スタッドレスタイヤの老舗ノキアンタイヤが打ち出すモデル「R3」

タイヤ

ノキアンタイヤ

阿部商会

アメマガ2019年1月号

ノキアンタイヤ
HAKKAPELIITTA R3
HAKKAPELIITTA R3 SUV


STUDLESS TIRE SPECIAL ROAD TEST

ノキアンタイヤは世界で初めてスノータイヤを作ったフィンランドの老舗メーカー。その新作スタッドレスが「ハッカペリッタR3/R3 SUV」である。雪国生まれのスタッドレスの実力はいかほどか。北海道にあるテストコースを使ってその実力を試してきた。

 

阿部商会からノキアンタイヤのスタッドレスタイヤ「ハッカペリッタR3」が発売になった。ノキアンタイヤは世界で最初にスノータイヤを製作したタイヤメーカー「フィニッシュラバーワークス」を前身に持つフィンランドのタイヤメーカーで、スノータイヤ、スパイクタイヤのスペシャリストとして欧州での知名度は高い。

 

トレッドデザインはラグ溝(横溝)に近い斜め溝を主体に、連続しない縦溝を組み合わせた個性的なトレッドデザインとなっている。さらにサイピング(極細溝)にも凝っており、トレッド中央には、左右対称のセンターブロックサイピングが施され、その両サイドにはサイプ壁面に凹凸の突起をつけ3Dサイピングに吸水性を高めるポンプサイプを組み合わせている。そしてショルダーブロックには、吸水性とブロックの剛性バランスを整える櫛の歯で穴を開けたようなコームサイピングが採用されている。

 

また、スノートラクション性能を高めるため、ショルダーブロックサイド部に掘り込みを施している。トレッドの溝にもスノークローズと呼ばれる突起がつけられている。コンパウンドには非金属の硬い粒子を練り込んだクライオクリスタル3コンセプトというコンパウンドを採用。ゴムによるグリップ性能に加えて、ひっかき性能を高めている。

0224

試乗してまず感じたのは、進化の過程が違うこと。ハッカペリッタR3は雪を掴むような独特のグリップ感がある。氷はもちろん滑るので重要な性能だが、日本のように0度付近の滑りやすい氷の路面はフィンランドではあまり出現しない。それがキャラクターの違いになって表れているように感じた。だからといって氷上性能が悪いわけではない。いまやマテリアルメーカーは世界に通じているので氷の性能も進化している。先代モデルR2と比べると、R3の氷盤路での制動距離は明らかに短くなっているし、減速感が強くなって制動時の安心感も増している。

 

雪道は路面をトレッド面でギュッと掴むようにグリップする。トレッド面のケース設計から異なるのではと思えるほどだ。トレッドデザインも効いているのだろう。トラクションのかかりがいい。さらにステアリングの応答性もいい。ハンドルを切り出した時のグリップの出方が素早く、キュッとエッジを利かせ、スッとクルマが向きを変えてくれる。過敏でなく鈍くもなく、ドライバーに緊張を与えないところも好感が持てる。

 

ハッカペリッタにはR3SUVというSUV用も用意されている。サイドウオールにアラミド繊維を混ぜ、耐サイドカット性能を高めた仕様。味付けはR3とよく似ているが、ショルダーからサイドウオールにかけてより剛性が高い感じ。R3よりもトラクション感が強くあって、力強く路面を蹴ってくれる。

 

ハッカペリッタR3は寒い国で作った寒い道を走るためのタイヤという点で非常にしっかり作り込まれており、トータルパフォーマンスでは国産スタッドレスに匹敵する性能を持っていると感じた。

ICE&SNOW ROAD

0364

氷上と雪上の2つのテストコースでハッカペリッタR3/R3 SUVの実力を試した。ブレーキング時の制動力など明らかに先代を上回る性能を発揮している。さらに高いグリップ力によるステアリングの応答性の良さも特筆すべきポイントだと言える。

凝ったトレッドデザインにより高い操縦性と安定性を両立

①クライオクリスタル3パーティクル
②ティラード・ブロックス
③ファンクショナルサイピング

名称未設定 1

トレッド中央には左右対称のセンターブロックサイピングなど独自の構造が採用され、雪を掴むようなグリップ感の高い走りを実現。シャーベット状の路面における性能も強化されている。ハッカペリッタR3にはSUV用もラインナップ。センターリブを幅広く取ることで操縦性を高めているほか、サイドフォールの耐久力を高めるアラミドサイドウォールテクノロジーなどが採用されている。これらの技術により、SUVであっても高い走行安定性を実現する。

SIZE LINE UP


NOKIAN TYRES 日本総輸入販売元:株式会社阿部商会

HP:http://www.nokiantyres.jp
TEL:03-3233-2671(09:00~18:00、土日祝日を除く)


Text:斎藤 聡
アメ車マガジン 2019年 1月号掲載

関連記事

RELATED


【スノーモンスター・グリップオン】急な降雪でも即座に装着、チェーン規制にも適合!

