アメ車特有の魅力といえば、なんといってもホットなV8エンジンによる圧倒的なパフォーマンス!

クーペ

シボレー

アメマガ2022年6月号

カマロ

アメ車に乗れば人生バラ色

車種に関係なく、V8エンジンのポテンシャルをダイレクトに味わうべくマニュアルミッション車にこだわってチョイス。マッスルカーの価格が高騰する中で極めて希少なマニュアル車は低予算ではほぼ絶望的だったが、奇跡の1台に遭遇!

スティックカーだからこそのマッスルカーを操る喜び!!

アメ車に乗れば人生バラ色


1970y CHEVROLET CAMARO

MTの走りを堪能するためエルカミーノからカマロに

アメ車特有の魅力といえば、なんといってもホットなV8エンジンによる圧倒的なパフォーマンス! そのパフォーマンスに特化したのがいわゆるマッスルカー。

 

総合的な運動性能を備えるスポーツカーに対して、ドラッグレースのような一定の条件で最大限の効果を発揮するマッシブな仕様なのがポイント。エンジンの馬力だけで判断すると平均で400hp程度なので、近年のスポーツモデルと比べると、むしろ低めに感じるかもしれない。しかし、スーパースポーツをも凌ぐリッチなトルクと、ショートストロークやハイカムなどによる大排気量らしからぬレスポンスの良さで瞬時に発生するパワー感は、実際にドライブしないと理解できない恐怖レベルの挙動だったりする。

ただし、せっかくホットなエンジンであっても、ノンスリップデフ不採用だったり、ファイナルレシオがハイギアでは、アグレッショブどころかむしろフレンドリー。そして、トランスミッションは圧倒的な割合でATだが、トルクがあればあるほど、マニュアルミッションではそのパワーがダイレクトに伝達される。この体感の差は想像以上で、500hpのAT車よりも300hpのマニュアル車の方がパンチのある挙動を体感できる。その分エンジンブレーキがキツいため、OD無しでは高速は不向きなのが難点。

 

それでもマニュアル車に乗るべく、70年型エルカミーノを手放してアメリカでの物件をネットでサーチ! 輸送コストは抑えられるけど、マニュアル率は低い西海岸で探す中、奇跡的に好条件の70年型カマロを発見できたのだ!

車種や細かな仕様にはこだわらず、マニュアル車の物件を日々くまなくサーチ。底予算なうえ、バリューはどんどん高騰する中、まともに乗れる状態のクルマを見つけるのはかなり厳しい。購入に先立って手放したエルカミーノもそうだったが、ルックス的には多少の凹みもやれた状態でも構わないが、後々困らないように機関はしっかりしていることは重要。現車確認から輸入~登録に関しては、ボンネビル参戦がライフワークでアメリカにもガレージを確保するフォーティエイト渡邉社長にお任せ。オーナーのユウスケさんは、渡邉社長がボンネビル参戦する上で、クルーとして同行する仲なのだ。

 

執念深いサーチの甲斐あって、辿り着いたのはまさかのカマロ!人気モデルなうえ、70~73年のセカンド初期においては最も軽量かつバリューの高い70年型!

 

それだけに、実際の状態が心配されたが、塗装や内装に年式相応のダメージはあるものの機関は良好。現地での長距離移動も自走で難なくクリア。国内で登録するまでには、キャブレターを新調し一般的な整備をした程度。350エンジンはハイカムが投入されてホットな仕様。マニュアルミッションはストックのマンシー製4速。LSDが組み込まれたリアエンドのファイナルギアはクイックな3.73:1。

 

実際の走りも、その仕様に準じたマッシブなポテンシャルをダイレクトに味わえて実に楽しい!車重の軽さや、エンジンのレスポンスの良さを常に体感できるのはスティックカーならではの大きな魅力だ。快適装備はなくとも、マッスルなポテンシャルを存分に楽しめるストリートカーとして本人満足度MAXなのだ!

ボディは凹み、錆、腐りがほとんどないストレートな状態。純正色のペイントはあちこちにダメージはあるものの、年式的にもルックス的にも不満のないレベル。サイドミラーはチープな社外品に変更されているものの、全体的にストックを保持している。スポイラー類を装備しないスタンダード状態がシルエットの美しさを際立たせている。

エンジンは最もポピュラーな350ci。詳細なスペックは不明だが、ハイカムが組まれフィーリングが良い。点火系のアップグレード、インテークやヘダースのアレンジも定番的ながら、パワーとレスポンスがバランス良く発揮されている。トランスミッションは純正採用のマンシー製4速マニュアル。

5スポークスタイルのホイールは、純正のZ-28ラリーホイール。70年代初期のシェビーマッスルを象徴するベストマッチなデザイン。タイヤはフロント:BFG Radial TA P235/60R15、リアはHoosier Quick Time P275/60D15。10ボルトのリアエンドにはLSD&3.73のファイナルギアが組まれている。

車体色と同等のライトブラウン系のインテリアがなんとも70'sアメリカンで素敵! 別体ヘッドレストで高さの低い70年型特有のシートはルックス的にスッキリしている。シフターは純正採用のHurst 製。ハンドルは往年の白玉に変更。

アメリカで探したクルマなだけに、当初は国内発送する前に、カリフォルニアの草ドラッグレースに参戦するつもりだったが、諸々の事情で断念。そんなわけで、日本国内のドラッグレースに参戦。体感としては抜群に気持ち良いマニュアルミッションも、ドラッグレースではATより不利。スティックでのドラッグレースあるあるで、思い通りの走りができず深みにはまる…!

