-アメカルにまつわるエトセトラ- #25「 誰でもなれるスーパーヒーロー 」

コラム

アメマガ2022年4月号

アメカルにまるわるエトセトラ

#25「 誰でもなれるスーパーヒーロー 」

et cetera about AMERICAN CULTURE -アメカルにまつわるエトセトラ-


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#25「 誰でもなれるスーパーヒーロー 」

遡ることちょうど60年前の1962年、スパイダーマンはマーベルコミックスの名物編集者であるスタン・リーの原作、スティーブ・ディッコの作画によって誕生しました。読者層に近いティーンエイジャーであるピーター・パーカーを主人公に添えることで読者の共感を誘い瞬く間に人気者になりました。

 

スパイダーマンを語るに欠かせないキーワードが2つあります。そのひとつが「親愛なる隣人」。これは、超人的能力を持ちながら若者らしい悩みをも併せ持ったスパイダーマン/ピーター・パーカーの立ち位置を象徴する言葉です。もう一つは「大いなる力には大いなる責任が伴う」。自らのせいで叔父のベンを亡くしたと思い知ったピーターが、遺言としてこの言葉を胸に刻みます。この二つの言葉に、時には鼓舞され、時には縛られることでスパイダーマンの物語は深みを増していくのです。

 

そんなスパイダーマン、最初にメジャー映画化されたのは2002年、ホラー映画の巨匠サム・ライミによるものでした。当時「サム・ライミで映画化」と聞いた時は「なんで?」と思ったものですが出来上がりは文句なし。「ライミ版が1番」というファンがいるほど人気を誇る三部作となりました。

 

次に製作されたのは2012年の「アメージング・スパイダーマン」。ライミ版をさらに三部追加するつもりだったのが、サム・ライミが降板したことによりリブートとしてスタートしました。三部作の予定で走り始めたアメスパでしたが、2の興収がいまひとつだった事に加え、MCUに合流することが2015年に決まり、アメスパは2で終了となってしまったのでした。

 

そして2016年、「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」でMCU版スパイダーマンがスクリーンデビュー、2017年には単独作「スパイダーマン:ホームカミング」が公開されました。そんなMCU版も2022年1月に公開の「スパイダーマン:ノー・ウエイ・ホーム」で大団円を迎えました。

 

最初からライミ版やアメスパとは設定がかなり異なるMCU版でしたが、前述の「親愛なる隣人」「大いなる力には大いなる責任が伴う」を改めて強く感じさせるエンディングは出色の出来だったと思います。

 

そして変わり種はCGアニメの「スパイダーマン:スパイダーバース」。こちら、「ノー・ウエイ・ホーム」よりも先にマルチバース(多元宇宙)を主軸にしていただけではなく、映像表現も新しい意欲作でした。主人公は他のスパイダー・シリーズとは異なり、マイルズ・モラレスという黒人の少年。それは、生みの親であるスタン・リーがかつて自慢げに言った「フルマスクのスパイダーマンには誰でもなれるのです」というセリフを最も分かりやすく現しているキャラクターであり、世界中でスパイダーマンが愛され続けている理由の一つでもあると思います。

amemaga_gal_2202 のコピー

TEXT & ILLUSTRATION : JIN HATTA
アメ車マガジン 2022年 4月号掲載


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