レアな二台!ポンテアック・グランプリ、そして丸目4灯フェイスのシボレーC10
1967y CHEVROLET C10
1964y PONTIAC GRANDPRIX
プロスピード
EXCITING60’s
近年注目の的であるアメリカンビンテージモデル。岐阜のプロスピードが用意してくれた2台は、ポンテアック・グランプリ、そして丸目4灯フェイスのC10。どちらもマニアックなモデルで探してもなかなか見つからないレアな二台だが、プロスピードならばレアなアメ車だって手に入ってしまうのだ。
スタイリングはもちろんパフォーマンスもアップグレードされたC10
1967y CHEVROLET C10
真っ赤なボディに丸目四灯のどことなくファニーな雰囲気とは裏腹に、エンジンをかけた瞬間タダモノではないことを印象付けるギャップが魅力の67年型C10。純正車高プラスラリーホイールによるオリジナルらしさを色濃く残すボトムスも好印象。
主な変更点はボンネットフードとベーツヘッドライトの換装に留まり、当時らしさを保ちつつも楽しめる一台に仕上がっている。ベッドライナーのLINE-Xをはじめトノカバーもリフレッシュ済だ。
昨今のトラッキンカスタム事情を見てみると、次に乗りたいフルサイズトラックの第一候補にC10を挙げる人が実に多く、一部マニアの中では空前のC10ブームとなりつつある。それに伴って数年前のような割安感はなくなり、価格は高騰の一途を辿っている。中でも60年代、70年代の丸目フェイスは人気が高く、程度の良い個体があればすぐに買い手が付いてしまうほどだ。
ここで紹介するのは、その中でもかなりレアな丸目4灯モデルの1967年型。初代に比べてボンネットを中心にフォルムがシェイプされた人気モデルだ。市場に出回っているほとんどの2代目はこの型のような丸目4灯ではなく2灯式であり、マニアックなフェイスはそれだけでも値打ちと言えるだろう。そのレアモデルにニューペイント& インテリア総張り替えを施し、ダコタデジタル& オーディオアップグレード、さらに吸排気をホーリーキャブ、ヘダースなどでパフォーマンスアップ。
特筆すべきはラリーホイール&ノーマル車高というオリジナルを重視したフォルムにある。この手のトラッキンカスタムといえばロワード+ビレットが定番。しかしあえてそこはストックを保ちつつ、心地良い走りを重視したモディファイを行なうことで、それらと一線を画す玄人好みな一台に仕上がっている。エンジンをかけてアクセルを踏んだ瞬間に、思わず微笑んでしまう…これぞアメリカンビンテージトラックの醍醐味と言えるだろう。
ストックの良さを活かしつつモディファイされた傑作車
350エンジンをベースにホーリーキャブ、K&Nエアクリーナー、アルミラジエターをはじめクロームバルブカバーやオルタネーターなど各部一通りの手を入れたエンジン。3ATの弱点であるハイウェイ走行での唸りもほとんど感じさせない、快適かつトルクフルな走りを実現させている。
ダコタデジタルメーターの換装、イマドキのヘッドユニットを搭載してドア内貼りのスピーカー新調を除き、当時の雰囲気のままフルレストアされたインテリア。そこにビレットシフトノブやハンドルボス、ドアノブなどのアクセントが加わる。レザーではなくあえてモケットにこだわったベンチシートもポイントが高い。
ボディとマッチペイントを施すラリーホイールに組み合わせるタイヤは、BFグッドリッチの225/60R15。定番のホワイトレターを裏履きすることで、本国らしさをアピールしている。足回りは大きな変更を加えず、ノーマル車高を軸にブッシュ類のヘタリなどをリフレッシュ。リーフスプリングも新調しておりフレームの状態も良好。50年選手を一切感じさせない乗り味に仕上がっている。
エンジンの鼓動が随所から感じ取れる…まさにこの一言に尽きるといった印象のC10。K5最終モデルのTBIインジェクションに乗っている筆者が、常日頃から物足りないと感じているこの鼓動感が、ステアリングやアクセルはもちろん、各部からダイレクトに伝わってくる感覚。ビンテージトラックは見て楽しむものじゃなく、乗って体感するものだと改めて感じた。
プロスピードが撮影に提供してくれたもう一台は、1964年型ポンティアック・グランプリ。ため息が出るほどに美しく贅沢なこのモデル、とくとご覧あれ!
