リンカーンマーク7、伝統のFRクーペを現在も堂々と乗りこなせ!

1991y LINCOLN MARK VII LSC
THE PICK UP TEST DRIVE
1991y LINCOLN MARK VII LSC
リンカーンの高級セダン&クーペとして、不動の地位を築いてきたコンチネンタル・マークシリーズ。マークシリーズ最後となるスクエア型の1991年型マークVIIが、ガレージダイバンに入庫。90年代のアメ車価格が右肩上がりで上昇するなか、大注目間違いなしだ!
状態の良さはショップも驚く91年型で走行距離は6.2万km
マスタングカスタムでは、関東を代表するショップであるガレージダイバン。それ故、在庫車両は様々なマスタングが多く並ぶが、希少な個性的モデルの仕入れも積極的だ。そのモデルは年代やモデルタイプもバラバラで、SUVやフルサイズバン、ステーションワゴンとタイプは本当に多彩。
そうした多彩なモデルラインナップのなかで、今回注目したのは91年型リンカーン・マークⅦ・LSC。30年前の車両ながら、走行距離は約6.2万kmとかなり少ない。年式的に見れば10万kmオーバーは当たり前で、ガレージダイバンが仕入れで車両と対面した際は、走行距離の少なさと見た目の状態の良さには驚いたようだ。
ただ、当初は不動状態だったため、機関系に致命的な不具合があると心配したが、バッテリーやオルタネーターなどの消耗品を交換したら完全復活。もちろん、30年分の経年劣化は所々に見受けられるが、消耗品は当然ながら、外装などの部品もまだまだ入手可能なのでリフレッシュも可能。そうした部分を加味しても、車両価格が98万円(税込)というのは驚き価格だ。90年代のアメ車は今、価格が上昇傾向にあり、純正の状態を残したリンカーンのラグジュアリー2ドアクーペであるマークⅦの価値は、これからドンドン上昇していくかもしれない。では、大注目のマークⅦをじっくり見ていこう!
IMPRESSIONS FOXマスタングと同型エンジンだが豪快さよりも、大人の走り
同年型のマスタングGTと同じエンジンを搭載し、225hpを発揮するということで、出だしの加速に期待したくなるが、ハードルはサゲたほうが良い。だが巡航速度に入れば、一転してトルク溢れる力強いエンジン音と共にパワフルに走る。スポーツ走行を売りにするグレードLSCは強化サスペンションを組み込んでいるため、段差乗り越えやコーナリングはかなりソフトタッチ。まさに高級スポーツサルーン。決して速くはないが、遅くはない。優雅に走るのがお似合いだ。
高級サルーンながらグレードはスポーツ仕様のLSC
1984年から登場したマークⅦ。エンジンを中心に仕様が度々変更され、1991~92年型の後期モデルが熟成モデルとされる。その91年型のほぼ純正状態を保つ極上車が、今回の撮影モデルだ。
純正状態がここまで残されているのは希少
リンカーンのラグジュアリーパッセンジャーモデル、コンチネンタルのマークシリーズとして1956年に初代モデルが登場。マークⅦは84年に第6世代としてデビューし、92年まで生産されたFRラグジュアリー2ドアクーペだ。先代のマークⅥからボディサイズはダウンサイジングされ、ミドルサイズのセダン/クーペとなっている。
マークⅦは登場以来、車名もコンチネンタル・マークⅦからリンカーン・マークⅦに変わり、エンジンタイプも度々変更されているが、91年型以降は、そういった変更もない熟成期(?)ともいえる。グレードはラグジュアリー仕様のビル・ブラス・エディションとパフォーマンス仕様のLSC(ラグジュアリー・スポーツ・クーペ)の2つ。
撮影車両はLSC。LSCは強化チューニングサスペンションやBBS製の専用メッシュ16インチホイールを採用し、アナロダッシュパネルというのも特徴だ。
今回の車両は、当時近鉄モータースが正規販売していたディーラー車。オーディオ部分が取り外された状態ではあるが、それ以外は完全に純正状態を残しているのはかなり希少。シートはバケット型も存在するようだが、今回のシートはやや平面的な形状。内外装に大きな傷こそないが、細かい部分を見れば修復したい箇所は見受けられる。それらを修復してしまえば、91年型のリンカーン・マークⅦをビッカビカにした状態で乗ることができる。
リンカーンコンチネンタルの面影を残す、コンチネンタル・スペアタイヤデザインは、マークシリーズのアイデンティティともいえる。ただ実際はデザインのみで、トランクを開けてもこの部分にスペアタイヤが設置されているわけではない。ホイールはLSCグレード専用の、BBS製16インチメッシュホイール。4輪エアサスペンションとなり、LSCは強化サスペンションとなっている。
エンジンは4.9L V8 やBMWの2.4Lディーゼルなどもラインナップし、1984年に登場して以来、ベーシックエンジンの5.0L V8エンジンも度々改良されている。最終的には、限定モデルに設定されていたFOXマスタングと同型の225hpを発揮するエンジンで統一。爆発的な加速こそないが、巡航ではさすがのトルクを感じさせる。
ラグジュアリーグレードのビル・ブラスではデジタルダッシュボードだが、LSCはアナログタイプ。車両は高級モデルだが、インテリアデザインは高級感をあまり感じられないのが残念。
マークⅦの資料を見ると、フロントシートはバケット型も存在するようだが、今回の車両は平面的な形状のシート。一般なスポーツクーペとは違い、リアシートのスペースはかなり広い。
SPEC 全長×全幅×全高● 5165×1810×1390mm ホイールベース● 2755mm エンジン● V8 排気量● 5.0L 最高出力● 225hp 最大トルク● 300lb-ft トランスミッション● 4AT
試乗SHOP:GARAGE DAIBAN【ガレージダイバン東京本店】
所在地:東京都江戸川区一之江8-4-5TEL:03-5607-3344
URL:http://www.daiban.com/
営業時間:10:00~19:00
定休日:月曜日
GDファクトリー千葉店
所在地:千葉県千葉市稲毛区長沼町208-1TEL:043-215-3344
東京都江戸川区に車両販売を行なう本店があり、千葉県千葉市に整備&パーツ販売を行なうGDファクトリーがあるガレージダイバン。様々な車種を販売していくなかで、マスタングの販売&カスタムでは多くのユーザーから支持を受けている。マスタングの在庫ラインナップは常に充実しているが、それ以外に店頭に並ぶモデルは個性的だ。高年式の特別モデルから、ヴィンテージモデルまでバリエーションは豊富。
写真&文/相馬一丈
アメ車マガジン 2021年 7月号掲載
最新記事

