるアニキのような存在!

ショップ

自動車メーカーやアメ車専門店など、様々な経歴を持つファニーガレージ代表の森 博章さん。アメ車専門ではないが、常にユーザーに寄り添ってくれる、真のモータースと呼ぶのが相応しいお店だ。

2024/11/28

【GMCラリーSTX】真鍮&ウォールナットとGMCラリーのコントラストが映える

バン

シボレー

モノ選びは直感。既製品で存在しない物は作ってでも納得のいくモノを愛用したい。そんなこだわりの強いオーナーに好まれるビンテージバン。飾り過ぎはナンセンス。ありのままを受け入れる余裕が魅せる“濃い目のバンライフ”。

2024/11/27

V8+MTで走りを本気で楽しむ【2018 フォード マスタングGT】

クーペ

フォード

「エコブーストを買ったけどV8が欲しくなった」。そんなエコブーストはよく聞く話で、そうしたオーナーの行き着く先はV8・MTモデル。CAR3219上尾タワーでは、マスタングはV8に拘り、更にMTモデルを積極的に導入し、走りを本気で楽しむオーナーを受け入れている。

ランキング


2018/02/07

走っているとやけにハンドルがブレる…原因はタイヤ?ホイールバランス?それともブレーキか?【REFRESH PROJECT】

メンテナンス

コラム

走行中に感じた違和感。それはハンドルのブレ。【REFRESH PROJECT】

2022/04/08

US日産の巨大ユーティリティバンのNV3500

バン

逆輸入車

2019 Nissan NV Passenger

2021/03/15

【注目のアメリカン雑貨】大阪の老舗ブランド、アンダーウッドが同業者の買い付け地に!

ショップ

大阪府吹田市の閑静な住宅街にあるユニークなショップ「アンダーウッドブランド」。ヴィンテージカーやオートバイからアパレル、多肉植物など幅広いアメリカンアイテムが豊富。同店はヴィンテージ・アイテムの素晴らしいコレクションを展示するだけでなく、カスタムカーやオートバイのレストアなど様々なサービスも提供しており、一度は訪れるべきショップ!
UNDERWOOD BRAND【アンダーウッドブランド】

2024/05/11

コンテンツのボリュームはとても1日では味わいきれないほど!【ホットロッドカスタムショー】

イベントレポート

HOT ROD CUSTOM SHOW 2023
31th Annual Yokohama at PACIFICO YOKOHAMA
2023.12.03(SUN)