-アメカルにまつわるエトセトラ- #31 大いなる力には…?
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マーベル・シネマティック・ユニバース(以下МCU)やDCエクステンデッド・ユニバース(以下DCEU)によってスーパーヒーローの物語がマニアだけではなくなった昨今ですが、そんな風潮を逆手にとった(?)のが今回ご紹介する「ザ・ボーイズ」です。
前出の2シリーズも、原作が誕生した数十年前のようなスーパーヒーローによる単純な勧善懲悪モノではなくなっているのはご存知の通り。例えばDCEUでは、スーパーマンと宿敵ゾッド将軍との市街戦で多くの犠牲者を出してしまったことでバットマンとスーパーマンの間に確執が生まれます(バットマンvsスーパーマン/ジャスティスの誕生)。
またМCUでは、暴走した人工知能ウルトロンとアベンジャーズのバトルで街一つが破壊され、アベンジャーズの行動を制限する〝ソコビア協定〟誕生のキッカケとなります(アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン)。実際、巨大なパワーであればあるほど、対戦相手以外にも甚大な影響を与えることは子供でも分かりますが、そこをあえて見せることで物語にリアリティが生まれます。
しかし、リアリティを突き詰めて考えると疑問が浮かびます。「スーパーパワーの持ち主ってみんながみんな良い人なの?」と。その問いに対しては、例えばスパイダーマンではベンおじさんの「大いなる力には、大いなる責任が伴う」という遺言がスパイダーマンを律しますが、俗人らしいマインドとスーパーパワーを併せ持ってしまったのが「ザ・ボーイズ」の超人達です。
ザ・ボーイズの世界では、超人たちは「ヴォート・インターナショナル」という巨大企業に属し、人助けから時には特殊兵器として活動しており、その影響力は母国である米政府からも一目置かれているほど。
そして、超人の中でも人気実力共に認められている7人が「セブン」としてその頂点に君臨しているのですが、内実は崇高なヒーローイメージとは程遠い俗人…どころか、私利私欲や自らの名誉ためには簡単に人の命を奪うゲスばかり。そんな彼らのなかでも飛びぬけて強力かつゲスなのがセブンのリーダーでもある「ホームランダー」です。
ブルーのコスチュームにマントという姿からしてスーパーマンをベースにしているのは想像に難しくないのですが、その中身はスーパーヒーローの鏡ともいえる彼とは真逆。自らの保身のためにはチームメイトといえど全く顧みない、ある意味での潔さは気持ちよいほど。実際、話が進むにつれて深みを増していくホームランダーのキャラクターは、主人公であるザ・ボーイズ(セブンと敵対する超能力を持たない男たち)の面々を差し置いてファン急増。
2022年春に配信開始された3期で彼の出生の秘密も明かされ、面白みにますます拍車がかかった「ザ・ボーイズ」。Amazonプライムで配信されていますのでよろしかったらぜひ。(お子様とご覧になるのはお勧めしません笑)
TEXT & ILLUSTRATION : JIN HATTA
アメ車マガジン 2022年10月号掲載
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