【コルベットヒストリー④】近代的なスポーツカーとして生まれ変わったC4コルベット
The CORVETTE HISTORY④
1984~1996 CORVETTE C4
CORVETTE CHRONICLE
The CORVETTE HISTORY④
1984~1996 C4 CORVETTE
ダイナミックでグラマラスなスタイリングが持ち味だったC3コルベットに対して、C4コルベットではアスリート的に引き締まった近代的なスポーツカーとして生まれ変わる。洗練されて上品なイメージが高まった分、アメリカらしさが半減したため、個人的には物足りなさを感じたが、8世代目に突入した現在になってみると、コルベットとして正常進化したことがよく分かり、一段と魅力的に映る。

そのスタイリングによって、当時としては最高水準の空力特性が確保されている。多様化するニーズや世界水準を意識して、ハンドリングとブレーキングに重点が置かれ、F:ダブルウィッシュボーン式、R:5リンク式に。これまでのフロントコイルスプリングおよびリヤもグラスファイバーモノリーフにアレンジし軽量化。

エンジンは前輪車軸より後方にレイアウトすることで、49:51というスポーツカーとして理想的な重量配分を構築。フレームに高いサイドレールが投入することでシャシーの剛性が強化されているが、そのため、ドアの敷居が大幅に深くなり、乗り降りがしにくいのが難点。
クロスファイア・インジェクションによるL83エンジンは205hpと控えめだが、新たなL89(350ci)では、最高245hpを捻出。92年からの2世代目LT1は300hp。96年のLT4(マニュアル車専用の)では330hp。90~95年にラインアップする最強のZR-1では、ロータス社チューンによるDOHC32バルブ、LT5は405hpを発揮。キャラウェイによる「スレッジハンマー」は、ツインターボで武装し、898hpを発揮し、最高速408km/hで市販車最高記録を樹立。

曲線基調のC3コルベットに対して、空力特性に特化したシャープで洗練されたスタイリングで一新。ボディーバリエーションは、クーペ(ガラスハッチバック)、脱着式トップ、コンバーチブルが復活。丸型が基本のテールレンズは、ZR1、グランスポーツでは角形。

外観のイメージにマッチする直線基調のシンプルなデザイン。デジタル液晶ディスプレイのインストルメントクラスターが新世代的。深いサイドシルによって乗り降りはしにくいが、目線が低くスポーツカーらしさを感じる。

C4コルベットの初期型では200hp程度だったエンジンパワーも、LT1では300hp、DOHCのLT5では400hpを発揮し、C3コルベット後期からのGTカー的なキャラクターを脱却。伝説のレーサーをオマージュしたグランドスポーツは、F:9.5J、R:11J と、高性能スポーツならではのワイドなリム幅を装着。
CHEVROLET Corvette History
コルベットC1【CORVETTE C1 1953〜1962】
スポーツカーとしては不十分ながら一定の人気を獲得したC1
コルベットC2【CORVETTE C2 1963〜1967】
独創的かつモダンなスタイリングの美し過ぎるC2
コルベットC3【CORVETTE C3 1968〜1982】
グラマラスなプロポーションが絶対的な魅力のC3
コルベットC5【CORVETTE C5 1997〜2004】
飛躍的に進歩したメカニズムを搭載したリアルスポーツC5
コルベットC6【CORVETTE C6 2006〜2013】
欧州スーパースポーツに匹敵する性能を確保したC6
コルベットC7【CORVETTE C7 2014〜2019】
コルベットとして最後のFRレイアウトとなったC7
コルベットC8【CORVETTE C8 2020〜】
名実ともにスーパースポーツへと昇華した8thジェネレーション
PHOTO:石井秋良
TEXT:石橋秀樹
アメ車マガジン 2020年 8月号掲載
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