人気のフォードF-150ラプターへGMが放つ刺客となるのか? GMC Sierra All Terrain X

GMのフルサイズピックアップトラックにはまだそのような動きが見られていなかったのだが、今回のGMCシエラ・オールテレーンXのデビューは、そうした試みの第一歩となるものではないか。
マッチョ指向の強いオフロード・トラック
アメリカ国内において、ピックアップトラックは男子の憧れの対象である。映画「バック・ツー・ザ・フューチャー」のマーティ・マクフライを持ち出すまでもなく、今もチカラが正義というフロンティア精神が受け継がれているアメリカでは、男として生まれた者は誰もが多少なりともマッチョ指向を持っているのだ。
そうしたチカラへの指向を満足させてくれるのがピックアップトラックというわけなのだ。同じピックアップトラックでも、今熱い視線を集めているのがオフロードコンシャスなモデル。その最右翼とも言うべきなのがフォード のF-150ラプターだ。
ノーマルの状態でデザートレースにも対応できる仕様を与えられたスペシャルな存在で、フロントマスクからしてスタンダードなF-150とは明確に異なるデザインによってアピール度も満点。エンジンも足回りも最強の仕様となっていることで、唯一無二の存在として人気を集めている。
こうした状況を他のメーカーが黙って見ているわけがない。ラムブランドではすでに「レベル」と名付けられたオフロードモデルが発表されており、こちらも従来の1500とは明確に異なるフロントマスクを持っている。ラプターをターゲットにしているのは間違いない。
そんな中、GMのフルサイズピックアップトラックにはまだそのような動きが見られていなかったのだが、今回のGMC シエラ・オールテレーンXのデビューは、そうした試みの第一歩となるものではないか。ただ、今回のオールテレーンXはシエラのパッケージオプションとして設定されたものであって、ラプターやレベルのように専用のフロントマスクまで用意されたものではない。「試みの第一歩」という表現をしたのはそれが理由である。
オールテレーンXは、デナーリを除けばシエラの最上級グレードとなるSLTのクルーキャブ&4WDモデルのみをベースとして、オールテレーンパッケージとXパッケージを同時に装着したものとなる。オールテレーンパッケージのみの装着は可能だが、オールテレーンパッケージを装着せずにXパッケージのみを装着することはできない。それぞれのパッケージの内容は上のリストにまとめたので参照してほしい。これを足がかりに、GMの最強オフロードトラックが登場するのだろうか。
All Terrain Special Features
●イートン製デフロック付き4WDシステム
●Z71オフロードサスペンションパッケージ
(ランチョ・モノチューブ・ショック/大容量エアクリーナ
ー/ヒル・ディセント・コントロール/アンダーボディ・ト
ランスファー・ケース・シールド)
●リア・パーク・アシスト
●クロームアクセント付きボディ同色専用グリル
●ボディ同色前後バンパー(リアはコーナーステップ付き)
●スプレー塗装ベッドライナー
●ドライバー・インフォメーションセンターの傾斜計
“X” Package Special Features
●265/65R18SL Goodyear Wrangler DuraTrac MT
●18×8.5インチ・ブラック・アルミホイール
●スポーツ・サイド・ステップ(ブラック)
●リアデッキ・スポーツバー(LEDランプ装着可)
● LED ヘッドランプ
●パフォーマンス・エキゾースト
(5.3ℓV8エンジンをパワーアップ=355→365hp)
●ボディ同色ドアハンドル&ボディサイドモール
●室内フロアライナー
こちらはオールテレーンXのベースとなったシエラSLT。オールテレーンXにはマッドテレーンタイヤが標準装備となるが、スタンダードなシエラにはオールテレーンタイヤが標準装備される。
http://www.gmc.com
最新記事

2025/06/13
【2008 トヨタ セコイア プラチナム】逆輸入車を代表するプレミアムSUVの大本命
かつては逆輸入車のムック本が発行されるなど一世を風靡した逆輸入車。中でもセコイアは当時のSUVシーンにおいてエスカレードやナビゲーターと肩を並べるプレミアムSUVの大本命だった。

2025/06/06
【フォードマスタングGT】派手さの中に垣間見える、繊細な拘りも見逃せない
日本のカスタム技術をフルに取り入れ、SEMA SHOW出展を果たしたジェットシティのマスタング。その雄姿に触発され、「世界基準」のマスタングに乗るべくジェットにカスタムを依頼したオーナーさん。その全貌が遂に公開された!