-アメカルにまつわるエトセトラ- #34 なんかちいさくて丸いやつ

#34 なんかちいさくて丸いやつ
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古今東西、アニメはもとより漫画や絵本においても子供向けの〝不思議な〟または〝正体の定かでない〟キャラクターと言えば〝なんとなく丸いやつ〟と相場は決まっている気がします。ルーツは「シーツお化け(子供が頭からシーツをかぶって目の当たりをくりぬいたやつ)」あたりが落としどころじゃないかと。
それが発展して、昭和に子供時代を過ごした人なら覚えがあるであろう米製アニメの「怪獣王ターガン」に登場する不定形生物「ヒューヒューとポーポー」、仏製絵本発祥のおばけ「バーバパパ」、日本でも発表当時には大ブームとなった「オバケのQ太郎」などなど…どれも設定こそモンスターやゴーストではありますが、親しみやすいキャラクターとして世界中で愛されています。そして2010年。米国の映画スタジオであるユニバーサルから、文字通り〝モンスター級〟の決定打が放たれました。それが「ミニオンズ」です。
「アイス・エイジ」や「ロボッツ」などCGアニメーションを監督・製作総指揮を務めたクリス・メレダンドリが2007年に設立したアニメーション制作会社「イルミネーション」の第一作目の作品が「怪盗グルーの月泥棒」、その主人公である悪党グルーの子分的存在として登場したのが怪盗軍団ミニオンズでした。
揃いのオーバーオール、ゴーグルを装着した一つないしは二つの目、そして小柄で丸くて黄色い体…という、どこから見ても愛され要素が詰まった彼らは登場するや否や人気者に。一見無意味な早口言葉のように聞こえる会話も、上映国の単語を絶妙に混ぜることでなんとなく意味が伝わるようにできていたり、それぞれに名前があるよう性格も十人十色。
初出の「怪盗グルーの月泥棒」では、まだグルーや養女三姉妹を引き立たせる「ちょっと変わったやつら」でしたが、予想以上のミニオン人気によって製作されたスピンオフシリーズ「ミニオンズ(2015年公開)」あたりからはそれぞれの性格設定がより明確に、しぐさや行動パターンも進化していきます。
特に同作や、「ミニオンズ・フィーバー(2022年公開)」で活躍する3人のミニオン達は、「ケビン(のっぽの二つ目=長女マーゴ)」「スチュワート(中背の一つ目=次女イディス)」「ボブ(小柄なオッドアイ=末っ子アグネス)」と、スピンオフには登場しない三姉妹をモチーフにしたキャラクター設定がされており、まだ少年のグルーと共に本編と同じ空気感で映画を楽しむことができます。
2010年に設立された新進のCGスタジオながら、「怪盗グルー」以降も「ペットシリーズ」や「シングシリーズ」など次々にヒット作を連発している「イルミネーション」ですが、どの作品でもオープニングで社名を叫ぶのはミニオン達。日本のユニバーサル・スタジオでもすっかり人気者の彼らが、これからどんな活躍を見せてくれるのか楽しみです。
TEXT & ILLUSTRATION : JIN HATTA
アメ車マガジン 2023年1月号掲載
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