-アメカルにまつわるエトセトラ- #33 NICE BUDDY
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「次号のコラムネタは『印象に残るムービーカー』でどうすか」という担当編集Kくんからの連絡。そのキャッチーな響きに誘われて「いいね! それにしよう」と返したものの、よくよく考えてみると自分にとって最も印象深いムービーカーは、アダム・ウエスト版バットマンのバットモービルで…すでに当コラムに2回登場済。
その次は初代マッドマックスのインターセプターですが…あれはオーストラリア映画。もちろん、その他にも魅力的・印象的なムービーカーはたくさんあるのですが、今回はもっと広義な意味でと考えはじめたら…ありました。
個人的に大好きな俳優と切っても切り離せない関係であると共に、映画小道具=ムービーカーとしても大きな存在となったと言っても過言ではないクルマ。それが今回ご紹介するハマー(HUMMER)/ハンヴィーC)です。
それまでアメリカ陸軍の機動力として欠かせない存在だったМ151(フォード製小型軍用車両)に代わる車両として、1985年よりAMゼネラルにより量産が開始されたのがハンヴィー(HMMWV : High Mobility Multipurpose Wheeled Vehicle/ 高機動多用途装輪車)でした。
ジャングルなどでの機動力を重視した小型のМ151と比較すると、格段に広いトレッドやトランスミッションを室内に格納してまでして確保した地上高など、想定されている戦地が異なっていることがよく分かります。そんなハンヴィーは、まるでテレビゲームのような空爆の様子で「ニンテンドーウォー」と揶揄された湾岸戦争で一躍有名になりました。それまでの見慣れたジープスタイルのプロポーションとは全く異なる平たい車両は、瞬く間に戦争・戦闘を表すアイコンとなります。
するとほっておかないのがエンターテイメント業界。なんの説明がなくても、ハンヴィーが登場するだけで異様な雰囲気が流れるのですからこれほど優れたアイテムはありません。様々な戦争・アクション・SF映画で大活躍をすることになります。そこで出会ったのがアーノルド・シュワルツェネッガーでした。当時(1980~1990年代)、アクション映画俳優として飛ぶ鳥を落とす勢いであったシュワルツェネッガーは、自分のイメージとぴったりなハンヴィーをAMゼネラルに所望。
その声に応えて民生仕様にモディファイが施されて一般販売されたのがハマーです。ハリウッドスターらしく多数の高級車を所有しているシュワルツェネッガーですが、快適度からいうとそれらとは数段劣るハマーを最近まで愛用していたそうですから(それもオープントップ!)そのお気に入り度は相当なものと想像できます。
エコとは相反する成り立ちによって既に販売は終了しているハマー、アクション映画の一時代を築いたと言っていいシュワルツェネッガー。それは同時代を生きたクルマ&映画ファンとして郷愁とも言える組み合わせなのです。
TEXT & ILLUSTRATION : JIN HATTA
アメ車マガジン 2022年12月号掲載
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