【C1500 454SS】たかが230馬力?454SSの凄さは決して数値じゃ表せない
4年間の限定生産だったこともあり、もはや絶滅危惧種となっている、90年代を代表するハイパフォーマンストラックC1500・454SS。小さなボディに7.4ℓのビッグブロックを搭載した破壊力は、230馬力という数値だけでは決して表せない魅力がある。
やっぱりGMが最高
前オーナーは管理ユーザー、コンディションはお墨付き
'90 CHEVROLET C1500 454SS
SRT8に始まり、ヘルキャットやデーモンなど、ハイパフォーマンスといえばチャレンジャーを中心とするモパーのイメージが強い。だが、シボレーにもハイパフォーマンスモデルがあることを忘れてはいけない。それがSS(スーパースポーツ)だ。SSバッチが与えられるモデルは、単にカマロなどのスポーツモデルが対象ではなく、SUVのトレイルブレイザーにも設定され、伝説のトラックと呼ばれるC1500・454SSもその一台だ。
改めてベースとなるC1500をおさらいすると、C1500は1960年から発売するC/Kトラックの第4世代。CとはRWDシャシー、KとはAWDシャシーのことで、数字はトラックベッドの大きさを表しているのだが、第4世代にモデルチェンジした88年型から1500・2500・3500と呼ぶ積載量表記に変わっている。なお1500は1/2トン。
88年からは、キャビンもレギュラー・エクステンド・クルーに分かれ、ベッドもショート・ロングがあり、ステップサイドもオプション設定されている。グレードはワークトラック・シャイアン・シルバラードがあり、グレードによりエンジンタイプも4.3ℓV6、5.0ℓ/5.7ℓ/7.4ℓV8、6.5ℓディーゼルも設定する。つまり組み合わせ次第で、名前は同じC1500でも多くのバリエーションがあるのだ。その中のトップエンジンである7.4ℓを搭載するモデルこそが、454SSの称号を得る。しかも90~94年だけの限定生産であることから、アメ車ブームが起きた2000年代初頭での454SSに対する崇拝ぶりは桁違いだった。
そんな454SSも、現在販売している車両は限りなく少ない。その貴重な一台がガレージジョーカーで販売中だ。年式は90年で、454SSが一番多く生産された年。ボディはローダウンされリアロールパンに変更されているが、94年型以降のグリルに変更されたモデルが多い中、フラットタイプのオリジナルグリルが残されている。通常ベッドは鉄板むき出しだが、ベッドライナーが備わり使い勝手も高い。なお、純正ですら豪快なマフラー音を奏でるのだが、チェリーボムに変更していることで刺激は倍増している。
気になる機関系の状態だが、前オーナーはガレージジョーカーでメンテナンスを行なっていたショップの管理ユーザーで、これまでの交換済みの消耗品は把握済み。今後交換が必要になる消耗品のアドバイスもしっかり行ってくれるので安心だ。
久々にハンドルを握った454SSは、音はもちろん、エンジンの振動にも興奮する。馬力はたかが230hp。だが、数値では決して表すことができないワクワク感を味わえるのが、伝説と言われる454SSの魅了なのだ。
454SSを含めて、93年型までのC/Kモデルのグリルセンターのクロスバーは、グリルとフラットのデザイン。94年型から盛り上がったデザインに変更されている。93年型までのC/K モデルに、後期型グリルを移植しているモデルも多いが、今回のモデルはオリジナルグリル。
オリジナルのブラックボディカラーを維持するとあって、454SSのロゴもしっかり残されている。このロゴも初期型と後期型でデザインに違いがある。なお、ガレージジョーカーでは新品ロゴを取り寄せ可能。オリジナルから変更されている部分は、リアロールパン、ローダウン、チェリーボム、ベッドライナー装着。
ホイールは90年代王道のバセットレーシングの15インチを履く。タイヤはホワイトレターのNATIONAL XT RENEGADE。フロントタイヤはステアリング操作性を考え純正よりサイズダウン。(F235/60R/15・R275/ 60R/ 15)。
積載量が小さいC1500に、2500・3500に設定されている7.4ℓV8エンジンを搭載する454SS。90年型の最高出力は230hpで、それ以降のモデルでは改良されて255hpを発揮する。因みに一般的な5.7ℓV8エンジンは160hp。
エンジンこそ化け物だが、インテリアはスタンダードのC1500。ガーネットカラーが454SSの特徴。レカロステアリングに変更され、オートメータータコメーターが追加されている。
撮影した454SSは、ロックバンドFo'xTails のMV「アトリア」で劇中車として使われている。さらには、ガレージジョーカー代表の小川氏も登場しているので要チェックだ。
GARAGE JOKER【ガレージジョーカー】
TEL:0479-25-7740
https://www.garage-joker.com
PHOTO&TEXT:相馬一丈
アメ車マガジン 2023年6月号掲載
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