-アメカルにまつわるエトセトラ- #29 日米 HERO'S MASK

#29 日米 HERO'S MASK
et cetera about AMERICAN CULTURE -アメカルにまつわるエトセトラ-
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この2年ほどは、様々なエンターテイメントがコロナ禍の影響によって延期や中止を余儀なくされてきましたが、やっと徐々に回復の兆しが見えてきたようです。特に仕込みから撮影、そして編集やプロモーションと、たくさんの人の手と時間を要する映画やテレビプログラムは、幾度もの延期を経た結果、2022年に入ってビッグタイトルが矢継ぎ早に公開。ファンからの嬉しい悲鳴が聞こえています。さて、そんなスーパーヒーローにとって、大切なアイテムが「マスク」。それぞれの属性や特性に応じて様々なスタイルを持っているスーパーヒーローたちですが、今回はそのマスクについて考えてみました。
例えば…最古のアメリカンスーパーヒーローといえば1938年に誕生したスーパーマンですが、彼はマスクをしていません。逆に通常時に眼鏡をかけることで活躍モードとの違いを現しています。それではマスクがトレードマークとなったキャラクターはというと、1920年にスクリーンデビューした「The Mark of Zorro」が最古かと思われます。ちなみに…近年ではアントニオ・バンデラス主演の「The Mask of Zorro」が有名ですが、初代のタイトルは「Mask」ではなく「Mark」。ゾロがサーベルで記す「Z」のサインを意味しています。義賊な彼は黒いスカーフで顔を半分覆い、身分を隠して活躍します。
その直後に登場した「ローンレンジャー」は、もっと簡略化した(目の周りだけを覆う)ドミノタイプのマスクを装着しており、その姿は後にヒーローアイコンの原型になっています。そのデザインを拡大してキャラクター性を持たせたのがバットマンやキャットウーマンなど。また、匿名性は必要ないものの系譜としては同系なのがキャプテンアメリカ。さらに、変わり種としては高貴な囚人の身分を隠すために用いられた鉄仮面が「アイアンマン」のマスクのベースとなっているのは興味深いところです。
それでは我らが日本はというと、顔を覆うキャラクターの出発点が「忍者」ですから、ドミノマスクとは逆に「鞍馬天狗」のように目の周辺以外を覆うタイプが原形だったように思います。その他、実在の人物をベースとする「ハリマオ」では、ターバンと大型サングラスが一種のマスクスタイルに、そしてその進化系が月光仮面といっても過言ではないでしょう。しかし、子供向けプログラムたった日本のヒーローは、異星人や正体不明なキャラクターを前面にしたナショナルキッドや七色仮面など、人知を超えた存在として進化し続け、「仮面ライダー」で和製マスクド・ヒーローは完成したと言えるでしょう。
元々仮面には、「匿名性」と「憑依によって神格を宿す」という2つの意味があるといわれていますが、超人や神をヒーローとする米国は前者、変身がキーワードである日本では後者が多いように思えるのです。
TEXT & ILLUSTRATION : JIN HATTA
アメ車マガジン 2022年8月号掲載
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