-フリースタイルで行こう- #19 アメリカのレジェンドレーサー:リチャード・ペティ【栄光のカーナンバー43】

コラム

アメマガ2021年11月号

フリースタイルで行こう

#19 アメリカのレジェンドレーサー:リチャード・ペティ【栄光のカーナンバー43】

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#19 アメリカのレジェンドレーサー:リチャード・ペティ【栄光のカーナンバー43】

アメリカ人なら誰もが知る「NASCARキング」ことアメリカンレース界のレジェンド、リチャード・ペティ。映画『カーズ』では「キング」として本人が声優を担当するなど、世代を超えて親しまれる自動車業界きってのヒーローだ!今回はキングのキングっぷりにスポットを当てます。


■リチャード・ペティ 通算1,185レースに出走する中で、67年当時で年間優勝数27回と最多記録を記録、キャリア通算では200勝、そしてNASCARでは最高峰の花形デイトナ500では最多記録の7勝、ポールポジションでも127回で最多記録など、とにかくそのキャリアがキングなのです。

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キャリア通算で200勝、そしてNASCARで最高峰の花形デイトナ500では最多記録の7勝を誇る〝キング〟

自分がアメ車好きになるうえで、その魅力を刷り込まれたのは、幼少期に繰り返し観たカーアクション映画だったりします。その後、実際に愛車として所有してからは、走りの性能なども含めたカッコ良さのベースは、なんといってもレースカー。中でも最もホットロッドを感じるNHRA (National Hot Rod Association) のドラッグマシンには、その独特のプロポーションのカッコ良さには無条件で惹かれてしまいます。当初は、NASCARはオーバルコースをぐるぐると回るだけで、何がオモシロイの(?)でしたが、高速での激しいせめぎあいに接触したり、派手にクラッシュしたりと、「過激なイメージ」にアメリカらしいカッコ良さを感じたのでした。

 

10代のときにブームとなったHOスロットカーのお気に入りが、今思えばNASCARの71年型プリマスで、カラーリングこそ違えど、#43の「キング」ペティのマシンだったり。そして、圧倒的に高いパフォーマンスを体感したことでどっぷりとハマったMOPARマッスルを初めて入手したのも、71年型プリマスだったのでした。当時は現在と違ってアメリカの情報は極めて少ないうえに時間差もあり、リチャード・ペティがなんたるかも?でしたが、そのカッコ良さはミニチュアを通してしっかりと刷り込まれたのでした。

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その点現在では、映画『カーズ』に〝キング〟としてスーパーバードが登場し、本人が声優を努めていることでもお馴染みなのです。〝キング〟ペティって誰?と気になった時点で、スマホを通して当時の映像を含めてあらゆる情報が入手可能、便利な世の中になりました。そんなわけで、自分なんかよりも今どきのティーンの方が詳しかったりします。

 

とにかく細かいことは抜きにして、通算1185レースに出走する中で、1967年当時で年間優勝数27回と最多記録を記録、キャリア通算では200勝、そしてNASCARでは最高峰の花形デイトナ500では最多記録の7勝、ポールポジションでも127回で最多記録など、とにかくそのキャリアが「キング」なのです。

 

そして、長いキャリアの中で、様々なメイクスの車両で参戦していますが、黄金期での活躍という点でMOPAR、特にプリマスとの関係が濃厚で、MOPARファンにとっても象徴的な存在。HEMIエンジンの存在も大きく貢献しているだけに、HEMI禁止レギュレーションにはMOPARとともにNASCARをボイコットしたのは有名な話。

 

トリビアですが、日本国内の正規ディーラーではHEMIを扱っていなかった67年当時、ペティのマシンと同様にHEMI搭載車を熱望したファンによって、ディーラーを通じて国内向けに正式な輸出仕様としてkm/h表記のメーターを持つHEMIベルベディアが1台だけ存在したりします。また、アメリカでは彼のマシンをトリビュートするレースファン、MOPARファンがとても多いのです。

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映画『カーズでは』歴代参戦車両の中でもとりわけキャッチーなスーパーバードで“ キング” として登場。声優も本人が担当。ちなみにペティのマシンを象徴する鮮やかなブルーは、“ペティブルー”のネーミングで当時はMopar純正色としてオプション設定されていたんだな。

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なんと、当時はペティのマシンのサウンドなどを録音したアナログレコードなんてのも販売されたのでした。

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実車の写真のパッケージがカッコ良すぎるMPCのモデルキットは自分のコレクションの中でもトップレベルのお宝。

1/18 RACING CHAMPIONS (2006) 1970 PLYMOUTH SUPERBIRD

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初めて200 マイルを超えたチャージャー・デイトナが登場した69年では、本人が望むも、契約の関係でフォードに乗り換え。スーパーバードを投入したことでプリマスにカンバック。ノーズコーンと巨大なウィングは、速度域が高まる中で空力に特化したNASCARホモロゲカーとしての武装。

1/18 auto world (2012) 1972 PLYMOUTH ROAD RUNNER

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象徴的な2トーンによるSTPのカラーリングは、スポンサー契約を受ける72年から。ノーズコーンと巨大なウィングは廃止しながらも、空力特性に特化したフォルムでモデルチェンジした71年型がベース。個人的にはアメ車の中では最もお気に入りのモデルとして今でも憧れ。

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1/18 Ertl Collectibles (1985) 7 & 7 SETS 7-TIME WINSTON CUP CHAMPIONS

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NASCAR '94 CHEVY LUMINA #3 Dale Earmhardt

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NASCAR '92 PONTIAC GRAND PRIX #43 Ricahrd Petty

1回でも優勝するのは大変な世界だというのに、7回も獲得するのは神がかってます!そんな偉業を成し遂げた2人(ジミー・ジョンソンを含めて3人が存在)のマシンによる限定セット。単にダイキャストの限定品としてではなく、スポーツ系メモラビリアとしての価値が高い!

★石橋秀樹 アメリカンホビーショップ「ホットワイヤー」の店主であり、フリーペーパー「イグナイト」の編集人、そしてアメ車マガジンでもライターを行なうなど、アメリカンカルチャーに関する偉人(変人)である。人生は肩ひじはらずに「フリースタイル」なのが信条。


アメ車マガジン 2021年 11月号掲載

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