独特なスタイリングが魅力的な、セミファーストバックなハードトップのデルタ88

1966 Oldsmobile Delta 88 Holiday Coupe
ジーエム祭
1966 Oldsmobile Delta 88 Holiday Coupe
保守的で地味な雰囲気の中にも、どことなくヒールな怪しさを感じるフルサイズハードトップのデルタ88。オールズのイメージリーダーとしてお馴染みの88シリーズならではの、スタンダードなラグジュアリー感がなんともクール!
ポリシーのある一匹狼的な人に打ってつけのモデル
オールズモビルというと、メジャーなGMのブランドの中でも、日本ではかなりマイナーな存在。シボレー、ポンティアックのファンは少なくないが、オールズまたはオールズのモデルのファンというのは、あまり聞いたことがない。それだけに、撮影車の年式とモデル名を即答できる人は、日本ではほとんどいないのでは?
モデルのデルタ88は、1965年よりラインナップ。それまで最上級だったダイナミック88はスーパー88に入れ替わっている。そもそもオールズがミドル層をターゲットとしているため、GM内でも最も保守的なアプローチで展開しており、このデルタも一見すると控え目な印象を受ける。しかしながら、2ドアクーペのホリデイのスタイリングには、どことなくヒールでいて上品な独自のキャラクターが際立っている。
同じBプラットフォームを共有するシボレー・インパラ やポンティアック・ボンネビル と比べると、なんとも気難しいイメージだし、ビュイック・ルセーバー よりも車格的にはカジュアルだが、確固としたオリジナリティがある。それだけに一般ウケこそしないが、トレンドや周りの意見に振り回されることのない、ポリシーのある一匹狼的な人には打って付けのモデルといえる。
この個体の場合、総合的にオリジナルを保持しながらも、乗り回すには気を使う必要のない絶妙なコンディションという点が魅力的。そして、オーナーのキャラクターも、この個体のイメージにマッチしており、一層魅力的に映る。拘って探し当ていたわけではないが、自然に馴染んだ人馬一体感に好感が持てるのである。
ハッチバックにも通じるなだらかなカーブのルーフながらも、取り分けないオーバーハングによる独特なスタイリングのセミファーストバックなハードトップ。ちなみに、この時期はホリデイ=2ドア・ハードトップ。顔つきは比較的地味だが、三次曲線を駆使したバンパーのデザイン&クオリティはお見事! 車体色の影響もあり、全体的に控え目に見えるも、実際に現車を見ると、凝ったデザインで見どころが多い。61年にリア・リジットリーフからコイルスプリングに改善されたAプラットフォーム。純正のスチールホイール&ホイールキャップの組み合わせ。全体のイメージにマッチするホワイトリボン・タイヤは、Goodyear・Regatta(215/75R14)。
外観同様に、一見すると地味で誠実な印象を受けるも、スピードメーターが中央に独立する形でレイアウトされるダッシュ周辺のデザインにオリジナリティーが溢れている。年式を忘れてしまうグッドコンディション。3連装の追加メーターは、最新にしてレトロなデザインを採用し、なじませている。ベンチシートには大人3人がゆったりと収まる。
6世代目として65年型よりラインナップされた、425ci(7ℓ)“ スーパーロケット” がデルタ88の標準エンジン(310hp)。圧縮比やキャブレターの設定によって最大370hp 仕様まで。この個体はオリジナルの3速ATとの組み合わせ。スタンダードには3速マニュアルの設定もあった。
Photo ◆Hiroshi Nose
Text ◆Hideki Ishibashi
アメ車マガジン 2019年 11月号掲載
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