ツートンボディのK1500はオリジナル志向で乗りこなす
ポストスクエアボディとして近年人気のOBS。C/Kシリーズの中で圧倒的に人気なのはCで、Kはどちらかと言えばかなりマニアックなキャラクターだったと言える。しかし四半世紀の時を経て見たソレは、妙に魅力的な個体へと昇格していた。
やっぱりGMが最高
ノーマルがカッコ悪いとされた現役時代とは異なる価値観
'95 CHEVROLET K-1500 SILVERADO 4x4
90年代を代表するアメ車の大本命としてアストロ、C/K、カプリスは定番中の定番とされており、当時はホイールにステアリング、アンテナにエアコンスイッチ、コラムシフトにメーターパネルなど、とにかく各部にビレットを用いたカスタムカーが数多くそれらがシーンを盛り上げてきた。ノーマルで乗るなんてナンセンス。そんな風潮さえ感じさせるくらい日本国内を走るこの手のアメ車はローダウンして走らせるか、リフトアップするかの二択がセオリーだったと言っても過言ではない。
あれから20年、今現役で街を走る当時のC/KはOBSと呼ばれて親しまれ、若い世代からは旧車的な捉え方で人気を博している。中には当時らしいカスタムを好む強者もいるが、逆にフルオリジナルこそ粋と、あえてノーマル志向を好むユーザー層も増加傾向。そこでオススメしたいのが京都のBPCが在庫しているK1500。
ティールグリーンをベースにしたオリジナル塗装のツートンボディにノーマル車高、ノーマルホイールと特にカスタムアピールがある個体ではないがゆえ「何にもカスタムしてないのに載せてもらっていいんですか?」なんて声が出る始末。いや、むしろその飾らないナチュラルな雰囲気、そしてカリフォルニア1オーナーという本国オーナーが長年大事にしてきたであろうコンディションの良さこそ、称賛すべき個体と半ば強引に誌面に登場させた次第だ。
専らOBSと呼ばれて人気を博すモデルは2WDのロワードフォルムが主流ではあるものの、あえてK1500を純正車高でサラッと乗りこなすなんてオシャレじゃないだろうか。オリジナル塗装のツートンボディも当時らしい配色で実に好印象。ニッチなアメ車フリークにしか響かないかもしれないが、それもまたご愛嬌。ちょっと癖のあるアメ車に乗りたいコアな読者たちにぜひおススメしたい個体である。
クリスタルヘッドライトやクリアコーナーレンズも安価になった昨今、交換することは簡単だけど純正を維持することの方が価値がある。そうした捉え方でバグガードの追加程度に抑えたフェイスも新車当時を知らない若者たちにとってみれば価値のある代物。
フルサイズのレギュラーキャブは車幅の大きな軽トラ感覚で乗るのがベター。カスタムベースとして着飾るのも悪くないが、あえてオリジナル志向で純正ホイールのまま乗りこなすのが粋。ゲートパネルのCHEVROLET ロゴや4×4のデカールもそのままがベター!
TBIかVOLTECか?どちらのエンジンも素晴らしくどっちを選んでも正解であることは間違いないが、95年モデルのみインテリアは新しいのにエンジンは94年モデルまでと同じというマニアックな組み合わせとなり、マニアの間では貴重な個体。キャブ車のフィーリングに近いインジェクションが好みの方にはぜひTBIをオススメしたい。
助手席側にエアバックが追加される前の本国モデルは大きく分けて95年型のTBI最終か96年型のVORTEC初期モデルの2択。こちらは旧車的なドライビングフィールを色濃く感じさせるTBIエンジン搭載でインパネ周りは新しい95年型。フロントベンチで3人乗車が可能だ。
B.P.C コガ・コーポレーション
所在地:京都府久世郡久御山町久世郡森川端4-1
TEL:075-204-1216
URL:https://bpc-kyoto.com/
PHOTO&TEXT:石井秋良
アメ車マガジン 2023年6月号掲載
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