-フリースタイルで行こう!- #28 やっぱりホットウィールが好き!

コラム

アメマガ2022年10月号

フリースタイルで行こう

#28 やっぱりホットウィールが好き!

-フリースタイルで行こう-


フリースタイルで行こう!
#28 やっぱりホットウィールが好き!

無数のブランドからハイペースでリリースされる小スケールダイキャストカー。そのクオリティの向上やバリエーションの拡大など、業界全体で魅力が高まる中、「Hot Wheels」の素晴らしさを再確認!

時間の経過とともに魅力が深まったりするのがホットウィール、クルマが好きなら愛さずにはいられないのです!

アナログなダイキャストカーにおいても、設計、製造の面でデジタル化が進む中、リリースされるモデルのクオリティは高くなるし、ラインナップされるバリエーションの幅も種類もどんどん拡張するし、リリースのペースも早いしで、世界的にファン層も広がっている感じ。スマホを通してタイムリーに情報が得られるし、入手する手段も増えているだけに、以前に増してダイキャストカーは身近になっています。魅力的なものが沢山リリースされるのは嬉しいことですし、それによってファンが増えることで楽しさも広がったり。

 

それにしても、近年は新製品がリリースされるペースが早すぎ&多すぎるので何かと大変です…。把握するだけでも大変だし、コレクションするのが苦しくなるほどのリリースラッシュ。アダルトコレクターに的を絞った車種選択&クオリティや、かゆい所に手が届くマニアックなバリエーション展開などで人気急上昇ブランドのM2だけに限定しても、なかなかのボリーム。ムーンアイズのカラーリングのバリエーションだけに絞り込んでも、新作がどしどしリリースされるので、コンプリートするとなると大変。欲しいものを全て入手できるのが理想かもしれないけれど、チョイスすることでコレクションにその人の趣味が反映されて魅力が深まったり、愛着が湧いたりします。

 

そんなワケで、新たな製品がリリースされる度に吟味を繰り返すのですが、吟味すればするほど、ホットウィール(HW)に行き着いてしまうのです! 最近のダイキャストは、実車のトレンドがタイムリーに反映されたり、ダブルネームやコラボによる魅力的なバリエーションなど、ユーザーの急所を突いたアプローチを展開するので、とにかく平均点の高いアイテムばかり。それだけにアナウンスの段階で即買い決定といった感じ。ところが、時間が経つと熱が冷める感じ。

 

それに対してHWは、基本的に走らせて遊ぶTOYなだけに、いわゆるスケールモデルのような精巧な造りではなく、オモチャ然としているのですが、時間の経過とともに魅力が深まったりするのです。映画関連など同等のテーマやアプローチの製品が多数のブランドからリリースされているだけに、各ブランドの魅力もフォーカスされるのですが、個人的には結局HWに惹かれるのです。

 

そして、同じHWの中でも、同じ車種や同じスタイルの製品がリリースされるケースが増えていますが、古いモデルには特有の味わい深さがあるし、最新のモデルで現代版ならではのクオリティの良さがあったりで、それぞれに魅力があってどうにもならない感じ!好みは人それぞれではありますが、とにかくHWのデザイナーは、クルマを知り尽くしたプロフェッショナル軍団であるうえに、自身が欲しいと思うものをデザインするというスタンスがポイント。1968年のデビュー当時から同じスタンスでダイキャストブランド世界一を保持しているんだから素晴らしい! クルマが好きならHWを愛さずにはいられないのです!


'68 Plymouth Hemi Cuda/Dragstrip Demons[2009]
'68 Plymouth Barracuda Formula S/Muscle Mania 2021
'68 Plymouth Barracuda Formula S /2014 HW Workshop: Muscle Mania

Barracuda

1968年当時からドラッグとストリートとでラインナップされたり、復刻版やら謎のニューツール、そしてこの現代版ではノッチバッククーペまでラインナップ。同じ車種でもたくさんのキャストが存在するので、それぞれの魅力が楽しめる。かつては好みじゃなかったノッチバックの実車が最近本気で欲しいと思うように。このHWのプロポーションが理想的。それもそのはず、デザイナーは同型の実車を愛車に持つMopar & Dragraceの大ファンのPリールマンが担当!

 

'72 Ford Gran Torino Sport Fast & Furious 5-Pack [2019]
'61 Impala Fast & Furious 5-Pack [2019]

Fast & Furious

いわゆる“ワイスピ” 関連は大量にリリースされてますが、精巧でリッチな仕様よりもベーシックの5 パックとが愛せます。とはいえ、全体のプロポーションもディテールも完璧! 劇中車では71GTXの次にこの2台がお気に入り。

 

1978 Dodge Li’l Red Express Truck/Classic Pickups Collector Set [2022]
Texas Drive’Em/Classic Pickups Collector Set [2022]

Classic Pickups

最近異常なほどの人気で盛り上がっている70年代のフルサイズトラックですが、スラムドなどのカスタムが主流の中、ストック然としてバタ臭いアプローチがHWにマッチして愛せる。セット物ならではのディテールの良さもも◎!

 

'56 Ford Truck/First Editions [1999]
'56 Ford Truck/World of Wheels [2000 ]
'56 Ford Truck/Custom

Pumpkin

パンプキンこと56年型F100が大好物でして、HWでは77年版の'56 Hi-Tail Haulerこそオモチャっぽくて好み。そこで、90年代版のパネルを切り詰めるなどセルフでカスタムしてみたり。これを複製してバリエーション展開したいのですが…。

 

'96 Chevrolet Impala SS/Nightburnerz [2020]
'91 GMC Syclone/HW Hot Trucks [2020 ]
'99 Ford F-150 SVT Lightning/HW Hot Trucks [2020]

HOT '90s

実車では90年代のモデルがビンテージとして人気となってバリューも高騰中。そんな中で時代を象徴するHotなモデルとしてリリースされた3台。オモチャ然としながらも特徴をとらえたいかにもHWらしい作りが◎!

 

HEMI Cuda Snake Funnycar/FAO Schwarz History of Hot Wheels Racing III [1997]
HEMI Duster Mongoose Funnycar/Great V-8's 3 Car Set Target Exclusive 1997

Snake & Mongoose

企業として初めてHWがファニーカーのスポンサーをしたことでも伝説的な存在となったHWと同義語ともいえるファニーカー。この2台はそれぞれ別々の会社による別注品にもかかわらず、Moparのカラースキムを意識したセット物のような相性の良さ!

 

'82 Dodge Rampage/HW Hot Trucks [2021]
Dodge Rampage/Real Riders [1984]
Omni 024/Mainline [1983]

Mopar L-body

実車では90年代のモデルがビンテージとして人気となってバリューも高騰中。そんな中で時代を象徴するHotなモデルとしてリリースされた3台。オモチャ然としながらも特徴をとらえたいかにもHWらしい作りが◎!


★石橋秀樹:アメリカンホビーショップ「ホットワイヤー」の店主であり、フリーペーパー「イグナイト」の編集人、そしてアメ車マガジンでもライターを行なうなど、アメカルに関する偉人(変人)である。人生は肩ひじはらずに「フリースタイル」なのが信条。


アメ車マガジン 2022年10月号掲載


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