マスタングのもっともベーシックな仕様である、直6エンジン搭載の第一世代のクーペ

絢爛たる60年代
1965 Ford Mustang
1965 Ford Mustang
リアルなアメリカを追求する上でたどり着いたマスタングは、初期型クーペの直6エンジン搭載車。背伸びせずに付き合えるパーソナルカーとして、もっともベーシックな仕様こそが爆発的なセールスの大半を占める。オリジナル度の高いサバイバーをアメリカより輸入!
アメリカらしさにこだわった「直6」クーペ
マスタング といえば、一般的にもポピュラーなモデルとして、アメ車の枠を超えてお馴染みの存在。さまざまなフィールドでの露出も多く、もはや説明不要といった感じ。こと日本では、アイコンである シェルビー の人気や、国内に正規で輸入された仕様による、ハイパフォーマンスモデルとしてのイメージで完全に定着している。
しかしながら、実際の
マスタング
の本質は、メカニズムなどの主要部分を、大衆車
ファルコン
をベースにしながら、スタイリッシュなボディと、豊富なオプションによって、安価にしてリッチなパーソナルクーペとして、爆発的なセールスとなった。それだけに、出荷された
マスタング
の大半が、搭載エンジンは直6というのが実情。アメ車はV8が当たり前と思い込んでいるのは、高級輸入車として販売された国内正規での仕様が高価なV8を設定していたことに由来している。
もちろん、パフォーマンスを求めるなら、間違いなくV8となるのだが、目的に応じてチョイスするのがアメリカ式であり、背伸びをして上級グレードを選ぶということもないため、
マスタング
といえば、直6エンジン搭載のクーペが大半を占めるのだ。この個体もまさにそんな1台で、アメ車の前に、アメリカ製品のデザインやカルチャーにハマったオーナーならではの、リアルなアメリカンの追求によるセレクトとなっている。
しかし、そんな仕様こそ日本国内では見つからず、結局はアメリカで見つけ出して輸入した。モデルイヤーの割にはクリーンな状態で、ホイールキャップもストックにこだわっているのがポイント。登録までの総額も200万円以内に収まっており、いろんな面でフレンドリーなのが魅力!
日本では「ファストバック」ばかりが注目されるが、クーペこそがマスタングの基本であり、クーペとしての美しさが爆発的なヒットを生んだ。ホワイトリボンタイヤや、ホイールキャップまでストックに拘りながら、車高プロポーションのみをアレンジして魅力と乗り味を高めている。
ハイパフォーマンスな上に、希少なパッケージを装備するコレクタブルなマスタングとなると、数千万円にも及ぶ価値がつくが、同じマスタングでも、最もベーシックな仕様であれば、日常仕様に問題なく対応するこんなクリーンな個体であっても、輸入から新規登録まで200万円以内で収まるというのは特筆点だ。
タイヤは純正採用と同等のホワイトリボンレミントン(205/75R14)。ベーシックな直6車の場合、ラグナットが4穴となっており、プアーな印象を受けるため、社外品のホイールへの変更は避け、あえてストックのホイールキャップを装着。
スタンダードダッシュ、センターコンソール無しの至ってベーシックな仕様ながら、クロームなどは良い状態で、全体的にスッキリとしている。室内はコンパクトだが、クーペならではの開放感で、後部座席も窮屈さを感じない。
搭載エンジンはスタンダードな直列6気筒170ci。出力は100hp程度ながらも、車重が軽いため、現代においても、問題なく対応できる。ミッションもスタンダードな3速マニュアルの組み合わせで、AT以上に軽快な走りが得られる。
Photo & Text ◆ Hideki Ishibashi
アメ車マガジン 2019年 10月号掲載
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