マスタングSVTコブラの暴れ馬を乗りこなす楽しみを味わう!
1998y FORD MUSTANG SVT COBRA
THE PICK UP TEST DRIVE
1998y FORD MUSTANG SVT COBRA
1993年にフォードのスペシャル・ビークル・チーム(SVT)が開発し誕生した、マスタング高性能モデルSVTコブラ。マスタング第4世代となる1998年型のSVTコブラがガレージダイバンに入庫したということで、早速その暴れ馬っぷりを試乗撮影してきた!
本国ではドラッグレースやドリフトなどベースモデルとして根強い人気を誇る
関東で第5世代のマスタングの販売台数は群を抜くガレージダイバン。同ショップでは5世代目以外にもバリエーション豊富なマスタングを入庫させており、今回注目したのが98年型マスタング・SVTコブラだ。
1964年に登場した初代マスタングは、アメ車のみならず世界的に見て歴史的にヒットしたモデルで、ご存知のように現在も6世代となって販売中。この長い歴史の中で数多くのハイスペック・スペシャルモデルが登場しているのもマスタングならではで、特に有名なのがキャロル・シェルビーがプロジェクトした「シェルビー・マスタング」だろう。
ハイスペックのマスタングは後にフォードが新設したSVT(スペシャル・ビークル・チーム)に引き継がれ、93年に初代マスタング・SVTコブラが登場する。翌年の94年には第4世代のマスタングにフルモデルチェンジし、当然のごとく第4世代マスタングをベースにしたSVTコブラも開発され、96年型からはエンジンが伝統の5L V8OHVから、4.6L V8DOHCに改良された。今回撮影したモデルは、その改良型の98年型というわけだ。
現在本国では、価格の安さに対して高いスペックを誇るとして、同世代のSVTコブラが様々なレースシーンで使われ人気となり、徐々に価格が上昇中ということもお伝えしておこう。
IMPRESSIONS 新モデルと比べるのはナンセンス重いクラッチも乗りこなす楽しみだ
いざスタート…も、早速エンスト。とにかくクラッチが重い!最新のマニュアル車に慣れていたとしても結構キツイ(ダイバンスタッフ談)。ましてや、久しぶりのマニュアル車ともなればエンストは必須だろう。ようやく(?)発進させると、クルマがドンドン前に行きたがる。それぐらい、、低速からの力強さはビンビンに感じる。まさに暴れ馬だ。だが、それを乗りこなす楽しみは、最新モデル以上にある。ドライバーの手綱捌きが問われるだけに初めてのクルマには不向きだが、普通のマニュアルでは物足りない玄人には面白い存在だ。
もはや存在自体が希少価値、今後さらに価格は上昇していく!?
23年が経過したモデルとは思えないほど、綺麗な状態を保つ撮影車両。走行距離は7.4万kmと、もしかしたら日本で最も走行していない98年型 マスタング・SVTコブラかもしれない。
純正よりも77馬力チューニングアップ
94年に、日本で初めて正規販売されたマスタングとして、馴染みのある第4世代がベースとなる98年型SVTコブラ。96年からは日本でもSVTコブラが限定で正規販売された。
上でも紹介したように、SVTコブラ用エンジンは96年型よりアルミニウム製・4.6L V8 DOHCに変更され、5Lからダウンサイジングされたものの、305hpを叩き出す(0-60マイル5.9秒)。純正マスタングの上級グレードであるGTは228hpであるため、かなりのチューニングがされているのが分かる。他にもパフォーマンスサスペンションや13インチフロントディスクブレーキといった部分が、専用設計となっているのが見どころだ。
外観でもグリルやボンネットダクト形状に違いがあり、何と言ってもコブラロゴやエンブレムがノーマルマスタングとの違いを演出。インテリアでは、98年イヤーモデルにマイナーチェンジされた通常マスタングとの違いはなく、ダッシュボードの時計パッドが無くなり、センターコンソールにデュアルカップホルダーが設置されているのが98年型以降の特徴だ。 走行距離は7.4万kmと、23年が経過した車両としては格段に少ない。シートに経年の使用感こそあれど、破れや傷も見当たらず、綺麗な状態を保っている。そもそもの台数が少ないSVTコブラだけに、今後その資産価値が上昇するのは間違いない。
SVTコブラの外観上の違いは、フロントバンパー形状、ボンネットダクトの拡大と配置場所、左右出しマフラー、リアバンパーにコブラのロゴが入る部分だ。トランクスポイラーはGTと同タイプ。ホイールはSVTコブラ専用の5スポーク17インチ。ブレーキキャリパーはコブラロゴが入り、フロント13インチディスク・PBRツインピストンキャリパー、リア11.65インチディスク・シングルピストンキャリパーを装着。サスペンションもパフォーマンスタイプに変更されている。
SVTコブラ専用として、1996年に5.0L V8OHV から、アルミ製4.6L V8 DOHC に変更されている。同年代型スタンダードエンジンは、4.6L V8 SOHCだ。馬力は上級グレードのGTと比べ、77hp高い305hpとなっている。
98イヤーモデルでマイナーチェンジがされ、ダッシュボード時計パッドが無くなり、センターコンソールにはデュアルドリンクホルダーが設置された。SVTコブラ専用は見当たらない。ミッションは96年に改良され、ボーグワーナーT-45の5速マニュアルトランスミッションを採用。
シートは上級グレードGTと同様にレザーシートとなる。4名乗車が可能となるが、後席は大人が座るとやや窮屈な印象。トランクルームの広さは、4人の荷物を積むには狭く、簡易的なものと捉えたほうがよいだろう。23年が経過している車両だが、走行距離の少なさから分かるように、かなり綺麗な状態を保つ。大事に所有されてきたのが伝わってくる。
SPEC 全長×全幅×全高●4610×1823×1353㎜ ホイールベース●2573㎜ エンジン●V8 DOHC 排気量●4.6L 最高出力●305hp/5800rpm 最大トルク●41.5㎏ -m/4800rpm トランスミッション●5AT
試乗SHOP:GARAGE DAIBAN【ガレージダイバン東京本店】
所在地:東京都江戸川区一之江8-4-5TEL:03-5607-3344
URL:http://www.daiban.com/
営業時間:10:00~19:00
定休日:月曜日
GDファクトリー千葉店
所在地:千葉県千葉市稲毛区長沼町208-1TEL:043-215-3344
東京都江戸川区に車両販売を行なう本店があり、千葉県千葉市に整備&パーツ販売を行なうGDファクトリーがあるガレージダイバン。様々な車種を販売していくなかで、マスタングの販売&カスタムでは多くのユーザーから支持を受けている。マスタングの在庫ラインナップは常に充実しているが、それ以外に店頭に並ぶモデルは個性的だ。高年式の特別モデルから、ヴィンテージモデルまでバリエーションは豊富。
PHOTO&TEXT:相馬一丈
アメ車マガジン 2021年 5月号掲載
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