直系ジープ最強のパフォーマンス!ルビコン392は反逆か? 迎合か!?

SUV

ジープ

ラングラー

埼玉県

スカイオート

JLラングラー

ラングラールビコン

アメマガ2022年2月号

ラングラールビコン392

THE NEW MODEL SHOW ROOM
2021 JEEP WRANGLER RUBICON 392


2021 JEEP WRANGLER RUBICON 392

ついに日本に上陸したJeepラングラー“ルビコン392”。CJ以来のV8エンジン搭載とはいえ、スペックの差はケタ違い。環境問題が騒がれる今、それは反逆の存在か? それともラングラー×V8渇望者への迎合か? いずれにせよ、次回、日本への導入は不明だが……。


【ジープラングラールビコン・オフロード試乗!】見た目以上に最強なスペシャルモデル

本国でもレアな存在神話、神話上のJeepになるか

自動車そのものが電動化に邁進している昨今、なんとも悩ましいモデルがJeepに登場したことは、本誌読者の皆さんならすでにご存じのことだろう。そう、ラングラーに設定されたV8エンジン搭載「ルビコン392」だ。

_45I2226

ラングラーにはクリーンディーゼルモデルもあるし、ハイブリッドモデルもリリースされている。それでなくともJeepは2025年までには、全車ハイブリッドモデルにシフトすると喧伝しているほどだ。では、なぜ、今、470hpのV8 HEMI搭載のラングラーなのか? もともとラングラーには、アフターでV8を搭載されるモデルも多かったし、熱心なユーザーの中にはそれを求める声も多かった。今回はそのファイナルアンサー。エコ化の前にメーカーから、それを叶えておこうという、ある意味〝迎合〟したものだろうか? それとも、これまで我が道を切り拓き、貫いてきたJeepのスピリット(=エコ化への反逆)の表現なのだろうか?

2021 JEEP WRANGLER RUBICON 392

ともあれ、目の前には「スカイオート」が1年越しで輸入を実現した〝ルビコン392〟が鎮座している。同じ北米仕様JLの、ショート・ルビコンを愛車にしている私、レポーターにとっても眩しすぎる存在だが、今回は、そんなJLオーナーの目線から、このルビコン392を検証してみよう。

2021 JEEP WRANGLER RUBICON 392

まずスタイルは、4ドアのいわゆるアンリミテッドに準じている。ただしボンネットデザインは〝Hydro-Guide〟システムを採用した独自のデザイン。北米ルビコンのボンネットはアルミ製だが、392はスチール製だ。またホイールはビードロックとしても使用できる392オリジナル。見た目からも凄みを感じる足もと。ただしLT285/70R17のタイヤ、BFグッドリッチA/T KO2は、ロードレンジCの軽量仕様。このパワーを受け止めるには明らかに役不足なので、どうせならオンロード向けハイパフォーマンスタイヤに交換したいところだ。


そして392=6.4?V8 OHVエンジンに対し、駆動系はセレクトラック4WDを採用。2Hモードはなく、フルタイム4WD&リジッド4WD・Hi&Loモードを備える。Loレンジは、通常のルビコンは4.0という極低速なギア比を持つが、392は2.72。ちなみにファイナル比もルビコンの4.1に対し、392は3.73と、全体にハイギアードな設定。まあ、エンジンの低速トルクが強烈なのでよしとしておこう。トランスミッションは8速ATだが、392にはステアリング部にパドルシフトも追加された。

2021 JEEP WRANGLER RUBICON 392

392ならではの魅力が味わえるのは、始動の瞬間から。始動ボタンを押すと甲高い、それでいて圧力の大きな爆音が周囲に響き渡る。加速ももちろん、直系Jeepのモノではない! わずか数百mのフル加速で、速度は一気に100km/h近く(メーター読みで90マイル/h)にまで達する。ブレーキの効きも、軽いタイヤのせいか、とくに違和感なし。とにかく強烈、豪快、激っ速だ! 足まわりもピシっと引き締まり、乗り心地は良好。ソフトライドというより、懐の深い感じで、操縦性にも節度がある。392には2インチアップコイル+FOXショックアブソーバーが標準だが、これが功を奏している。

さて、このルビコン392。輸入元の「スカイオート」によると、現地でもなかなか手に入らず、プライスも急上昇。今後、なかなか輸入も難しいという。今回の試乗車もすでにSOLD。レアな存在であるだけに、神話になるかもしれない…。

_45I2267_45I2236

チャレンジャーR/Tスキャットパックでおなじみの6.4L V8HEMIエンジンを搭載。470hp/6000rpm&470lb-ft(62.2kg-m)/4300rpmを発揮、0→60mphを4.5秒、0→1/4マイルを13.0秒で駆け抜ける! エアはボンネット先端から取り込むが、ボンネット裏の“Hydro-Guide”はエアを冷やしながら、しかも水とエアを振り分ける仕組み。雨はエンジンに入らないのだ。

_45I2207 _45I2158_45I2163

ボンネットは通常の北米ルビコンではアルミ製になるが、392はスチール製。というのも、エアスクープから以降、裏側が“Hydro-Guide”となっていて、エアを冷やしながらエンジン本体に取り込む。またこのシステムは水を振り分ける機能も持っているので、雨を吸い込んでも、エンジンが水分を吸い込むことがないのだ。

_45I2211

前後バンパーはスチール製が標準。フロントは両端の脱着も可能、日本では一般的に“ ルビコンバンパー”と呼ばれるものだ。牽引フックは通常のルビコンはレッドカラー。392ではブロンズ色となっている。

_45I2197 _45I2277

サスペンションは通常のルビコンより2インチアップした仕様が標準。ショックアブソーバーはFOXの高圧モノチューブ式を組み合わせる。もちろんサスペンション形式自体は前後5リンクのコイル・リジッドで、通常モデルと共通だ。フロントのドライブシャフトホイールの連結部はフルタイム4WDなのでCVジョイント。パートタイム式のクロスジョイント式と比べ耐久性はどおだろうか?

