フルリノベーションでスクールバスを第二の部屋に
内装ドンガラ状態のスクールバスを手に入れ、1年半の月日をかけてコツコツと仕上げたオリジナルキャンパーバス。そこには市販車じゃ不可能な3兄弟が快適に寛げるギミックが満載! まるで動く子供部屋!!
米国的商用車のススメ
外観はスクールバスなのに中はDIY部屋という遊び心
琵琶湖で行なわれた56ビーチミーティングでお会いしたアストロオーナーが、面白いスクールバスを作っているとの情報を受けてから約半年。首を長くして待ちわびていたのだが、ようやく完成したとの一報を受けて早速取材へ。
高橋さんファミリーがこのスクールバスを手に入れたのは2020年の9月で、コロナの感染拡大を受けて緊急事態宣言やまん延防止が頻繁に繰り返されて、ホテルや観光地が閑散とした時期。〝おうち時間〟のフレーズと共に出掛けることを控えるのがマナーの様な状況だった。しかし遊びたい盛りの男の子3人を家に閉じ込めておくのは、もはや罰ゲーム。何とか合理的に外へ連れ出せないか? そんな些細なキッカケか否かは置いといて、タイムリーに手に入れたスクールバスを生かさない手はないとばかりに、おうち時間にあやかって、スクールバスの内装をフルリノベーションすることを実行に移した。
中でも一番大変だったのはリアタイヤハウスのでっぱりで、そこをどうスマートに埋めるか、そして違和感なく部屋として成り立たせるかだったそうで、お子さんそれぞれに就寝スペースを設けるため3段ベッド化する際も、リアゲート部分の出入り口を塞がない様に真ん中のベッドは昇降式にアレンジ。その他、介護用のトイレを流用したり、常時電源を天井のソーラーパネルを介して得られるよう環境に優しいSDGs的な仕立ても好印象。キッチンはシンクや冷蔵庫、電子レンジと一通り揃い、エアコンも完備。大容量ソーラーパネル電源の恩恵を受けて、エンジンオフの状態でもすべてが機能する点も特筆物。
ちなみにアストロも所有し続けており、日常の足として活用。家族で遠方に旅行する際はこのスクールバスを駆り出す二刀流。車中泊が快適過ぎて宿を取る機会がほとんどなくなったという高橋ファミリー。そんな一家がもっぱらハマっているのが自宅に居ながらバスの中でのタコパ。ある意味自宅より落ち着ける場所なのだ。
'91 GMC VANDURA 3500 BLUE BIRD SCHOOL BUS
フェイス周りはGMCバンデューラと同じ。しかしフロントウィンドーより後ろはフルサイズバンのさらに上を行く超巨体。ルーフの高さもさすがバスといった印象。ソーラーパネルの電力はスマホのアプリで管理できて、いざというときは電源有のサイトでコンセントを介しての電力供給も可能だ。
本国で実際にスクールバスとして使われていた証としてSTOPプレートやルーフランプを完備。赤いレンズはスイッチのオンオフで点灯する。タイヤ& ホイールの換装も検討したが、スクールバス感はむしろ現在のままの方がリアルだ。
本物のバスなので運転手さんが座る椅子のほかは後部座席への通路となりシートは一脚のみ。ドアは手動で運転席側から開閉するリアリティが非日常的で楽しい。バスと言っても長さはショートなので慣れれば公道を走っていて困る心配もない。
サブスクで映画や動画を見放題にしていることもあって家庭用TVが重宝。手前のソファを展開すれば大人二人がゆったり寝れるベッドに。家族5人がゆったり寝れる広大なスペースはさすがスクールバスベースの成せる技だ。
まるでワンルームマンションのキッチンの様にしっかりした作りのダイニングスペース。上部棚に飾られた雑貨は走行中に倒れない様にしっかり固定されている。上部には換気扇まで完備。トイレも立派な介護用を採用。もはや普通に住めちゃうクオリティーだ。
OWNER : Takahashi famiry
PHOTO&TEXT:石井秋良
アメ車マガジン 2022年8月号掲載
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