世代によって個性が異なる、シボレーのピックアップ

ピックアップトラック

ビンテージ

シボレー

ナオキモータービルド

1960-1970

アメリカンビンテージvol.04

C-10

どんなスパイスで調理するかで味わい深さが変わる!


世代によって異なる0ビンテージの世界を凝縮

気軽に、楽しく、毎日乗れるアメリカンビンテージカー

クラシカルでオシャレなルックスと往年のアメリカ車ならではの深い味わいを求めて、ビンテージカーに注目する人が増えてきている。憧れだったあのクルマも、現代の技術を駆使すれば、気軽に、毎日乗れるクルマとしての信頼性を持っている。世代によって異なる個性を解説しながら、カジュアルに乗れるビンテージカーを紹介していこう。

1960-1970年代

レース活動が活発になり、ハイパフォーマンスカーが次々に登場。大排気量エンジンなどメカニズムにおいても大きな進化を遂げ、後年の「マッスルカーブーム」を作るきっかけとなった時代でもある。

1965y&1969y シボレー・C-10

どんなスパイスで調理するかで味わい深さが変わる!

様々なカスタムシーンにおいて、どの方向へ持っていくか? ジャンルは? と構想するのはオーナーにとってもビルダーにとっても至福の時。しかしベース車両が60年代の代物となれば、そう何台も手に入れられないだけに失敗は許されない。そこがVINTAGE TRUCK CUSTOMの醍醐味であり、味わい深さなのだ。

DSC_8628

定番や二番煎じではなく 常に新たな方向性を探究する

先日、ジェラートの本場イタリアでアジア人初として日本のパティシエがグランプリを受賞した。本国では寿司コンテストでイタリア人が受賞するくらいの快挙! と大々的に報じられたが、誰もが発想に無かったセロリを用いたことで概念を覆す味に仕立てたとの話だ。 VINTAGEからジェラートに大きく話が逸れてはいるが、ナオキモータービルドの制作したC10は、そのジェラートに通ずるものがあるように思う。

60年代のトラックにビレットではなくラリーの20インチをサラッと履きこなすセンス。そしてステップサイドでスポコン顔負けの軽快な走りをこなすというギャップ。どちらも定番と言われるカスタムからは逸脱した隠し味、いや隠そうとしてもあまりのオーラに全体から溢れ出す極上のスパイスがそそる。

しかし雰囲気を崩すことなくどこまでアップグレードさせていくかは最大の課題。そこをどう調理するかが腕の見せ所だ。オーナーの趣向を吟味し仕上げるナオキモータービルドは、まさに一流シェフと言っていい。

1965y

DSC_8890

1969y

同じ60年代でも初代と第二世代ではフォルムが異なる。69yがステップサイドであることが見た目の違いのひとつだが、何より目指す方向性が異なるのが主たる理由。65yはある意味ラットなビジュアルで新車さながらにコンディションを高めているのに対し、69yはかつて走り屋だったオーナーの意向で、シビックの如く軽快にハイウェイを駆ける仕様となる。

1965y CHEVROLET C-10

DSC_8811 DSC_8814 DSC_8820 DSC_8877 DSC_8839

1965年式のC10は、オリジナル色のブラウンに50年かけて刻まれたサビや朽ちた部分をそのまま生かすべく艶消しクリアでオールペイント。古びたトラックと見せかけて、350エンジン、350ATにパワステ、ビンテージエアーを追加。

さらにアルミラジエター換装、フロントディスクブレーキ化など、過酷な日本の道路環境でも快適に走れるように一新。インテリアはカーペットを新調しシートを総張り替え。20インチのラリーホイールもサラッと履きこなす。

1969y CHEVROLET C-10

DSC_8670 DSC_8703 DSC_8788 DSC_8767 DSC_8734

350エンジンに700r4 4速AT化を敢行。トゥルートラックでエアコンコンプレッサーやオルタネーターなどのベルト類を一本化するなどエンジンルームの仕上げも特筆物。その他、ファイナルを3.7に変更、ノンスリデフや6podのWILWOODフロントキャリパー、14インチローターにマスターシリンダーとブレーキシステムも強化。ラインロックや前後Ride Techサスペンション、コイルオーバーにアルミフューエルタンクなど、走りに特化したカスタム。

世代によって個性が異なる シボレーのピックアップ

シボレーのピックアップとしてC/Kシリーズが導入されたのは1960年型からのこと。Cは二輪駆動、Kは四輪駆動を意味する。1965年型は1966年まで生産された第一世代。この世代のシボレー・ピックアップは、1950年代の雰囲気を残しつつメカニズムは新型に刷新されていた点が高く評価されベストセラーとなった。

1967年型でフルモデルチェンジを実施し、どことなく1950年代の雰囲気を残していたルックスは、フラット感を強調した新しいものとなる。ここからのモデルの中で、とくに軽荷重の仕様については乗用車に匹敵する乗り心地やハンドリングが市場から求められていたこともあり、継続的に同じメカニズムをリファインして使うことがほとんどだったアメリカ車としては異例なこととしてリアサスペンションが新型になっていたのが特徴。ホイールベースのほぼ半分を占めるという長いトレーリングアームとコイルスプリングを組み合わせ、ソフトな乗り心地と優れたハンドリングに大きく貢献している。

