マッスルカーのキャラを持ったセダンピックアップのアイコン『エルカミーノ』

ピックアップトラック

ビンテージ

シボレー

アメマガ2021年6月号

THE VINTAGE

エルカミーノ

1971 Chevrolet ElCamino

THE VINTAGE ビンテージアメリカンの魅力


1971 Chevrolet ElCamino

シェベルをベースとする乗用車としての魅力と、ピックアップトラックならではの機動力を兼ね備えるエルカミーノ。中でもサードジェネレーション(68~72)は、セダンピックアップのアイコンであると同時にマッスルカーとしてのキャラクターを持つ最後の世代としても魅力大である。


ワークホースとして活躍するピックアップトラックにして、フォーマルなシチュエーションでの対応や、乗用車としての装備を求めるニーズから誕生した「セダンピックアップ」。オーストラリアにおける戦前のフォード車がルーツで、アメリカにおいてはフェアレーンをベースしたランチェロが1957年にデビュー。シボレーではフルサイズのインパラ/ビスケインをベースに59年にエルカミーノを投入。


5世代に渡って87年までラインナップする中でも、68~72年のサードジェネレーションは、シボレーの主力モデルのシェベルをベースにするマッスルカー世代の最終としても高い人気を誇っている。

1971 Chevrolet ElCamino 1971 Chevrolet ElCamino

マッスルカーを基準とした場合、ルックスもパワーも70年型が頂点となっており、71年型はマスキー法の制定によってパワーダウンを余儀なくされるが、ルックスや扱いやすさなどフレンドリーなのがポイント。それだけに、価格が高騰する現在においても、比較的値ごろ感が良く、モデルのキャラクターにマッチしてカジュアルに付き合える点で好感度が高い。


この個体は、外観的には塗装がくたびれたパティーナな状態ながら、愛機のハーレーの運搬から、日常使用にも難なく対応するアップグレードが施されているのがポイント。それでいてフロント:スキニー&リア:ファットなドラッグレース向けのタイヤ&ホイールのセットアップによって、マッスルカー血統のキャラクターにもマッチしてなんともクール!


ビンテージアメリカンにステイタスを求める傾向が目立つ中、これまでにタフなマッスルカーやチョッパーを乗り継ぐオーナーのキャラクターやライフスタイルとシンクロしているこの個体は、なんともアメリカンで魅力的に映る。

1971 Chevrolet ElCaminoIMG_3692

マッスルパッケージのSSに対してエコノミーなスタンダード車をベースに、リアエンドにはLSDを組み込んで、タイヤ/ ホイールのアレンジでドラッグスタイルにまとめた。やれたストックの塗装やモールディングによるギャップ萌え感がカッコ良い!リアルな使用感が、オーナーの付き合い方や使用目的に見合っている点で好感が持てるのだ。

1971 Chevrolet ElCamino

エンジンは基本的にストックの状態で、とりたてたアップグレードなどもしていないものの、始動から走行までストレスがなく、いたって快調。LSD装備のリアエンドによって、スタンダードなエンジンにしてクイックな挙動&トルク感が味わえる。実際のスピード以上に、スピード感が感じられる点で、パワーにも不満がない。

IMG_3737

パワートレーンは、GMにおいて最もスタンダードな350ciエンジン&TH350(3速AT)の組み合わせ。数年前にカリフォルニアから輸入して新規登録時に整備を施した程度ながら、ストレスなく実働。カジュアルなストリートカーとして特別なモディファイなどはあえてしていない。

IMG_3693IMG_3691

ドラッグマシン的なアプローチによるスキニー&ファットなタイヤ/ ホイールの絶妙な組み合わせによって、抜群のプロポーションを構築。ファットなリアタイヤを装着するうえでは、タブを加工して対応。フロントはおなじみのクレーガーなのに対して、リアはレース専用のレアなモノコック社製!

