可愛くて存在が楽しいアメリカンコンパクトSUV【シボレーHHR LS】

SUV

シボレー

アメマガ2024年1月号

HHR

HHR LS

THE PICK UP TEST DRIVE

ガレージジョーカー

千葉県

PTクルーザーに対抗して、GMが1949年型サバーバンをモチーフにデザインし開発したシボレー・HHR。PTほど支持を得られなかった印象があるが、ガレージジョーカーでは定期的に売れる人気モデルになっている。

THE PICK UP TEST DRIVE


個性的で価格もサイズもお手頃でガレージジョーカーの密かな人気モデル

2007y CHEVROLET HHR LS

05年にHHRのコンセプトモデルが登場した際、既にその地位を確立していたPTクルーザーのライバル登場に、本国アメリカでも「今さら」の声が多かった。しかしそんな声とは裏腹に、アメリカでは06年発売以来、月販平均1万台を誇る人気モデルとなった。

 

コンパクトモデルとは無縁のイメージが強いアメリカだが、日本同様に都心部ではコンパクトモデルの需要は高く、49年サバーバンをモチーフとするレトロデザイン、コンパクトでありながらSUV的な雰囲気を持ち合わせていたことが大きく受けたのだ。とはいえ、PTクルーザーは発売から6年間で世界販売台数が100万台突破と、人気面では大きな差があったのだが…。

07年からは、日本でも三井物産オートモーティブで正規販売がスタート。クライスラーが販売するPTクルーザーは右ハンドル仕様ではあったが、HHRは左ハンドルのみ。サイズも見た目も似ている両車だが、この違いが一番大きい。サイズ的に主なターゲットとなるのは、女性やクルマに余り乗りなれていない若者になるが、やはり左ハンドルへの抵抗感を持つユーザーは一定層いるため、比較して右ハンドルのPTを選ぶユーザーも多かったのが、HHRが日本ではPTのようにブームになりえなかった理由のひとつだろう。

 

そんなHHRだが、ガレージジョーカーでは入庫すれば売れる密かな人気モデル。今回撮影したHHRは同店でレンタカーとして使われている車両だが、レンタカーとして借りて「初めての左ハンドルだったけど乗りやすい」と、購入を希望するオーナーもいるほど。乗ったら良さが分かるHHR。中古相場もかなりお手頃になっており、ガレージジョーカーではHHRを積極的に導入中。

IMPRESSIONS
どうしてもPTと比較してしまうが小回りはHHR に軍配

HHRと比較するのは、今も昔もやはりPTクルーザーになる。登場当時に両車を徹底比較した際、右ハンドル、左ハンドルの違いに加えて、大きな差を感じたのが小回り(最小回転半径)。圧倒的にHHRが小回りが良かったのだ。今回はPTと乗り比べこそしていないが、運転していてその当時の記憶が蘇るほどの扱いやすさを感じた。2.2ℓエンジンはとにかくレスポンスが高く、スッと加速してキビキビ走る。それでいて小回りが効くのだから、街乗りで不満を感じることはない。また、足回りを新品交換済みということで、ふらつくことなく安定したコーナリングを楽しませてくれた。

HHRだからこそマカロンカラーが良く似合う

普通のコンパクトカーでは物足りない。そんなユーザーから今、「こんなクルマがあったんだ」として選ばれているHHR。そんなHHRに注目し、マカロンカラーにオールペンして、よりキャラクター性を引き立たせHHRを積極的に販売するのがガレージジョーカーだ。

1ナンバー登録も可能で働くクルマとして使用もあり

日本で正規販売されていたHHRの基本グレードは、直列4気筒2・2ℓを搭載するLS/1LT、同2.4ℓ搭載の2LTの3タイプ。後にLSをベースにし、リアシート排除、サイドウインドをパネル化したパネルも登場している。
今回撮影したモデルは、正規販売が開始された07年型のLS。ボディカラーは純正ではなく、ガレージジョーカーがマカロンカラーのミント風にオールペン。ここに、HHR専用の16インチラリーホイール、タイヤはホワイトリボンを組み合わせることでHHRが持つレトロクラシックなキャラクター性をより際立たせている。さらに、前後ショック交換(モーグ製。フロントアッセンブリー交換)、ディスプレイオーディオ装着、ヘッドライトやフォグなども新品交換されている。

 

なお、1ナンバー登録にすることも可能で、乗員定員が2or3人になるが維持費はさらに抑えられる。

 

今回のモデルは、あくまでもガレージジョーカーの劇中車・レンタカー。販売することも可能だが、基本的にHHRの面白さを表現しているクルマであり、新たな車両を購入し、マカロンカラーなどにオールペンして個性を楽しんで欲しいというスタンスだ。巷では、ジワリPTクルーザーの人気も上昇と聞く。同様に再び脚光を浴びそうなHHRである。

搭載するエンジンは直列4気筒2.2ℓ。上級グレードの2LTには直列4気筒2.4ℓが搭載される。07年型にはLSグレードに5MTも設定されているため、マニュアル派にとっては穴場のモデルかもしれない。

個性的なデザインがHHRの特徴。因みにカーデザインはPTクルーザーと同人物。HHRのボディカラーは、キャラクター的に白・黒よりもカラフルなカラーが似合う。ガレージジョーカーではマカロンカラーのミント風にオールペン。ホイールはHHR専用の16インチラリーホイール、タイヤはホワイトリボンを組み合わせる。