ルックスよりもドライブする楽しさを追求してマニュアトランスミッションありきでアメリカの物件を日々サーチ! その執念深さと幸運で70 年型カマロを射止めたユウスケさん。ドラッグレースにも積極的に参戦し、マニュアルの難しさも痛感しつつ、スティックカーならではのダイレクト感とストリートカーしてのバランスの良さに大満足!!

 

平均的な現代のスポーツカーを凌ぐクイックなダッシュをダイレクトに味わえるのはスティックカーならでは! 往年のリンケージ式シフターによる大きなシフト動作も、マッスルカーならではの醍醐味としてプラスに作用!! クラッチは現代車ではあり得ないほどの重さだし、ブレーキにもサーボは無く、エアコンなどの快適装備がなくても、ドライブの楽しさは最高。現在でも通用するサスペンション、ハンドリングの良さは、流石2nd カマロといったところ!!

owner:YUSUKE


PHOTO&TEXT:石橋秀樹
アメ車マガジン 2022年6月号掲載


関連記事

RELATED


いつまでも走り続けていたい!ロックな人生にアメ車は不可欠

アメ車の魅力に引き込まれ、複数台所有する人も少なくない。でもマッスルカーばかり…と言う人はレアなケースだろう。

【シボレーカマロ】中学生の頃から憧れていた、アメ車に乗ることを決意

ジェットシティのユーチューブチャンネルを見て、ショップを訪れたUSAの虜さん。中学生の頃に見たファイヤーバード・トランザムに衝撃を受けアメ車に興味を持ち、それから数十年の時を経てアメ車に乗ることを決意する。

【シボレーカマロ】オリジナルへのこだわりを棄てることで手にした悦楽

シボレー・カマロといえばアメリカン・マッスルカーの象徴。その誕生は1966年。フォード・マスタングに勝つために生まれたのは有名すぎるストーリー。その初代モデルの中でもSSグレードが、三重県のバーニーズの店頭に並ぶこのクルマである。

普通に快適に乗れるカマロか頑張って乗るマスタングか…

「ヒトもクルマも中身が肝心!」と声を大にして語る東海カーズの細井さん。確かにクルマは乗ってみないと、それぞれのキャラクターが分からない。ということで、同じ1969年型のカマロとマスタングを乗って比較してみよう!

コンディションの高さは折り紙付き特別なカマロIROC-Z

90年代の車両を中心に高品質の車両を扱うガレージジョーカー。近頃入庫したのは、10年前に新車状態に仕上げ販売した89年カマロ・IROC-Zの買い取り車。オーナーが大事に保管していたこともあり、状態は驚くほどハイレベルだ。

 

最新記事


2025/06/20

奥さんに内緒でプチカスタムマフラーエンド交換【PATRIOTを購入した話 ④】

SUV

ジープ

コラム

軽自動車を愛車にする編集部カズの奥さんが、「軽じゃ友達と遠出できないから違うクルマに乗りたい。小さくて個性的なアメ車って無いの?」との発言からスタートしたクルマ探し。数ある候補から購入を決めたのはジープ・パトリオット。基本的にノーマルだが、やっぱりカスタムしたくなってきたのでピットインアクツへGO!

2025/06/18

【ダッジ チャージャー SRT8】アメ車界隈でもスタンス系が盛り上がってほしい

クーペ

ダッジ

スポーティー系からフルサイズトラックまで所有してきたが、一貫しているのはシャコタンスタイルが好きだということ。タンドラをシャコタンフォルムにと計画したものの、それならチャージャーの方がと勧められて理想へと近づける。

2025/06/16

クルマのサビ対策に最適な逸品、電子サビ防止装置「ラストストッパー」

メンテナンス

集中豪雨や台風、そしていよいよ本格化する融雪剤散布シーズンの到来など、クルマにとって過酷な環境である日本。これらが原因で発生したサビはクルマにゆっくりとダメージを与えていくため、サビを発生させないことが何よりの対策だ。科学・化学的に証明された理論を応用して、サビを電子の力で抑制するのがこの「ラストストッパー」なのだ。

2025/06/16

世界No.1のミニカーブランド Hot Wheels「ホットウィール ブールバード」シリーズ

ホビー・雑貨

ランキング


2025/06/20

奥さんに内緒でプチカスタムマフラーエンド交換【PATRIOTを購入した話 ④】

SUV

ジープ

コラム

軽自動車を愛車にする編集部カズの奥さんが、「軽じゃ友達と遠出できないから違うクルマに乗りたい。小さくて個性的なアメ車って無いの?」との発言からスタートしたクルマ探し。数ある候補から購入を決めたのはジープ・パトリオット。基本的にノーマルだが、やっぱりカスタムしたくなってきたのでピットインアクツへGO!

2022/04/08

US日産の巨大ユーティリティバンのNV3500

バン

逆輸入車

2019 Nissan NV Passenger

2025/06/18

【ダッジ チャージャー SRT8】アメ車界隈でもスタンス系が盛り上がってほしい

クーペ

ダッジ

スポーティー系からフルサイズトラックまで所有してきたが、一貫しているのはシャコタンスタイルが好きだということ。タンドラをシャコタンフォルムにと計画したものの、それならチャージャーの方がと勧められて理想へと近づける。

2021/10/13

ライバル達が生産終了するなかエクスプレスは今も現役販売される

バン

シボレー

2017 Chevrolet Express 2500 LONG EXPLORER CONVERSION