新車マスタングシェルビーGT500にはノベルティグッズが付属
2021 FORD MUSTANG SHELBY GT500
フォードで駆けろ!輝きを放つブルーオーバル
一世一代の勝負モデルは不安をよそに速攻で買い手が決まる。
2021 FORD MUSTANG SHELBY GT500
アメリカでは今、新車は上乗せされたプレミアム価格が一般的。1年以上も前から、適正価格でシェルビーGT500を探すカーボックスに、ようやく届いた車両のオファーは想定外のカーボナイズドグレーのGT500。このボディカラーは売れるのか? しかしこの機会を逃すと、GT500は当分仕入れるこは不可能。一世一代の大勝負に出たカーボックスに、朗報はまさかの展開で訪れる。
新車GT500にはノベルティグッズが付属
半導体不足の影響で、日本はもとよりアメリカでの新車製造も滞り、本国ディーラーでは売りたくてもクルマがない状況が続いている。そして、数少ない新車を求め争奪戦が始まることで、ディーラーも強気に金額を上乗せしたプレミアム価格で販売する。こうして、ただでさえ高騰しているアメ車の新車だが、さらに追い打ちを与えているのが円安だ。
2021年春から、シェルビーGT500の導入を模索していた広島のカーボックス。「車両さえあれば、売る自信はある。それぐらい魅力のあるクルマ」。だが、肝心の新車GT500は、前述した要因もあって価格は急騰。当初は自信のあった代表の山西さんも、この最悪ともいえる状況で仕入れることに「価格的に本当に売れるのだろうか」と、二の足を踏んでいた。そんな折、長年取引し信頼ある本国のシッパーから一本のメールが届く。「遂に見つけたぞ!プレミアだが予算内に収まるGT500を。これは間違いなく、全米で一番安い。ボディカラーはカーボナイズドグレーだ」。だが、GT500のイメージカラーといえば、レースレッドやフォードパフォーマンスブルー。
当然、山西さんもその二色に絞っていた為、このオファーには難色を示した。しかし、メールの最後に書かれていた一文を読んで悩むことになる。「希望する装備も装着済み。しかも、GT500のノベルティグッズも揃っている」。GT500のノベルティグッズとは、新車を購入したオーナーに渡される記念品のことだが、付属されることが余り認知されていないため、ディーラーやシッパーがコッソリ拝借してしまう幻のグッズ。山西さんもグッズのことは初耳だったが、そういったグッズをしっかり用意するディーラーなら信頼できると気持ちも傾き、カリフォルニアの太陽の下で撮影されたカーボナイズドグレーのボディも「ゾクゾクするほどカッコよかった」と、仕入れを決断する。
1000万円を軽く超える車両を、在庫として置くことはカーボックスにとっても大きな賭け。「ネット用の写真を撮る手も震えましたよ(笑)」。グレーのボディカラーは、広島の空の下でも神々しく輝き「じっくり見てもらえればチャンスはある」と、願いを込めてネットにアップ。すると次の日、開店準備中に一本の電話が鳴る。「ネットにあるGT500はまだありますか?」。「え? 昨日の夜アップしたので、もちろんありますよ」。「良かった。じゃ、買います」。「え? いやいや、金額も金額ですから一度見てから」。「ずっとGT500のグレーを探していたんです。グッズも揃えているなんて凄いですし、雑誌でいつも取り上げられているカーボックスさんなら現車を見なくても大丈夫。だから、買わせてください」。1年以上全米中を探し仕入れで悩み、何度も深呼吸して入金のボタンを押したグレーのGT500は、こうしてあっさりと、寝て起きたら買い手が決まってしまう。
購入した青山さんは、シェルビーGT350に乗っていた過去があり、その後欧州車に乗っていたが、アメリカンマッスルの迫力が忘れられず、新型GT500を探していたという。ボディカラーも、映画「60セカンズ」でニコラス・ケイジが乗っていたグレーのGT500に憧れてグレーだけを探していたところ、偶然カーボックスにあるのを見つけ、営業開始を待てずに速攻で電話したそうだ。
それぞれの話を聞くと、もしかしたら青山さんの強い思いが、カーボックスにグレーのGT500を引き寄せたのかもしれない。そんな青山さん、現車を見ることなく購入を決めた上に「ウイングの変更やサイドダクト、リアルーバーなんかも装着してください!」と依頼する豪快さ。山西さんは、「アメ車に乗る人って、良い意味で普通じゃない人が多いですね」と笑うが、そんな人が集まるのがカーボックスなのである。
新車のGT500を購入したオーナーに必ず渡される、特別記念品。だが、ディーラーや現地業者が拝借することもあり、受け取っていないオーナーも多いとか。内容は専用工具、歴代GT500カタログなど多数。
5.2L V8スーパーチャージャーを搭載し、公道走行認可最大スペックとなる760hpを発揮。停止状態から時速60マイル(96km/h)は、驚異の3秒半ばとなる。
GT500にはMT仕様が設定されておらず、パドルシフト付きダイヤル型7速デュアルクラッチシステム。カーボンのインパネ、スウェードドアパネル、レカロシート、シェルビー初となる12 インチインパネクラスター、12スピーカーなど、装備もさすがのハイクオリティ。ホイールは20インチ専用フローフォーミングブラックアルミホイールで、ブレーキはブレンボとなる。
Thanks:CARBOX【カーボックス】
TEL:082-815-8448http://www.bs-carbox.jp/
PHOTO&TEXT:相馬一丈
アメ車マガジン 2022年6月号掲載
最新記事
2024/12/14
波乗りは海だけじゃない、バリスティックなら波を待つことなく川でサクッと楽しめる!
多少サーフィンを嗜む筆者。かつてウェイクボードや人口の波で遊ぶサーフィン位は経験したことはあるが、川で波乗りは初体験!アメ車乗りが本気で楽しむべき新感覚のマリンレジャーを体感型で徹底リポート!
2024/12/13
一番可愛いアストロに乗りたいそれが旧マスクのショート
子供が増えるにつれ、手狭になってきた愛車。もっと大きなクルマを探しているなか、目を付けたのがアストロ。なかでも一番可愛いくて惹かれたのが旧マスクのショートボディ。ボロボロだった状態から見事復活させ、最高に可愛いアストロが完成した。
2024/12/12
手に入れたラムバンは世にも珍しい四駆
ネットで何気なく購入した「四駆」のラムバンは、後に世にも珍しいモデルだと知る。これをベースにカスタムしていけば、オンリーワンになれるかも?しかし、素性の知らない足回りの車両を敬遠するショップも多く困り果てた馬場さん。そこで向かった先は…。