誰とも被らない個性派、その選択が旧車道楽の醍醐味【ポンティアックグランプリ】
92年型のファイヤーバード・トランザムを8年愛用した後に、ポンティアック信者の集大成として3年前に購入した69年型のグランプリ。丸目4灯は68、69のわずか2年間のみ採用された激レアフェイスであり、入手困難と言われる珍しい個体だ。日本に数台いるかいないかの希少車でありながらも、通勤からイベント参戦までデイリーユースに徹する強者に迫る!
AMERICAN VINTAGE
ファイヤーバード・トランザムからさらにディープな領域へ
'69 PONTIAC GRAND PRIX
若かりし頃はC-1500でアメ車ライフを謳歌していたむらぴーさんが、マッスルカーに興味を示したのは11年ほど前。当時ハイウェイを気持ちよく流していると、速さ自慢の日本車に軽く追い抜かれることがしばしば。トラックだから仕方ないかと思いつつも度々そんなシーンに出くわしている中で、勝ち負けじゃないけどたまには逆に追い抜ける様なポテンシャルの高いアメ車に乗って見たくなったのがキッカケだった。

しかし流行りのモデルはあまり気分じゃないだけに、カマロやマスタング、チャレンジャーなどは選択肢になかった。そこでマニアックなポンティアックで検索すると、どストライクなグランプリを発見!
物件情報サイトで見つけて即座に問い合わせるも既に売約済となっていたことで、92年型のファイヤーバードGTAを購入したと言う。購入から着々とイメージするスタイルへと近づけるべく構想は膨らみ、バート・レイノルズが乗っていた79年型のテールレンズをスワップするなどマニアックなカスタムでナイトミーティングやイベントに参加すると、同じ趣味を持つ仲間と意気投合。同年代のカマロ乗りたちと一緒にツーリングに参加するなど、アメ車道楽は瞬く間に彼のライフスタイルの主軸となった。

だが、グランプリへの憧れは収まるどころか高まるばかり。そんな折、何気なく検索していると関東に1台販売車両として出ていることを知って即連絡。8年の時を経て念願のグランプリオーナーの夢が叶った。乗り出してからまだ3年程と浅いが、丸目4灯の存在感を強調すべくバイク用の5.75インチヘッドライトを4つ購入して加工装着。
イカリングは気分じゃないからとデザイン重視で選んだバイク用は光り方も独特で怪しげなフェイス周りの印象をよりディープに演出する。また、12JのファットなリアボトムはFRP造形でワイド化されたフェンダーの甲斐もあってシンデレラフィット。そのリアフォルムをよりマッスルかつワイルドに魅せるワンオフマフラーは、ホーシングアンダーを通してV字に両サイドへとレイアウトするなど、着々と自分色へ染めてゆく。

ちなみに撮影当日は生憎の雨だったが、撮影前に「タオルで拭きますか?」とう伺うと、「自分でオールペイントしたソリッドブラックに傷を付けたくないのでそのまま撮りましょう!」との返事。コットン100%の専用ウエスでしか拭き取らない徹底ぶりは、彼が如何にこのグランプリを愛しているかの表れでもある。
凡人では理解できない領域にまでドライバーを魅了する、ある種の中毒性をも覚えてしまうのが激レアビンテージマッスルの世界観。スマホの機種変更感覚で次々乗り換える昨今のカーカルチャーとは真逆の価値観もまた、旧車道楽の醍醐味と言えるだろう。

コルベットC3と同様の5.75インチヘッドライト。7インチ汎用品は多数出回っているが一回り小さなヘッドライトの社外品はあまり多くない。そこでバイク用のヘッドライトを流用して近未来的な怪しい灯を4灯ヘッドライトへ導入。オレンジの一本ラインと光量強めの眼力に大きく張り出しエッジの効いたグリル一体式クロームバンパーも相まって超個性的。


エンジンはオリジナルの6.6ℓをベースに、エーデルブロックのキャブやその他、消耗部品一式を交換して好調をキープ。マフラーはチェリーボムを皮切りにエギゾーストパイプを長くレイアウトすべくホーシングアンダーを通してフィニッシュ。295/55R15のボリューム感に相応しいリアエンドとなる。


センターコンソールを開けると水温、油圧、電圧などのメーター類がインストールされており、Aピラーにタコメーターを配置。ステアリングやオーディオの換装以外はオリジナルのインテリアをストックする。現状ローダウンサスが入っているが、今後は車高調に変更して、理想の乗り味を追求していきたいという。

OWNER:むらぴー
PHOTO&TEXT:石井秋良
アメ車マガジン 2023年4月号掲載
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