-フリースタイルで行こう- #12 映画「フォードvsフェラーリ」の世界観

コラム

アメマガ2021年4月号

フリースタイルで行こう

#12 映画「フォードvsフェラーリ」の世界観

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#12 映画「フォードvsフェラーリ」の世界観

今回は本誌読者なら絶対に観たであろう、絶対に観るべき映画「フォードvsフェラーリ」をフィーチャー。アメリカのフォードとイタリアのフェラーリとの対カンパニーの戦いのドラマであり、その中での苦行を成し遂げた偉大な人物達の実話がベース。エキサイティングな映像と、ドラマチックで感動的なストーリーがスバラシイのです。

60年代のモータースポーツシーンをリアルな映像で体感できる極上ムービー

月日が経つのは早いもので、当コーナーも今回で12回となりました!「フリースタイルで行こう!」というだけに、クルマに限定せずに好き勝手なテーマで暴走しようかと思っていたのですが、根が真面目なせいか(?)有能な編集部のさり気ない誘導があるのか(?)意外にも真面目にアメ車がテーマとなっています。

 

最近はクルマが主役ともいえる映画やその劇中車をテーマにしていますが、今回もあえて映画がテーマ。本誌読者なら絶対に観たであろう、絶対に観るべき映画ということで、「フォードvsフェラーリ」をフィーチャー! レースでのバトルだけでなく、アメリカのフォードとイタリアのフェラーリとの対カンパニーの戦いのドラマであり、その中での苦行を成し遂げた偉大な人物達の実話という点でも必見です。そして、60年代のモータースポーツの頂点をリアルな映像で体感できるという点でも最高な映画なのです。普段は映画館に行くことがほとんどない自分も、そのエキサイティングな映像と、ドラマチックで感動的なストーリーの良さに、2回も観に行ってしまったほど。

シェルビー

フォードはレースに参入して評判を高める一貫から、レースを基軸に活動するフェラーリの買収を企てるのですが、フェラーリからは屈辱的に拒絶されるのでした。完全に馬鹿にされたとして怒ったヘンリー・フォード2世は、ル・マン24時間レースにおいて、フェラーリを打ちのめすことを誓うのです。

 

そこで元レーサーであり、レーシングカーデザイナーでもある、キャロル・シェルビーを招き入れることに。そして、レーシングカーの開発において重要な役割を果たす信頼のおける有能なレーサーとして、友人でもあるケン・マイルズを助っ人として引き込むのです。マット・デイモン扮するシェルビーは、元レーサーとしてのキャリアを活かし、伝説のACコブラをリリースするスポーツカー製造者となるビジネスマン肌。

 

一方、クリスチャン・ベール演じるケン・マイルズは、才能あふれる人物ながら、気に入らなければ相手が誰であろうと罵るような利かん坊なキャラクター。そんな濃厚で癖のある二人が、巨大企業との柵のなかで対立しながらも、目標に向かって突き進み、勝利を収めるのです。実話がベースとなるサクセスストーリーとして、クルマやレースを超えて楽しめる映画でもあるので、ファミリーにもオススメできます。

 

そして、なんといっても、往年の名車達がバトルするレースシーンをはじめ、フォードGT40開発中の格納庫、フェラーリのファクトリーから、街中を走る主人公達の愛車に至るすべての登場車両が、抜群に魅力的なのです。レース中での「7000回転の領域」における研ぎ澄まされた感覚の描写が印象的で、個人的には、マニュアル車を運転する際に、そのシーンを思い浮かべて、完全にケン・マイルズになりっきって、盛り上がっています! 実話がベースの映画ですし、フォードびいきなアプローチなだけに、『実際は、もっとこうだった!』などのマニアックな突っ込みどころはあるにせよ、とにかくアメ車好き、レース好き、ホットロッド 好き、クルマ好きであれば、間違いなく興奮できるシーンが満載なので、まだ観ていないという方は、何はともあれ必見です!!

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打倒フェラーリ に向けて開発されたル・マン参戦車。64~65年のGT40では、時速200マイル( 約320km)で空力的無問題でトラクションが得られずにクラッシュ。改善版のMkIIでは、実際のレースにおいて時速210マイル(約337km)を発揮。1966年のル・マン24時間レースでは、ブルース・マクラーレン、クリス・エイモン組のカーナンバー2のクルマが優勝、1、2、3 フィニッシュのフォードが表彰台を独占という、まさに映画のようにドラマチックな結果を得たのでした!

