カスタムだけでは留まらないジェットシティのカマロ愛
広島のジェットシティが得意とするのがシボレー・カマロ。個性的なカスタムばかりにスポットが浴びるが、高度なレストア技術も見逃せない。本国に密かに69カマロをストックしており、新車同然の状態に仕上げることも可能。
AMERICAN VINTAGE
カマロに精通するジェット新品パーツの入手も可能
'69 CHEVROLET CAMARO SS
アメリカのSEMAショーに、日本の匠の技術を注入したマスタングを持ち込んだことから、マスタングカスタムのイメージが強くなった広島のジェットシティ。しかし、代表がアメ車の道に進むキッカケとなったのが3rdカマロと言うように、創業当時からシボレー・カマロは特別な存在。これまで第5・6世代のカマロをベースにカスタムを施したモデルは数知れず、コロナの影響で頓挫してしまったが、当初SEMAショーデビューはカマロが最有力だった。
とはいえ、そうしたショップのカマロ愛は、どうしても個性的なカスタムで話題を呼びスポットを浴びやすい。だがジェットシティでは、初代カマロをコツコツとストック状態に仕上げるレストアも行なっている。そのレストア技術は広島でも指折りで、他店からの依頼で国産旧車のレストアも行なっているほど。
仕上がったのは、69年型カマロ・SS。67年に登場した初代カマロは、先立って登場したマスタングの成功に刺激されたシボレーが、満を持して送り込んだモデル。ファイヤーバードと同じFボディフレームを採用し、マスタング同様にボディは2ドアクーペとコンバーチブルのみとし、パーソナルユースを前面に押し出した、スペシャリティスポーツモデルとして販売された。グレードはZ28、SS、RSの3種類。SSには、396(6.5ℓ)エンジンという強力ビッグブロックを搭載したモデルもあるなど、パフォーマンス性ではライバルマスタングを凌駕。
なお、今回のモデルは327(5.4ℓ)V8を搭載。68年にはマイナーチェンジがされ、フェイスチェンジや三角窓の廃止。69年型でも再びマイナーチェンジがされ、全長・全幅の拡大、グリル、ボディプレスライン変更や、フェンダーアーチが半円形の弧型からやや水平に変更された。翌70年には第二世代カマロと移ることで、洗練された69年型の人気は日本やアメリカでも非常に高い。
実はこのカマロ、厳密に言えばジェットシティでフルレストアされたものではなく、「今すぐ69カマロが欲しい」というユーザーのオーダーにより、国内でフレームオフでレストア中の車両を仕入れ、同ショップでエンジン調整や足回りなどを仕上げたもの。
そして驚くことに、「納期に余裕があれば、アメリカにストックする69を持ってきたんですが…」と、アメリカの協力店に69カマロが2台ストックされていると言う。それは、代表がアメリカ滞在中に保有するオーナーと直接交渉して手に入れたものだとか。これはつまり、今後「69カマロが欲しい」と言うオーナーに対し、すぐに車両を手配できることを意味する。新品パーツを入手するルートもあるため、69カマロの車体、新品パーツ、レストア技術が揃うジェットシティで検討しない手はないだろう。
ファーストカマロのなかでも、ボディラインがブラッシュアップされた69年型を求めるユーザーは多い。ボディが大きくなり、グリル、ボディサイドのプレスライン変更、フェンダーアーチの丸みがやや直線的になっているのが69年型の特徴。
パネル類に大きなダメージもなく、シートやルーフ、フロアカーペットまでも張り替えられ美しい状態を見せる。カマロはアメリカを代表するモデルだけに、ネジ1本から新品パーツは未だ販売され、新車同然に仕上げることが可能。そうしたパーツを、ジェットシティでは独自のルートによって取り寄せることができる。
SS(スーパースポーツ)の基本エンジンタイプはV8・350(5.7ℓ)と396(6.5 ℓ)。ただし69 年型は11 種類のエンジンタイプを選ぶことができ、今回のモデルは327(5.4 ℓ)。冷却系・点火系など強化され、ストック以上に安定したパフォーマンスを発揮。
THANKS:JETCITY
TEL:082-820-0377
http://carshop-jetcity.com
PHOTO&TEXT:相馬一丈
アメ車マガジン 2023年4月号掲載
最新記事
2024/05/17
父から譲り受けたアストロが兄弟の絆を深めていく
父が大事に所有していたアストロを、18才の時に譲り受けた弟さん。そして、楽しそうにカスタムに励んでいく弟の姿を、羨ましそうに見ていたのがお兄さんだ。「俺もアストロが欲しい…」。我慢できずに即決し、アストロ兄弟としてお互いにカスタムに没頭中!
2024/05/16
ゆったりと景色を眺め馴染みながら走らせる大人のワゴン【1962 インパラ ワゴン】
ホワイトウォールに5スポークのクレーガーを組み合わせたボトムスとクリーンなホワイトボディ。そして塗装を加えたルーフのコントラストが美しい62年型のインパラワゴン。ビレットやワイヤーホイールを履いて魅せるショーカー的なインパラとは一線を画し、古き良き時代のアメリカを色濃く感じさせる佇まいは大人の嗜みとして最良の選択。
2024/05/15
SUVが小さく見える、本気のモーターホーム【2022 TIFFIN ALLEGRO BREEZE 33BR】
アメ車の専門店は全国にあるが、バスの様なモーターホームを扱うのは、熊本のワッツ以外にないのでは?代表の村上さんは「他店にはない個性」を追求した結果と語るが、全国から問い合わせが後を絶たないそうだ。