IMG_3807 IMG_2364

茶系の内装は、車体色同様にファクトリーストックなだけに、グリーンとの相性がよく、当時のトレンドが反映されている。外装と同様にクリーンではないが、適度な使用感がリアルで、モデルのキャラクターにマッチして、むしろ雰囲気がある。メーターは一見するとスタンダードのストックと思いきや、アナログとデジタルが融合するダコタデジタル社による“レトロテック” を採用!


昼間と夜とで異なる表情を楽しめる点でも◎。エアコンのスイッチにおいても同様に、ストック調のデザインにして最新の無段階調整&バックライト式のビンテージエアー社製。


IMG_3731IMG_2297

Owner:MURATA さん

これまでにクーガー、チャレンジャー、ベルベディアといったマッスルカーや、チョッパーの運搬に活躍するダッジバン・パネル、C1500エクステンドなどを乗り継ぐMURATAさん。このエルカミーノは気軽に付き合うべくバランスの良いアップグレードを施しており、自身の趣味やライフスタイルともマッチしている。


PHOTO&TEXT:石橋秀樹
アメ車マガジン 2021年 6月号掲載

最新記事


2023/09/29

アメ車と、仲間と戯れる、最高の空間を手に入れた夫婦

ピックアップトラック

SUV

キャデラック

ダッジ

夫婦でそれぞれクルマを所有しているのは珍しいことではないけれど、それが共にアメ車となれば話は別。さらにガレージ、アメ車が10台以上止められる広い敷地、これはもうアメ車乗りの理想形が詰まっている!

2023/09/28

汚して使い倒してこそが、トラック(シルバラード)の正当な乗り方!

ピックアップトラック

シボレー

アメ車のことはまったく知らなくても、乗り出したことでどっぷりとハマるなんていうパターンはよくある。紹介する小野さんもそのひとりで、シルバラードに乗り出してからは充実したアメ車ライフを過ごしている。

2023/09/27

やっぱりGMが好きなので、迷わずシルバラードを選ぶ

ピックアップトラック

シボレー

それがいつのことか、どこだったのかまったく思い出せないが、街を走るアメ車の四駆を見て「カッコイイ!」と思った三河さん。その刷り込みが非常に強く残っていたことで、今にして思えばそれがアメ車ライフの始まりと言える。

2023/09/26

【グランドワゴニア / ラングラールビコン】392ciのV8を搭載する、正反対なキャラクター!

ショップ

ここ数年、アメ車にもエンジンのダウンサイジング化の波が押し寄せている。だが、そんな時代の流れに抗うかのように登場した、ラングラールビコン392とグランドワゴニア。エンジンこそ同じだが、まったく異なる2台を紹介しよう。

ランキング


2023/09/29

アメ車と、仲間と戯れる、最高の空間を手に入れた夫婦

ピックアップトラック

SUV

キャデラック

ダッジ

夫婦でそれぞれクルマを所有しているのは珍しいことではないけれど、それが共にアメ車となれば話は別。さらにガレージ、アメ車が10台以上止められる広い敷地、これはもうアメ車乗りの理想形が詰まっている!

2023/09/28

汚して使い倒してこそが、トラック(シルバラード)の正当な乗り方!

ピックアップトラック

シボレー

アメ車のことはまったく知らなくても、乗り出したことでどっぷりとハマるなんていうパターンはよくある。紹介する小野さんもそのひとりで、シルバラードに乗り出してからは充実したアメ車ライフを過ごしている。

2016/11/04

超レアなマスタング、1969年モデルのBOSS429!

クーペ

ビンテージ

フォード

1969y FORD MUSTANG BOSS 429

2023/09/27

やっぱりGMが好きなので、迷わずシルバラードを選ぶ

ピックアップトラック

シボレー

それがいつのことか、どこだったのかまったく思い出せないが、街を走るアメ車の四駆を見て「カッコイイ!」と思った三河さん。その刷り込みが非常に強く残っていたことで、今にして思えばそれがアメ車ライフの始まりと言える。