フルサイズボディを2ドアクーペで味わう「贅沢」
1964y PONTIAC GRANDPRIX
スクエアな直線基調の中に曲線美が絶妙に融合するフォルム。5400mmの長さで2ドアクーペという贅沢。後ろからも前からもインパクトの強い独創的なデザインは、唯一無二の存在感を放つと言っても過言ではない。GTOと同じく大きく張り出したヘッドライトはもちろん、リアテールに至っては点灯パターンまで実にユニークで、両サイドがバックランプ、ファントム部分がテールランプの役割を果たしているのだ。
60年代のポンティアックと言えば一番にGTOを思い浮かべる人が多いだろう。マッスルカーの立役者として根強い人気を誇る名車だ。その前身となったモデルが今回紹介するポンテアック・グランプリ・スポーツクーペだ。
現車は1964年モデルで、GTOと比較すると二分割グリルがスクエアだったり、スピードメーターが極端に大きく、横へ張りが流れるデザインを採用していたり、さらにはオプションでリアサイドスカートが付いていたりと、随所にフィフティーズなエッセンスが残るのが印象的だ。38 ciエンジン(6.4ℓ)を搭載しており、スタイルとは裏腹にマッスルな走りを楽しめることも、このクルマの魅力の一つだ。
変更点は、当時らしいカラーリングを考慮してホワイトトップで塗り分けされたオールペイントに留めており、インテリアやエクステリア各部はオリジナルを忠実に守りながらレストア。エンジンオーバーホール歴が伺える埃一つないクリーンなエンジンルームは、ホース類や配線を含め念入りに手が入っている。さらにシワやヘタリのないホワイトインテリアを見れば、そのレストアがいかに丁寧だったのかが分かる。独創的なデザインが魅力のリアテール周りはレンズ類やバンパーに至るまで錆び一つないコンディション。
まさにミントコンディションの最高のグランプリ
当時のオリジナルエンジンである389ciエンジンを搭載。3ATだけに現行モデルほどの快適なシフトチェンジとは言えないものの、トルクフルでストレスフリーな乗り味は、60年代らしさを良い意味で感じさせてくれる。オーバーホールを含め、各部ホースのメッシュ化やオプティマバッテリーなど、ウィークポイントはすべて改善済。
純正ホイールに組み合わせるホワイトリボンタイヤはBFグッドリッチ(215/70R15)。足回りはオリジナルをストックしつつ、ショックやブッシュ類をリフレッシュ済。ポンティアックモーターディビジョンの刻印入りのセンターキャップに赤いリム面、クローム、ホワイトリボンの組み合わせがボトムスをモダンに彩る。
レッド×ホワイト基調のインテリアは、ダッシュ回りを除くすべてを張り替え済。ボディカラーに合わせてレッドカーペット×ホワイトレザーでコーディネートしている。驚いたのは後部座席に乗る際、フロントシートの背もたれが斜め内側へ倒れたことだ。このかゆい所に手が届く工夫はさすがポンテアックブランドと言えるのだ。
生い立ちからどうしてもGTOと比較してしまいがちではあるが、どちらかと言えば同年代のビュイック・リビエラなどがライバルになってくるのでは!? と感じた。理由はビンテージマッスルのようにグイグイ走らせるよりも、ゆるく流すイメージでおおらかに乗る方が似合うからだ。もちろん踏めばGTO同様に389独特のフィーリングを味わえるのも魅力の一つではある。レアなオリジナルストックのステアリングを握れば、そのキャラクターがどちらに向いているか分かってもらえるだろう。
オンリーワンのカスタマイズを軸に、ジャンルを問わず幅広いアメ車を扱う岐阜のプロスピード。入手困難なヴィンテージモデルの輸入代行も本国との強いパイプを持って実現してくれる。定期的なBBQイベントなどでフレンドリーに徹するスタイルも魅力の一つだ。
■取材協力:プロスピード
http://www.prospeed-623.jp
■Text & Photos|アメ車MAGAZINE
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