【東海カーズ】走ってナンボだけどそのために、当たり前のことを当たり前にやる
「旧車は壊れる!?」そりゃ、50年以上前のクルマなら何か不具合が起きるのは当然。大切なことは、最高のパフォーマンスを発揮できるように予防的な整備や準備を怠らないこと。
クルマの健康管理には、高い意識と主治医が必須!
東海カーズ【Tokai Cars】
「クルマは置物ではなく走ってこそ意味がある」と標榜し続ける東海カーズ。人もクルマも同じで、「見た目よりも中身が重要!」と代表の細井さんは声を大にして伝えているが、いくら高性能なスペックを備えていても正しく作動しなければ意味がない。アスリートではないけれど、最高のパフォーマンスを発揮するためには事前の準備は必要だろう。今回はいつもと少々異なり、東海カーズの販売車両やメンテナンスする車両に対して、どんなスタンスで向き合っているのか紹介しよう。
まず大前提として、東海カーズの在庫車両はいつでも一発始動できる状態にあり、事前の予約をしなくても試乗が可能。抜き打ち検査じゃないけれど、いつお客さんが来て試乗したいと言われても構わないように、常に万全のコンディションへと整えられている。

そのためには燃料をきちんと供給するだけでなく、安定した電気で火花を飛ばし、正しく燃焼させることが必須だ。また仮にエンジンが始動しても冷却系が疎かであるとすぐにオーバーヒートしてしまう。街乗りがまともにできないクルマでは高速道路はおろか、サーキット走行なんて夢のまた夢だ。それらをクリアして初めてサーキット走行が可能となるが、街を走っているアメ車の中には、残念ながらこの水準に達していない車両も少なくない。
さて、「普通に」走れる条件を満たした上で必要な装備がある。中でも重要なのが、ブレーキ。旧車のブレーキは効かない…と言われるが、多くは正しいメンテナンスが施されていないから。その上でフェード性、放熱性に優れたパッドに交換することでキチンと減速できコントロールが可能となる。

また加速性能や旋回性能とタイヤは密接な関係がある。高価なハイグリップタイヤはタイムという形で明らかな結果が出るが、耐久性に乏しいので回数を楽しめるように東海カーズでは最高級グレードよりもあえてランクダウンさせたモデルを勧めているそうだ。
またショックアブソーバーも、極めて重要な部品の1つ。乗り心地だけでなくロールスピードの抑制やブレーキング時など、あらゆる車両姿勢を司る。スポーツでも姿勢が悪いと即座に対応できないが、同じことがクルマにも当てはまる訳だ。
これらを踏まえつつ、エンジンオイルなどの潤滑油の交換も事前準備には極めて重要。どうせオイルが汚れるから走行後に交換すれば…と思うかもしれないが、ベストなコンディションを整えるから意味があるというもの。
毎年開催されている82カップに大勢のお客さんを率いて東海カーズは参加しているが、ただ連れて行くのではなくこれらの車両すべてのメンテナンスも実施。「走ってナンボ」を一言で片付けてしまいがちだが、その言葉の裏には大きな意味が隠されているのだ。
#01 COOLING
水・油・電気のすべてが揃って、初めてマトモにエンジンが動く

いくらパワーがあっても、それがまともに動かなければクルマはただの鉄の塊に過ぎない。エンジンが安定した4サイクルを繰り返すためには、燃料だけでなく確実な着火の元となる電気も欠かせないし、安定して走り続けるためには冷却性も決して疎かにできない。新しいクルマは経年劣化が少ないので、燃料を入れればエンジンが掛かると思いがちだが、旧車はそうは簡単に行かない。ビンテージカーと付き合うには「オーナーが日頃からクルマに対する意識」を高く持つ必要もある。
#02 BRAKE
止まらないクルマはたちまち凶器にもなる!

「速く走りたい!」そのためにはブレーキの強化がマスト。サーキットに限らず、一般公道でもアクセルを漫然と踏むのでなく加減速のリズムは非常に重要で、メリハリある走りを実現するにはしっかりアクセルを踏み、しっかりブレーキングすることが大切。日本車と違いアメ車のブレーキは選択肢が少ないが、東海カーズではDIXCEL に依頼しオリジナルのブレーキパッドを特注で製作。もちろん市販もしているので、ブレーキを改善したいユーザーは、迷わず検討すべきだ。
#03 TIRE
ハガキ4枚分でクルマのエネルギーを路面に伝える

タイヤに求められる性能は数多くある。快適な乗り心地も確かにその一つだが、エンジンから生み出されたエネルギーを路面に確実に伝え、クルマを前に進めることもその一つ。また路面をしっかり捉えるグリップ性能が乏しいと思ったライン通りに走ることもかなわない。高性能なタイヤは非常に優れた性能を実現するが、高価な上に耐久性に乏しい。コストとパフォーマンスのバランスを考え、東海カーズではNANKANGのハイグリップタイヤをお勧めすることが多いそうだ。
#04 SHOCK
常に衝撃を吸収しクルマの挙動に直結する

ショックアブソーバーはその名の通り、衝撃を吸収するパーツ。もちろんノーマルショックは運動性能と居住性のバランスを考慮して設計されているので、どうしてもマイルドな傾向になってしまう。これを減衰力の高いモデルに交換するだけでロールやノーズダイブを抑制することが可能。また安定した姿勢は次の加速にスムーズに繋がるので、気持ちの良い走りを実感できると言える。東海カーズなら、走りを追求する人のためにエナペタルのワンオフビルシュタインを製作可能だ。
#05 OIL
走行前には各部の油脂類を交換しトラブルを予防

オイルの役目は、スムーズな動きを実現する潤滑だけと思っていないだろうか。それだけでなく冷却や洗浄、防錆や密封など、様々な役割を担っている。金属同士が擦れ合えば熱が発生するし、それをうまく冷却できないと焼き付いてしまう。一般道とは異なり過酷なサーキット走行時はこのリスクが高まる訳だから、走行前のオイル交換がいかに重要かが分かるだろう。またサーキットを走らなくても、このタイミングを決めるのはオーナーに課せられた最低限の役目でもある。
THANKS:東海カーズ
TEL:0533-86-8890
PHOTO:浅井岳男
TEXT:空野稜
アメ車マガジン 2026年3月号掲載
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