-アメカルにまつわるエトセトラ- #17「永遠少年な帰国子女 」
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#17「永遠少年な帰国子女 」
et cetera about AMERICAN CULTURE -アメカルにまつわるエトセトラ-
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#17「永遠少年な帰国子女 」
今回は当ページの担当編集K君についてお話をさせていただこうと思っております。
K君と出会ったのは約25年ほど前。当時、彼は当アメ車マガジンと同じ版元から出版されているレッツゴー4WDという4WD専門誌の編集スタッフ、私はフリーライターとして駆け出しだった頃。共通の知り合いを通じて知り合いました。私の初期の印象は…正直にいうとあまり良くありませんでした笑。それまでわりとまっとうな企業でサラリーマンをやっていた私はスーツ必須…とまではいかずとも、小ざっぱりした服装&程よい対人距離感が業務での日常。
ところが、彼はスカジャンに履き古したジーンズ、そして逆さ被りのアポロキャップ。さらに最初から良くも悪くも気を使わない態度。「この人とは合わないわぁ」というのが第一印象でした。ところが、彼の携わるレッツゴー4WDを読み始めると、誌面でのチャレンジ企画などに果敢に挑戦し、時に撃沈している姿を見るうちにイメージは好転。そしてイメージ改編のピークとなったのは2003年でした。
当時、レッツゴー4WDからランドクルーザーマガジンという更にマニアックな雑誌編集部に移動していた彼は、一介のサラリーマンであるにもかかわらず、クライアントや関係各位に頭を下げまわってかき集めた費用や部品(彼が業界の人気者だったこともその時に良く分かりました)で廃棄寸前だったランドクルーザーをラリーマシン“コジロー号”へと仕立て上げ、アジアクロスカントリーラリーに参戦を果たした事は見事の一言だったと思います。ラリーマシン制作の過程に私も何度か立ち会ったのですが、ボロッボロだったランドクルーザーを決してピカピカに仕上げるわけではなく、費用を含めた限りあるリソースのなかで彼の価値観とラリー参戦での必要不必要をうまいことバランスさせたクルマ作りをみていると「ああ、こういう車の愛で方もアリだなぁ」と強く思わされたものでした。
そんなK君はその後にアメ車マガジンに移動。そこで今度はマスタングと出会います。実は彼はアメリカからの帰国子女。彼の地で子供の頃に脳裏に焼き付けたマスタングにはひと際思い入れがあるそうで、約半世紀前に誕生した車両を日常使用に耐えうるまでに見事仕上げました。そう、中身アメリカ人な彼はオールドマッスルだって猫可愛がりはしません。これまたどこかで朽ちかけていた30系ソアラと共に惜しげもなく使い倒し、あっちがイカれた、こっちが壊れた…とか言いながら地方で見つけたおもちゃ箱みたいなガレージで素敵なV8ライフを送っているのです。あ、そういえばガレージにV8…とくればアメリカーンなワンコがお似合いですが、そちらは純ジャパニーズな柴犬君たち…そう、かっちりし過ぎないのもK君流なのでした。
アメ車マガジン 2021年 7月号掲載
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