北国以外の人たちは基本的にノーマルタイヤで日常を過ごしている。そのためいざ雪が降った時に困ってしまうことが多々ある。しかしそんな時でもすぐざま装着できてしまう手軽なタイヤチェーンがある、それが「スノーモンスター・グリップオン」だ。

本場のUSAカスタムが楽しめる大口径MTタイヤが日本上陸

アメリカの空気感を味わいたいからアメ車に乗る。できれば本国で走っているようなカスタムを楽しみたい。ホイールは手に入るけど、タイヤまでは難しい…。そんな悩みを抱くオーナーのために、覇王ホイールがFURY TIRESの販売を開始した!

あらゆる地形と気象を走破する超・本格オールテレーンタイヤ!【オープンカントリーA/TⅢ】

TOYO TIRESが誇るオープンカントリーシリーズ誕生からおよそ40年。その集大成というべきオールテレーンタイヤ『OPEN COUNTRY A/T Ⅲ』がデビュー!ここでは2022年7月発売でブランドに新たな伝説を刻み込む、新世代ATタイヤのデビュー速報をお届けしよう!

北米育ちの新たな刺客【ROADIAN MTX(ローディアン エムティエックス)】

「ROADIAN MTX(ローディアン エムティエックス)

購入して9カ月が経過。ようやくアストロが登場する機会が巡ってきたぜ!

CHEVROLET ASTRO

 

最新記事


2025/11/27

真夏にサーキットを全開で走る?【82CUP】

イベントレポート

82CUP
美浜サーキット
2025.07.27

2025/11/25

【クアートFAB】アメ車のカスタムは超得意だけどストックやベース車両も販売中!

クーペ

SUV

ダッジ

リンカーン

アメ車が欲しいけれど、専門店は敷居が高そう…。そんな心配を抱く人におすすめしたいのが、岐阜のクアートだ。代表の酒向さんは30歳代と非常に若いが、オープンして10年のキャリアを持ち、カスタムだけでなくメンテナンスにも精通しているので、頼もしいお店だ。

2025/11/22

【クアートFAB】創業から10年目という節目の年に広くてスタイリッシュな店舗に移転

ショップ

2025/11/20

【1970 ダッジ チャレンジャー】オリジナルストックがそそるモパーマッスルの大本命!

クーペ

ビンテージ

ダッジ

バニシングポイントなど、劇中車としてもその人気を博する1970年型ダッジ・チャレンジャー。半世紀以上の時を経て、コンディションの良い個体は激レアとなりつつある昨今、バーニーズでお宝を発掘!

ランキング


2021/01/22

【アメリカNo.1売上】本場が認めるキャンピングトレーラーJAYCOの内外装とは?

キャンピング

キャンピングトレーラーがあれば、あれもこれもとキャンプ道具を積み込むことなく、必要な時だけ連結して、いつでも贅を尽くしたトリップが可能!

そして切り離せば現地でも気軽に周辺の観光スポットを探索できるメリットもある。さぁ、キャンピングトレーラーを始めてみませんか!

Text & Photos|アメ車MAGAZINE

2020/08/31

魅惑のマッスルカー黄金時代:1960年代と70年代の誇り高き車両たち

ビンテージ

人気のあるマッスルカーであるマスタング、カマロ、チャレンジャーに焦点を当て、1969年のシボレー・カマロ、コルベット、フォード・マスタング・ボス429を紹介。性能やコストパフォーマンスだけでなく、美しさや運転の喜びにも注目。

2021/02/12

【フォードF150】圧倒的な人気を誇るラプタースタイル、マスクだけでなくボディもアレンジ!

ピックアップトラック

フォード

2008 FORD F150

2022/07/14

チャレンジャーとチャージャー、実はこの2台は双子の様な存在と言える。

セダン

クーペ

ダッジ

2019 DODGE CHALLENGER R/T SCATPACK WIDEBODY[SUBLIME]
2018 DODGE CHARGER DAYTONA392[YELLOWJACKET]