気軽に、楽しく、毎日乗れるアメリカンビンテージカー
クラシカルでオシャレなルックスと往年のアメリカ車ならではの深い味わいを求めて、ビンテージカーに注目する人が増えてきている。憧れだったあのクルマも、現代の技術を駆使すれば、気軽に、毎日乗れるクルマとしての信頼性を持っている。世代によって異なる個性を解説しながら、カジュアルに乗れるビンテージカーを紹介していこう。
どんなスパイスで調理するかで味わい深さが変わる!
クラシカルでオシャレなルックスと往年のアメリカ車ならではの深い味わいを求めて、ビンテージカーに注目する人が増えてきている。憧れだったあのクルマも、現代の技術を駆使すれば、気軽に、毎日乗れるクルマとしての信頼性を持っている。世代によって異なる個性を解説しながら、カジュアルに乗れるビンテージカーを紹介していこう。
レース活動が活発になり、ハイパフォーマンスカーが次々に登場。大排気量エンジンなどメカニズムにおいても大きな進化を遂げ、後年の「マッスルカーブーム」を作るきっかけとなった時代でもある。
様々なカスタムシーンにおいて、どの方向へ持っていくか? ジャンルは? と構想するのはオーナーにとってもビルダーにとっても至福の時。しかしベース車両が60年代の代物となれば、そう何台も手に入れられないだけに失敗は許されない。そこがVINTAGE TRUCK CUSTOMの醍醐味であり、味わい深さなのだ。
先日、ジェラートの本場イタリアでアジア人初として日本のパティシエがグランプリを受賞した。本国では寿司コンテストでイタリア人が受賞するくらいの快挙! と大々的に報じられたが、誰もが発想に無かったセロリを用いたことで概念を覆す味に仕立てたとの話だ。 VINTAGEからジェラートに大きく話が逸れてはいるが、ナオキモータービルドの制作したC10は、そのジェラートに通ずるものがあるように思う。
60年代のトラックにビレットではなくラリーの20インチをサラッと履きこなすセンス。そしてステップサイドでスポコン顔負けの軽快な走りをこなすというギャップ。どちらも定番と言われるカスタムからは逸脱した隠し味、いや隠そうとしてもあまりのオーラに全体から溢れ出す極上のスパイスがそそる。
しかし雰囲気を崩すことなくどこまでアップグレードさせていくかは最大の課題。そこをどう調理するかが腕の見せ所だ。オーナーの趣向を吟味し仕上げるナオキモータービルドは、まさに一流シェフと言っていい。
同じ60年代でも初代と第二世代ではフォルムが異なる。69yがステップサイドであることが見た目の違いのひとつだが、何より目指す方向性が異なるのが主たる理由。65yはある意味ラットなビジュアルで新車さながらにコンディションを高めているのに対し、69yはかつて走り屋だったオーナーの意向で、シビックの如く軽快にハイウェイを駆ける仕様となる。
1965年式のC10は、オリジナル色のブラウンに50年かけて刻まれたサビや朽ちた部分をそのまま生かすべく艶消しクリアでオールペイント。古びたトラックと見せかけて、350エンジン、350ATにパワステ、ビンテージエアーを追加。
さらにアルミラジエター換装、フロントディスクブレーキ化など、過酷な日本の道路環境でも快適に走れるように一新。インテリアはカーペットを新調しシートを総張り替え。20インチのラリーホイールもサラッと履きこなす。
350エンジンに700r4 4速AT化を敢行。トゥルートラックでエアコンコンプレッサーやオルタネーターなどのベルト類を一本化するなどエンジンルームの仕上げも特筆物。その他、ファイナルを3.7に変更、ノンスリデフや6podのWILWOODフロントキャリパー、14インチローターにマスターシリンダーとブレーキシステムも強化。ラインロックや前後Ride Techサスペンション、コイルオーバーにアルミフューエルタンクなど、走りに特化したカスタム。
シボレーのピックアップとしてC/Kシリーズが導入されたのは1960年型からのこと。Cは二輪駆動、Kは四輪駆動を意味する。1965年型は1966年まで生産された第一世代。この世代のシボレー・ピックアップは、1950年代の雰囲気を残しつつメカニズムは新型に刷新されていた点が高く評価されベストセラーとなった。
1967年型でフルモデルチェンジを実施し、どことなく1950年代の雰囲気を残していたルックスは、フラット感を強調した新しいものとなる。ここからのモデルの中で、とくに軽荷重の仕様については乗用車に匹敵する乗り心地やハンドリングが市場から求められていたこともあり、継続的に同じメカニズムをリファインして使うことがほとんどだったアメリカ車としては異例なこととしてリアサスペンションが新型になっていたのが特徴。ホイールベースのほぼ半分を占めるという長いトレーリングアームとコイルスプリングを組み合わせ、ソフトな乗り心地と優れたハンドリングに大きく貢献している。
ここ最近C-10の入庫率が高い同社ではあるが、2ndカマロの再生プロジェクトを敢行していたり、ノンハイドロのインパラを仕立てたりと幅広いジャンルを得意としている。
■取材協力:ナオキモータービルド
所在地:大阪府堺市中区福田535
TEL:072-236-7300
http://naoki-mb.co.jp/
■Text & Photos|アメリカンビンテージカーマガジン
アメリカンビンテージカーマガジン VOL.4
最新記事
2025/02/17
【XTREME-J XJ07】コンケイブスタイルで魅せる タフさとエレガントさの両立
日本で初めてビードロックテイストのデザインを採用したのが、MLJが展開するブランド「XTREME-J」である。
2025/02/14
インパラ=ローライダーの常識を覆すモンスター!【シボレーインパラ】
59年モデルを筆頭に、60年代前半までのインパラといえばローライダーが主流。なので世間一般的にはそっちのイメージが強い。だが、その常識を覆すモンスター級のマッスルカーがここに!
2025/02/12
【SEMA SHOW 2024】アイディアの宝庫から探る進化するアメ車カスタム
会場のスケール、出展ブース、車両台数、クオリティ、 バリエーションetc.……すべてにおいて世界最大規模を誇るカスタムカーの祭典、SEMA SHOW 2024がネバダ州ラスベガスで開催された。