2025/06/23
ハワイを感じながら子供たちが毎日楽しめる家
近所の目を気にしながら子育てするのはもうウンザリ。自分たちも、子供たちが自由に遊べる一軒家が欲しい。大好きなハワイを感じられる、理想は兄夫婦のようなカッコイイ住宅。

2025/06/20
奥さんに内緒でプチカスタムマフラーエンド交換【PATRIOTを購入した話 ④】
軽自動車を愛車にする編集部カズの奥さんが、「軽じゃ友達と遠出できないから違うクルマに乗りたい。小さくて個性的なアメ車って無いの?」との発言からスタートしたクルマ探し。数ある候補から購入を決めたのはジープ・パトリオット。基本的にノーマルだが、やっぱりカスタムしたくなってきたのでピットインアクツへGO!

2025/06/18
【ダッジ チャージャー SRT8】アメ車界隈でもスタンス系が盛り上がってほしい
スポーティー系からフルサイズトラックまで所有してきたが、一貫しているのはシャコタンスタイルが好きだということ。タンドラをシャコタンフォルムにと計画したものの、それならチャージャーの方がと勧められて理想へと近づける。

2025/06/16
クルマのサビ対策に最適な逸品、電子サビ防止装置「ラストストッパー」
集中豪雨や台風、そしていよいよ本格化する融雪剤散布シーズンの到来など、クルマにとって過酷な環境である日本。これらが原因で発生したサビはクルマにゆっくりとダメージを与えていくため、サビを発生させないことが何よりの対策だ。科学・化学的に証明された理論を応用して、サビを電子の力で抑制するのがこの「ラストストッパー」なのだ。