架装屋さんに断られて仲間と共にDIYで製作したフードトラック【インターナショナル4900】
1997 INTERNATIONAL 4900
アメリカ的“働くクルマ”がカッコイイ!!
1997 INTERNATIONAL 4900 × BIG HAPPY BURGER TRUCK
幸せはビッグな方が良い!スケールの大きさは、その象徴!
大阪にヤバいフードトラックが存在しているとの情報を数年前からキャッチしていたにも関わらず、中々タイミングに恵まれず取材する機会を逃し続けて数年。やっと実現することができた規格外のモンスターフードトラック!そのスケールのデカさとボリューム感に迫る。
全長7.77m、全高3.85m、全幅2.5mと、10tダンプ級のモンスターフードトラックで全国各地のイベントに駆け付けるB・H BURGER。店名の由来は店主の中上幸大さんの幸(HAPPY) 大(BIG)からとったものだ。元々はステーキ屋さんをやっていたが、店舗が立ち退きになったことをキッカケに、子供の頃からずっと大好きなハンバーガー屋さんを一人でのんびりやろうと決意。6年前にB・Hバーガーをはじめ、その翌年には現在のインターナショナル4900を購入してフードトラック兼、店舗厨房としながら現在に至る。
実店舗と移動販売時の厨房を兼用しつつ、定休日以外はほぼ毎日このトラックの厨房でハンバーガーを焼いており、そんな珍しい経営スタイルが話題となって、ここ最近はSNSでの映えを狙った若い女の子も多数来店。ハンバーガーと聞くとジャンクフードなイメージではあるが、B・Hバーガーはすべて無添加のオーガニック食材を採用しており、ボリューミーなのにヘルシーなところも女性が好む理由の一つだ。実はハンバーガー屋さんをやるに当たって毎年渡米して20店舗以上のお店で味や食材を研究してきた幸大さん。流行っている店はすべてオーガニックを徹底しており、むしろ大規模チェーン店の方がジャンクだったことを知って、やるならとことん食材にこだわることを決意した。
もう一つ譲れない選択肢がベース車両である。「アメリカンなハンバーガーを売るのに国産車じゃつまらない。どうせなら飛び切りインパクトのあるクルマでやりたい!」と友人に相談したところ、茨城県にその筋のマニアが居て一台手放そうか悩んでいるとの情報をゲット。すぐさま茨城入りして即購入し、そのまま乗って帰るという思い切りの良さ。しかし、大阪へ持ち帰り厨房を作りたいと手当たり次第架装屋さんに問い合わせるも、すべて断られる始末。仲間と相談して自分たちでやってみようとDIY計画が実行された。
そこから軽量鉄骨で土台を作り、強度を出すためにフレームに直溶接するなど、カスタムビルダーさながらのハードワークを駆使して組み上げた厨房はDIYレベルを大幅に上回る仕上りとなった。手伝ってくれた仲間には本当に感謝していると語る。大きな幸せとはまさにそんな仲間たちに恵まれたことで、人を大切にすることこそもっとも大きな幸せである。スケールの大きさはハンバーガーのボリューム然り、フードトラック然り、そして幸大さんの大らかな器のデカさであり、彼の元へハンバーガーを食べに行けばビッグハッピーは意外と身近なところにあることを気づかせてくれるだろう。
8.7Lの直6ディーゼルエンジンを搭載するインターナショナル4900。内装は購入時にハイグレードなインテリアへ張り替え済でフロント2、リア4の6人乗り登録となる。ボディサイドとリアの死角は運転席上部のモニターにカメラで常時映し出してカバー。リアヒッチキャリアは両サイドに補強を入れて固定し、イベント出展時の足として所有するパンヘッドやジャイロを積んで遠征する。
実際にフードトラックを開業する本人とその仲間で製作した厨房部分は、ゲートの開口位置や換気扇の場所、電源の位置まですべて理にかなった無駄のない仕立てとなり、早ければ現地へ到着して鉄板を熱しながら準備を進めて30分から40分で開店することも可能。お店のディスプレイなどは常連さんや仲間が持ち寄ってくれた思い出の品ばかりだ。
アメリカンカルチャー全般が大好きな幸大さんがずっと探していた1954年型パンヘッド。以前はショベルFLHを愛用していたが最近乗り変えたばかりで、ピンストライプは入れたてホヤホヤ。このほか、アメ車はワゴニア、ランチェロ、ベルエアなど20台以上乗り継いでいることも、フードトラックがインターナショナルな理由と言える。
臨時休業を除き、ほぼ毎日フードトラックをフル稼働するB.Hバーガー。実店舗で営業する際は電源をコンセントからとっているが、それ以外はプロパンガスなどほぼイベント出展時と同じスタイルで営業している。駐車場は3台用意しており、後ろに雨風を凌げる屋根付きの飲食スペースを完備。プレーンなハンバーガーで800 円からとリーズナブルな価格で販売しており、ドリンクは併設された自動販売機で購入可能。敷居の高いアメリカンダイナーと言うよりは、カジュアルだけど味や食材にとことんこだわった本格派な運営スタイルで人気のハンバーガー屋さんである。和泉中央のCOSTCOからも近いので買い物がてら寄ってみると良いだろう。
B.H BURGER TRUCK
住所:大阪府岸和田市池尻町384
TEL:072-444-0007/090-5881-0690
営業時間:月曜~土曜 11:30~14:00、18:00~21:00
日曜&祝日 11:30~17:00(オーダーストップ16:00)
定休日:不定休 雨天・悪天候時閉店(臨時休業あり)
※イベントなどの情報はインスタグラムまたはフェイスブックをご覧ください。
Instagram:https://www.instagram.com/b.h.osakajapan
Facebook:https://www.facebook.com/BH-CafeBurger-1493122540937178
PHOTO&TEXT:石井秋良
アメ車マガジン 2020年 12月号掲載
最新記事
2024/12/02
激レア!フルウィンドーのダッジスポーツマンの愛らしさ
いつかはウェストサイドなローライダー!そんなイメージを抱きがちなDJではあるが、本国では意外とそうでもなかったりする。現地で見たリアリティ溢れるカーカルチャーを、日本でサラッとこなすナイスガイを直撃!
2024/11/29
【ファニーガレージ】クルマ全般に精通しており、頼れるアニキのような存在!
自動車メーカーやアメ車専門店など、様々な経歴を持つファニーガレージ代表の森 博章さん。アメ車専門ではないが、常にユーザーに寄り添ってくれる、真のモータースと呼ぶのが相応しいお店だ。
2024/11/28
【GMCラリーSTX】真鍮&ウォールナットとGMCラリーのコントラストが映える
モノ選びは直感。既製品で存在しない物は作ってでも納得のいくモノを愛用したい。そんなこだわりの強いオーナーに好まれるビンテージバン。飾り過ぎはナンセンス。ありのままを受け入れる余裕が魅せる“濃い目のバンライフ”。
2024/11/27
V8+MTで走りを本気で楽しむ【2018 フォード マスタングGT】
「エコブーストを買ったけどV8が欲しくなった」。そんなエコブーストはよく聞く話で、そうしたオーナーの行き着く先はV8・MTモデル。CAR3219上尾タワーでは、マスタングはV8に拘り、更にMTモデルを積極的に導入し、走りを本気で楽しむオーナーを受け入れている。