洗練されたスタイリングに生まれ変わった、グローバルスポーツカーのC4コルベット

1994 Chevrolet Corvette
THE 90's STRIKES BACK ナインティーズの逆襲
1994 Chevrolet Corvette
C3のグラマラスなコークボトルシェイプから、直線基調で洗練されたスタイリングで一新されたC4コルベット。リアガラスはハッチバック式が採用され、機能性も格段に向上。よりグローバルなスポーツカーとして総合的にアップデートされた。
革新的な技術がふんだんに盛り込まれた新時代のコルベット
アメリカを代表するスポーツカーであるコルベットは、ダイナミックでグラマラスなコークボトルシェイプの、いかにもアメリカらしいスタイリングに発展。しかし、時代の流れに沿って進化する中で、C3の後期の段階では、エミッションに向けた電子制御インジェクションは成熟しておらず、最高出力は200hp程度。それまでの3速ATから、高速巡航時での回転数を軽減する4速オーバードライブの700R4が投入されたことで、燃費の面では向上したが、スポーツカーとしてのポテンシャルでは、世界水準とは言い難いものだった。
しかし、当初の予定よりもずれ込んで83年末に登場したC4では、かつてないほどの大掛かりな変更を受け、外観からメカニズムまで一新。フレームにボディを載せる従来のメカニズムに変わって、ドアポスト、フロントガラスフレーム、座席の後ろにのU字型フレーム、フロアパンを接合する「ユニフレーム」を採用。それによって、従来のTトップからタルガトップタイプに変更された。フレーム強度を高めるためにサイドレールが強化されたことで、サイドシルが深く、乗り降りがしにくいのが難点だが、ショートホイールベース化、ワイドトレッド化、ダブルウィッシュボーン式、5リンク式サスペンションの導入によって、バネ下荷重を軽減。総重量でもC3よりも軽量となり、優れたハンドリングと安定性を確保する世界水準のスポーツカーに発展した。
初期に投入されたL83エンジンは、200hp程度であったが、92年からのLT1では、300hpの大台に乗リ、最強のLT5では400hpを超える。デビュー当時はコルベットらしさが薄れてしまったように感じたが、8世代目に突入した現在では、むしろコルベットらしさが感じられて、より魅力的だ。
直線基調で洗練されたプロポーションで一新されたことで、C3と比べるとコルベットらしさが薄れたように感じるが、総合的な運動性能向上に向けた正常進化であることが、今こそ確認できる。ソフィスティケートされたロングノーズ&ショートデッキが際立つ。
初期では外観同様に直線基調でフラットなダッシュにスクエアなデジタルゲージだったが、後期ではコックピットを思わせるアーチ状のダッシュとなる。94年型で助手席にもエアバッグが装備された。スポーツカーとしてのムードに溢れるデザインで、後のC7に受け継がれている。ラゲッジスペースへのアクセスが格段に良く、GTカーとしての魅力が向上した。
エンジンは92年から設定されるLT1(350ci/5.7ℓ)は、最高出力300hpを発揮する。トランスミッションはLT1に合わせて4L60E(4速AT) が投入される。
ホイールはフィンがカーブする94年以降のオリジナル。パウダーコートされているだけに、劣化は避けられない。装着タイヤは、Goodyear Eagle LS200(F:235/50R17)、FALKENFR510(R:275/40ZR17)。ストックよりも僅かにロワードしたプロポーションが、シャープなフォルムを際立たせて魅力的だ。
Photo & Text ◆ Hideki Ishibashi
アメ車マガジン 2020年 4月号掲載
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