部品取り車をストックしてレストアに挑むほど溺愛するGMT400!

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アメ車で傾け

K1500 Z71

K1500

アメマガ2020年6月号

1994 CHEVROLET K-1500 Z71

アメ車で傾け -kabuke-


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1994 CHEVROLET K-1500 Z71 OWNER: 清水孝道さん

まるでショップの様な大型ファクトリーを持つ関西のGMT400系マニアを突撃訪問

ここ数年人気急上昇中のスクエアボディに魅了され、90年代のモデルに限定して複数台所有してクルマ道楽を謳歌する異端児が紹介する清水氏。専用工具に溶接機など、ショップ顔負けの設備を備えて趣味生活を満喫する

GMT400系マニアが集い親交を深めていく場所

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大阪府門真市の某所に4年前から倉庫を借り、厳選した90年代のC/K、タホ、サバーバンを複数台所有しながらアメ車ライフを謳歌するのが、紹介するGMT400系愛好家の清水孝道氏。


彼と出会ったのは2019年、琵琶湖で開催された56ビーチカーミーティングだった。シェビーストリームが主体となった同ミーティングではサブリーダー的な役割を担い、ミーティングを手伝いつつ、時にはメインカーであるティールグリーンのK‐1500で琵琶湖にダイブするなど、盛り上げ役に徹していた印象。実はミーティングに参加していた滋賀県在住の若きオーナーが所有するフルコブラコンプリートの青×黄色ハイルーフアストロが元々の愛車だったと言い、ルーツはシェビーストリームから始まってアメ車歴はざっと20年以上という生粋のアメ車信者だった。


アストロカスタムを一通り楽しんだ後、現状はメインカーのK‐1500に加え、レストア中のC‐1500と部品取りのサバーバンを同時所有。写真の白いサバーバンは一緒に倉庫をシェアしている友人の物で、現場仕事で忙しい友人に変わってメンテナンスを代行することもしばしば。


広大な敷地スペースはフルサイズのアメ車が6台余裕で収まるスペースを確保しており、個人で営んでいるカスタムファクトリーと変わらないレベル。トイレや水道も完備しているので仲間たちと予定していた週末のBBQが雨で行なえなくなると、特設会場として臨時BBQ場としても活躍する。


いくらなんでも大勢来ると厳しいのでは…と心配していると、ウィーンと上から鉄骨の骨組み剥き出しの自作エレベーターが降りてきた。「実は同じ敷地分のスペースが2階にもあるんです!」と。ただし2階はシェアしている者と一部許可を得た友人のみ立ち入り可能な秘密の場所で、友人の現場資材やジェットスキー、そしてシェビーストリームのメンバーが困ったときのためにストックしてあるアストロのエンジンなどが無造作に並ぶ。それでもまだまだ有り余るスペースで、たくさん来る時は一階の物を2階に上げて対応するとのこと。

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3人でシェアしてはいるものの家賃比率がもっとも高く、契約名義も清水氏なのでファクトリーの主としてほぼ毎日入り浸っているとのこと。できる事は自分でやるのがモットーで、工具の調達から溶接機の導入、愛用するプレジャーボートの移動に便利な自作でヒッチボールを付けた電動リフトなど、設備投資も抜かりなし。


愛車のリフトアップに必要な部品調達も某サイトを通じて本国から購入するのではなく、ネット検索で本国のショップ「FAT BOB`S Garage」を探し当て、英語翻訳機能を駆使して直接ショップにオーダーするなど、大胆かつ迅速な行動力も特筆物。BDSのリフトアップキットをGMT400系に装着する例はまだまだ日本でも珍しく、ポピュラーな存在ではないが本国レビューを見る限りその信頼性は高く、清水氏の様にボートをトーイングしたり、琵琶湖へダイブする荒々しい乗り方にも適したマストアイテムだった。


しかし、足回りの作業を進めていく上でシャシーがヘビーデューティー仕様で、デフ玉はF44の記載があるビッグサイズであると嬉しい発見も。それが仇となってヘビーデューティーなリアリーフにBDSの増しリーフを組み込むとリアの上げ幅とフロントの上げ幅が決まらず、増しリーフを諦めてブロックのみで対応するなどハプニングも続出。フロントのみトーションバーを絞って0.5インチ追加で補正するなど、作業を進めていく上で出てきた課題をクリアしながらカスタムライフを謳歌するのが彼なりのクルマ道楽のスタイルであり、一筋縄では上手くいかないからこそ面白い。


困ったときは助け合い、一緒にアメ車ライフを楽しんで行くのはシェビーストリーム時代から変わらぬ〝イズム〟であり、まるで超難関パズルを組み上げていくかのごとく「あ~でもない、こ~でもない」と友人たちと一緒にお互いの愛車をカスタムしたり、修理したりしている時間は至福の時。そんな空間を確保して共有することで仲間が仲間を呼びGMT400系フリークたちとの親交を深めていく清水氏のファクトリーは、4年の時を経て確実に進化を続けており、10年、20年と時を刻む内に、よりディープな空間となっていることだろう。

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バラした状態で置いてある奥の2台は、左がレストア中の97年型C-1500で、右が部品取りとして各部移植されていく96年型サバーバン。TBIもVORTECもそれぞれ良さがあるので、どちらも大好きと語る清水氏にとって、K-1500でTBIを堪能しながら、C-1500でVORTECを楽しみたいという欲張りな野望が垣間見える。個体の価格が高騰する昨今、贅沢なドナーカーをストックできる環境は羨ましい限り。

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マリンスポーツよりもマリンレジャーをこよなく愛する清水氏にとって、ウェイクボードも可能な装飾はある意味過剰スペックではあるが、KICKERのスピーカーで好きな曲を流し、琵琶湖の湖上を気心知れた仲間たちとクルージングするのが週末の楽しみだったりする。主に56ビーチを愛用しており、シーズンになると時間を見つけては仲間たちとアメ車でボートを引っ張って琵琶湖を目指すのが日課。また、手前にあるバイクはシェアする友人が衝動買いしたものの、放置プレイを見て見ぬふり過ごす日々。細かいことは気にしない主義である。

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ジェットの上げ下ろしを可能にすべく鉄骨を組んで仕上げた自作のエレベーターのおかげで、エンジンなどの重量物も楽に2階で保管できる様に工夫。向かって左側の棚にはシェアする友人の現場資材スペースとなるが、見渡す限りまだまだ余裕のスペースを確保。その気になれば3階も拡張できそうなスペースであり、2、3年後には購入する予定のキャンピングトレーラーを1階に入れても余裕。むしろそのままキャンピングトレーラーに住んでも良いのではと思えるほど、クルマ道楽を主としたライフスタイルには願ったりかなったりな空間である。

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清水氏のメインユースがこのK-1500 Z71。フェイス回りはすべてリフレッシュを施すものの、ボディ色にはとくにこだわりがなく、プレジャーボートをけん引する機会も多いのでどちらかと言うとパフォーマンス重視で、ヘビーデューティー仕様のシャシーを持つZ71はマストな選択肢。BDSのリフトアップキットを組み込み、33インチタイヤを20インチで履きこなすボトムスはいずれサイズアップする可能性大。2500のバネレートを持つリーフスプリングは重量級をけん引するのに適しており、最近手に入れたBULL HITCHを駆使して、いずれはキャンピングトレーラーの購入も検討中とのこと。

噂を聞きつけて訪れるGMTフリークたちも年々増加中!

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Photo &Text:石井秋良
アメ車マガジン 2020年 6月号掲載

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