【1963 シボレー インパラ ワゴン】長年6連テールに憧れ続けて、やっと手に入れた宝物
20代で欲しいモノ、30代でやりたいこと…人生の節目節目で何かしらの目標や夢を持つことで、生き甲斐や仕事にも張り合いができるもの。彼の場合はこの63年型インパラワゴンが40代のお宝だった。
AMERICAN VINTAGE
カスタムカルチャーの最前線を経験したからこその余裕
1963 CHEVROLET IMPALA WAGON
HISASHIさんは、DUB30インチのビッグリムを装着したゴールドフレークのF-150を所有し、当時の最先端カスタムカルチャーを惜しみなく導入したスタイルは筆者の頭に鮮明に残っている。それから13年、現在はインパラワゴンを所有。40代の節目に購入してから10年間、それこそ国道のど真ん中で突然エンジンストールして、偶然そばを通ったパトカーに声をかけて一緒に押してもらった経験や、炎天下にクーラーのない車内を扇風機で過ごす経験など、旧車ならではの苦楽を共にしてきたが、なぜかそんなトラブルも笑って話せる心の余裕みたいなものを感じる。

それはクルマのイジり方からも伝わってくるから不思議だ。ビッグリムとはまるで真逆のサプリウム15インチはリム部分をボディ同色にアレンジして、エンジンは魅せるためのビジュアル重視から一転、とにかく調子よく乗れる仕様を徹底するなど、どこか大人らしい雰囲気。ちなみに純正ライクなボディカラーも実は初代プリウス純正色のアクアブルーメタリックを採用。ビッグリムにゴールドフレークだった30代とは異なるスタンスが、年齢と共に落ち着いた印象を色濃く感じさせる。

とはいえ、シフターのゴールドフレークや、エアサスの操作をハイドロスイッチで行ない、サロペでアレンジしたロックフォードパンチのウーファーなど、1990年代のカスタムカルチャーど真ん中世代ならではのスタイルもサラッと取り入れている点が、同年代の心に刺さる。そう言えば60代、70代のアメ車乗りの先輩たちは口を揃えてこう話す。「若いうちに乗りたいクルマに乗っとかないと後悔するよ」と。その意味がなんとなく分かりだすのが40代。旧車の価格も高騰の一途を辿る昨今だからこそ、またいつかではなく、決断は早ければ早い方がマストと言えるだろう。

ワゴンならではのテールゲートの造形美は、ローライダーなインパラとはまた異なる魅力を放つ。お気に入りのステッカーコレクションは終わりが見えなくなりそうだったので三角でバランス良くレイアウトできた時点でストップ。

このセンスの良い貼り方一つ見てもオーナーのこだわりが伝わってくる。クロームの状態も非常にクリーンで、リムのみ同色にアレンジしたサプリウムと車高具合はパーフェクトフォルム。


283ciの4.6ℓ V8エンジンを搭載。購入してからエアクリーナーを10インチの小型タイプへ換装。ワンオフで蛇腹を介してエアを導入することでコンディションを整えるなど、10年間所有するなかで様々な対策を講じている。CAR SHOWでエンジンを魅せる仕様よりも、とにかく普通に乗れることが最優先。


オリジナル志向のインテリアは、室内色が全塗装したアクアブルーメタリックと絶妙にマッチしており、全体的なカラーコントラストが実にナチュラルな印象。

リアラゲッジスペースを犠牲にしないように3独エアサスをフロア下に格納し、ロックフォードパンチのウーファーボックスと共にサロペでアレンジ。

ちらっと見えるシフターのゴールドフレークが、過去の愛車とリンクして感慨深い。

自宅ガレージはインパラを迎え入れてからコツコツと仕上げてきた。「好きなモノは好きな場所へ集める」といったどこかで聞いた名言通り、お気に入りのアメリカン雑貨や、スワップミートでゲットしたお宝を飾り、好きなクルマとモノに囲まれた空間を徹底。とくにどこかへ走る用事もなくガレージでエンジンをかけて、ただただ運転席に座って過ごす時間も至福の時だ。

OWNER:HISASHI さん
PHOTO&TEXT:石井秋良
アメ車マガジン2026年6月号掲載
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