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キャロル・シェルビーといえば、ACコブラの産みの親として、国内でも広い範囲で自動車ファンにはお馴染みの存在。ル・マンでの優勝をもたらす上でも、GT40の開発においても、最も重要な役割を担った伝説のレーサー。そしてケン・マイルズこそが、このストーリーにおいても主役。二人の俳優と本人とのルックス的な共通点もさることながら、キャラクターとしての雰囲気がとてもいい感じで◎なんです。特に利かん坊なケン・マイルズのキャラがクリスチャン・ベールにハマっている! そんな魅力の映画が「フォードvs フェラーリ」なのです。

1/18 SHELBY COLLECTIBLES:1966 FORD GT40 MK Ⅱ

1/18 SHELBY COLLECTIBLES:1966 FORD GT40 MK Ⅱ

シェルビーアメリカンのミニカー、グッズ販売部門である「シェルビーコレクティブル」からはシェルビー所以の1/18スケールダイキャストモデルを多数リリースされている。こちらのGT40のストリート仕様は左ハンドルとなっている。ちなみにレースカーはイギリスフォードが携わっていたので右ハンドルとなる。

1/18 SHELBY COLLECTIBLES:1966 FORD GT40 MK Ⅱ

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1966年のルマンを制したGT40 MK Ⅱのレースカーはシェルビーコレクティブルは1/18ダイキャストモデルとして、ケン・マイルズがドライブした1 号車とはじめ、2号車、5号車もラインナップ。他にもケン・マイルズが搭乗し1966年のセブリング12時間レース時の98号車や、デイトナ24時間レース時の1号車などもモデル化されている。

1/18 Exoto:1966 CORVETTE GRAND SPORT

1/18 Exoto:1966 CORVETTE GRAND SPORT

コルベットの産みの親である、ゾーラ・アンカス・ダントフによって、ルマン24時間レース・GTクラス参戦車として製作されたC2クーぺのスペシャルバージョン。ハンマーヘッドシャークを思わせる固定式ライト、ワイドなヘンダーフレアー、トランクリッドなど、レースのレギュレーションに則ったアレンジが特徴的。トータルで5台のみが製造され、現在でも5台とも現存。スーパーコルベットの象徴として、GS( グランスポーツ)のネーミングはC4、C6、C7の特別仕様車で採用されている。ミニカーはエグゾトがかつてリリースしている。

1/18 KYOSHO:1964 SHELBY COBRA 427 S/C

1/18 KYOSHO:1964 SHELBY COBRA 427 S/C

イギリスのACカーズによるロードスターをベースに、フォード製アメリカンV8を搭載した伝説のマシン。アメ車ファンはもちろんのこと、英国車エンスーからも評価の高い60年代を代表するスーパースポーツとしてお馴染み。トリビアなエピソードに、1号機の制作は、目玉のロゴでお馴染みのムーンアイズUSAのガレージで行なわれ、販促用のカタログ写真は、自動車専門誌にも携わった創設者のデーン・ムーンが担当していたりするのだ。そんなコブラは人気車なので多くのメーカーがモデル化しているが日本の京商版がもっともハイディテールだ。

1/18 SHELBY COLLECTIBLES:1965 SHELBY DAYTONA COUPE

1/18 SHELBY COLLECTIBLES:1965 SHELBY DAYTONA COUPE

ロードスターであるコブラに対するクーペ版。単にクーペ化したのではなく、GMでコルベットのデザインに関わった、ピート・ブロックがデザインを担当。スパッとカットしたようなテールなど、フェラーリGTOや60年代のGTレースカーに共通するフォルムが特徴的。このデイトナクーペもシェルビーコレクティブルがダイキャストモデルとしてリリース。他にはハイクオリティモニカーメーカーのエグゾトもダイトナクーペをモデル化しているが、元々定価が高いこともあるが、発売からかなり時間が経過しているために超高額になっている。

1/18 SHELBY COLLECTIBLES:1965 SHELBY GT350R

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ポニーカーとして新たなセグメントを築いた大ヒットモデルであるマスタングのホットバージョン。ルマンを制したキャロル・シェルビー率いるシェルビーアメリカンによってアレンジされた、ある意味メーカー純正ホットロッド 。数値的なスペック以上に、実際の性質はレーシングカー的にかなりハードだったため、後のモデルではかなりスポイルしてストリータブルになった。そんなシェルビーGT350やGT350Rもシェルビーコレクティブルがリリース。60セカンズのエレノアも同社からリリースされているのでマスタングファンはチェック!

★石橋秀樹 アメリカンホビーショップ「ホットワイヤー」の店主であり、フリーペーパー「イグナイト」の編集人、そしてアメ車マガジンでもライターを行なうなど、アメリカンカルチャーに関する偉人(変人)である。人生は肩ひじはらずに「フリースタイル」なのが信条。

アメ車マガジン 2021年 4月号掲載

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