_45I2318

タイヤはBFグッドリッチのオールテレーンLT285/70R17。ただしロードレンジC仕様なので、470hpには少し不安。もっとハイパフォーマンスなタイヤが欲しくなる。ホイールは392オリジナルで、ビードロックも“Capable”、つまり本格オフローディングにも対応する。

_45I2298 _45I2393

マフラーエンドは左右デュアル出し(つまり4本出し)。エキゾーストノートは強烈で、V8サウンドを堪能! ただしパフォーマンスモードのほか、クワイエットモードも装備。状況によって、インパネのスイッチで音を切り替えることが可能だ。しかしクワイエットでも日本の住宅地では……?

_45I2383 _45I2361_45I2357_45I2377_45I2338

インテリアは通常のルビコンと比べても地味な印象。8.4インチモニターのUconnect 4C&アルパインオーディオや392専用レザーシートは標準装備。トランスミッションはパドルシフト付きの8速、セレクトラック4WDは2WDモードはなく、フルタイム4WDorリジッド4WDをセレクト。排気音量はデュアルモードでクワイエットとパフォーマンスを選択可能。

_45I2407_45I2422_45I2402_45I2351

北米仕様の場合、通常のルビコンはファブリックが標準、レザーシートはオプションとなるが、392はオリジナルのステッチ&ロゴが入ったレザー張りが標準。シートヒーターはフロント両席に装備されるが、パワー調整機能は付いていない。リアシートは4対6に分割式で、ラゲッジルームを荷物と乗車人数に合わせて調整可能。このあたりのユーティリティは通常のアンリミテッドと共通だ。


SKYAUTO【スカイオート】

TEL:048-976-1235
HP:https://www.skyauto.co.jp

2021 JEEP WRANGLER RUBICON 392


PHOTO:浅井岳男
TEXT:高坂義信
アメ車マガジン 2022年 2月号掲載

最新記事


2024/10/10

直線基調のロングホイールベースで魅せる【カプリスワゴン】

ステーションワゴン

ビンテージ

シボレー

故きを温ね新しきを知る。いわゆる“温故知新”ということわざがあるが、若者たちのアメ車事情は新しきを知ってから古きを知るという逆転現象も珍しくない。2000年以降に生まれた若者たちを魅了してやまない80's Classicに迫る!

2024/10/09

VW TYPEⅡの対抗馬に相応しいCalでVintageなルックスを継承【フォードエコノライン】

バン

フォード

61年にファルコンをベースに誕生した初代エコノラインは、エンジンを床下にレイアウトしたキャブオーバーワンボックスバン。当時のVWタイプⅡに対抗すべくリリースされたとの噂。その二代目となるのが68年よりモデルチェンジを果たしたこちらの個体だ。

2024/10/08

小さくて個性的なクルマは無い? そうだ、パトリオットがあるじゃないか!【PATRIOTを購入した話】

SUV

ジープ

コラム

軽自動車を愛車にする編集部カズの奥さんが、「軽じゃ友達と遠出できないから違うクルマに乗りたい。小さくて個性的なアメ車って無いの?」との発言からスタートしたクルマ探し。そんなクルマってあったっけ? ガレージジョーカーと話し合いの結果、いいクルマを発見!それがジープ初のコンパクトモデル、パトリオットだ!

2024/10/07

アメ車の偏見を払拭し、本当に好きなクルマに乗る【クライスラー300】

セダン

クライスラー

ユーチューブチャンネルをきっかけにジェットシティを訪れたブラジル人のオーナーさんは、アメ車は欲しいが維持費などに不安があり、国産車のカスタムを依頼する予定だった。しかしジェットシティとの対話から、本当に好きなクルマに乗ることを決断する。

ランキング


2024/10/09

VW TYPEⅡの対抗馬に相応しいCalでVintageなルックスを継承【フォードエコノライン】

バン

フォード

61年にファルコンをベースに誕生した初代エコノラインは、エンジンを床下にレイアウトしたキャブオーバーワンボックスバン。当時のVWタイプⅡに対抗すべくリリースされたとの噂。その二代目となるのが68年よりモデルチェンジを果たしたこちらの個体だ。

2018/02/07

走っているとやけにハンドルがブレる…原因はタイヤ?ホイールバランス?それともブレーキか?【REFRESH PROJECT】

メンテナンス

コラム

走行中に感じた違和感。それはハンドルのブレ。【REFRESH PROJECT】

2024/10/08

小さくて個性的なクルマは無い? そうだ、パトリオットがあるじゃないか!【PATRIOTを購入した話】

SUV

ジープ

コラム

軽自動車を愛車にする編集部カズの奥さんが、「軽じゃ友達と遠出できないから違うクルマに乗りたい。小さくて個性的なアメ車って無いの?」との発言からスタートしたクルマ探し。そんなクルマってあったっけ? ガレージジョーカーと話し合いの結果、いいクルマを発見!それがジープ初のコンパクトモデル、パトリオットだ!

2022/04/08

US日産の巨大ユーティリティバンのNV3500

バン

逆輸入車

2019 Nissan NV Passenger