通常のLSはモケットシートだが、撮影モデルは上級グレードからレザーシートを移植。サンルーフやシートヒーターが欲しければ、1LTや2LTを選ぶ必要がある。この年式では、ウインドースイッチはセンターに集中配置されている。

PTクルーザーではフルフラットにはならないが、HHRはフルフラットになる。リアシート後方には床下収納も設置されるなど、収納の多さもHHRの魅力。


SPEC

全長×全幅×全高● 4500×1760×1600mm ホイールベース● 2630mm エンジン● 直4DOHC 排気量
● 2.2ℓ 最高出力● 151hp 最大トルク● 21.0kg-m トランスミッション● 4AT


試乗SHOP:GARAGE JOKER【ガレージジョーカー】
所在地:千葉県銚子市四日市場町238
TEL:0479-25-7740
URL:https://www.garage-joker.com/
営業時間:10:00~19:00
定休日:火曜日

高品質なアメ車販売、鈑金塗装から整備までを自社で行ない、本国仕入れのアメリカン雑貨が並ぶ店内はアメ車ショップであることを忘れさせるガレージジョーカー。販売車両は近くの敷地に展示されており、他では見かけることがない車両が多数並べられている。

 

ガレージジョーカーの最近のトレンドは、ダッジ・マグナムをベースにするフェイスチェンジ。特に秀逸なのはチャレンジャーフェイスで、2ドアに抵抗を持つユーザーにとってはステーションワゴンになったチャレンジャーはかなり気になる存在のはずだ。


写真&文/相馬一丈
アメ車マガジン 2024年1月号掲載


関連記事

RELATED


トレイルブレイザーの選択肢は2つボディサイズを取るかエンジンか

ニュージェネレーションSUVとして、2001年に登場したシボレー・トレイルブレイザー。アメ車の無骨なイメージを覆すジェントルな雰囲気が支持され、大きな人気を博したモデルだ。現在は車両価格がかなりお手頃になり、購入を検討する価値は大いにありそうだ。

【ガレージジョーカー】本国との深いパイプで新たなカスタムを提案!

本国アメリカと太いパイプを持つガレージジョーカー。そのパイプを活かし、消耗品はもちろん、希少な雑貨やカスタムパーツの輸入も行なっている。今回は、2024年に発売されたCKカスタムフェイスを装着したタホを紹介しよう。

【インフィニティQX56】手頃な価格で購入できるプレミアムSUV

90年代を中心に高品質な車両を扱うガレージジョーカーだが、近年は2000年代の車両も多く扱う。今回紹介する08年型インフィニティ・QX56もその一台で、手頃な価格で乗れるプレミアムSUVとして注目だ。

【シボレーサバーバン】90年代後半に流行したカスタムを取り入れる

父の影響でクルマに興味を持った弱冠二十歳のオーナーさん。夢は成人式に愛車に乗って参加することで、その愛車も決して妥協したくない。紆余曲折あったなかで手にしたサバーバンは、90年代後半のカスタムを取り入れ変貌させ、遂に成人式へと参加することになる。

渋い魅力に惹かれるメキシコ産クラシックスタイルの2ドアタホ

1998y CHEVROLET TAHOE 2dr 2WD

 

最新記事


2025/09/18

【ウイングオート】車両の購入やメンテだけでなく クルマを走らせる楽しさも提供

クーペ

フォード

ショップ

愛車のポテンシャルを引き出して走るは、技術や知識が必要となる。ウイングオートではドライビングアカデミーを開催し、それらを提供する機会と場所を提供する。

2025/09/16

【モーターファンフェスタ 2025】様々なクルマを身近に感じられる日本最大級の「体験・体感」イベント

イベントレポート

MOTOR FAN FESTA 2025
in 富士スピードウェイ
20th Apr 2025

2025/09/11

足利から宇都宮に場所を移したが、変わらずアメ車ファンが押しかけた。【K-Styles × DETERMINATION】

イベントレポート

K-Styles × DETERMINATION
20th Apr 2025
マロニエプラザ

2025/09/09

【1985 シボレーC-10】人気爆上がりの第3世代後期 激レアのディーゼル

ピックアップトラック

ビンテージ

シボレー

シボレー・C/Kモデルの第3世代(1973~1987年)。特に角目4灯に変更された後期型の人気は高く、車両の争奪戦が行なわれている。スカイオートで販売中の85年型C-10は、ディーゼルエンジンを搭載する超激レアモデルだ。

ランキング


2025/09/16

【モーターファンフェスタ 2025】様々なクルマを身近に感じられる日本最大級の「体験・体感」イベント

イベントレポート

MOTOR FAN FESTA 2025
in 富士スピードウェイ
20th Apr 2025

2024/01/30

日本では割とマイナーな68年型ダッジ・コロネット

クーペ

ビンテージ

ダッジ

ビンテージマッスルに魅せられし7人のカーマニアたち【バーニーズ】

2023/09/04

【右ハンドルのマスタングが人気な理由】フォード・マスタング右ハンドルの魅力まとめ

フォード

ショップ

フォード・マスタングといえば、アメリカンマッスルカーの代名詞。力強いパフォーマンスと独自のスタイルが特徴的だ。

そんな多くのファンを持っているキング・オブ・アメ車「フォード・マスタング」に、実は右ハンドルが存在することをご存じだろうか?

今回はそんな右ハンドルのマスタングが、いかに魅力的か、ご紹介していこう。

2022/04/08

US日産の巨大ユーティリティバンのNV3500

バン

逆輸入車

2019 Nissan NV Passenger