DSC_8662

ここ最近C-10の入庫率が高い同社ではあるが、2ndカマロの再生プロジェクトを敢行していたり、ノンハイドロのインパラを仕立てたりと幅広いジャンルを得意としている。


■取材協力:ナオキモータービルド

DSC_9027
所在地:大阪府堺市中区福田535
TEL:072-236-7300
http://naoki-mb.co.jp/


■Text & Photos|アメリカンビンテージカーマガジン
アメリカンビンテージカーマガジン VOL.4


関連記事

RELATED


ワッツのC10は、見た目以上に現代的に仕上げられているのが特徴。

見た目とは対照的に中身は現代的にアップデート

ボディサイズの割に乗車定員は3名と、ある意味贅沢なクルマと言えるエルカミーノ。

半世紀前のクルマを見て乗って楽しい仕様にモディファイ

レアな二台!ポンテアック・グランプリ、そして丸目4灯フェイスのシボレーC10

1967y CHEVROLET C10
1964y PONTIAC GRANDPRIX
プロスピード

レアなディーゼルエンジン搭載!人気世代のサバイバルモデル Chevrolet C-10 Silverado【WOT’S】

1985年型シボレーC10シルバラードは、ショートベッドの最上級オプションパッケージ装着車という意味で、この時代のアメリカンピックアップ、それもパーソナルユースを想定したモデルとしてはまさに典型的な一台

【1969年型シボレーC10 CTS】魅力的な355hpエンジンとアップグレードインテリアを解説

魅力的なスタイルと現代的なアップグレードが融合!1969年型シボレーC10 CTSを紹介。350エンジンからZZ4エンジンへのアップグレードで355hpにパワーアップ。外観はオリジナルを維持し、インテリアは純正エアコンとパワーウインドウでアップグレードしたクラシックとモダンの融合を楽しむ一台を解説。
1969y CHEVROLET C10 CTS
フォードライブ クロスフィールド

 

最新記事


2024/07/26

物静かな青年が次第に豹変、マスタングにもっと刺激が欲しい!

クーペ

フォード

燃費が…維持費が…。マッスルカーに憧れを持つも、アメ車へのネガティブな思いが強く決断できずにいたオーナーさん。そんな彼が、彼女の後押しによって購入を決めるのだが、次第にアメリカンマッスルの魔力に染まり豹変していく。「音も見た目も刺激が欲しい!」

2024/07/25

ポストビンテージバンの大本命として人気高騰中【シェビーバン ビュービル】

バン

ビンテージ

シボレー

70年代の丸目を筆頭に、フルサイズバンの中でも80年代までの個体がビンテージバンとして人気を博してきた。しかし紹介する個体の様に90年代中頃まで基本コンセプトは変わらない。むしろ熟成された最終モデルこそベストバイ!

2024/07/24

アニメを見て惚れたマスタング、今では押しも押されぬ爆速女子へ

クーペ

フォード

名探偵コナンに登場したマスタングに惹かれてカーボックスを訪れたオーナーさん。一番ド派手なエレノア仕様を選び、チャレンジャー・ヘルキャットに乗る旦那様は走りで負けたくないライバルだ。

2024/07/23

仮契約までしたけどLBスタイルに惚れて変更【ダッジチャレンジャー】

クーペ

ダッジ

過去2回、LBワークスで武装したチャレンジャーに乗ってアメマガ主催イベントamZに参加したみっちさん。軽自動車が長年の愛車だった彼女が、初めてのアメ車としてチャレンジャーを手にするストーリーとは。

ランキング


2024/07/26

物静かな青年が次第に豹変、マスタングにもっと刺激が欲しい!

クーペ

フォード

燃費が…維持費が…。マッスルカーに憧れを持つも、アメ車へのネガティブな思いが強く決断できずにいたオーナーさん。そんな彼が、彼女の後押しによって購入を決めるのだが、次第にアメリカンマッスルの魔力に染まり豹変していく。「音も見た目も刺激が欲しい!」

2024/07/25

ポストビンテージバンの大本命として人気高騰中【シェビーバン ビュービル】

バン

ビンテージ

シボレー

70年代の丸目を筆頭に、フルサイズバンの中でも80年代までの個体がビンテージバンとして人気を博してきた。しかし紹介する個体の様に90年代中頃まで基本コンセプトは変わらない。むしろ熟成された最終モデルこそベストバイ!

2018/02/07

走っているとやけにハンドルがブレる…原因はタイヤ?ホイールバランス?それともブレーキか?【REFRESH PROJECT】

メンテナンス

コラム

走行中に感じた違和感。それはハンドルのブレ。【REFRESH PROJECT】

2022/04/08

US日産の巨大ユーティリティバンのNV3500

バン

逆輸入車

2019 Nissan NV Passenger