スタイルヨシ、乗ってヨシの アメリカン4×4の優等生【フォードブロンコワゴン】

6世代目として初代のデザインをオマージュして復活するなど、何かと注目度の高いブロンコ。中でもこの「初代」は、近年コレクタブルカーとして注目度が高まっているが、このワゴンはアップグレードを施して通勤からショップのサービスカーまでオールマイティに活躍!
THE AMERICAN TRUCK & SUV
アメヨンのアイコン的存在の今注目のアーリーブロンコ
1972 FORD BRONCO WAGON
最新のSUVモデルではラグジュアリーの要素も追加されたり、さまざまな付加価値も影響してステイタスの高い存在となっているモデルも少なくない。そんな中、2021年には6世代目として「ブロンコ」も復活。初代をオマージュしたレトロなスタイリングながら5人乗り4ドアも追加するなど、現代版として幅広いニーズに対応。正規ディーラーが存在しなくなった日本国内でも話題となっている。
それと同時に、1966年にデビューしたアーリーブロンコこと初代も、近年ではコレクタブルなビンテージカーとして人気が高まっている。SUVというよりもコンパクトなオフローダーとしてのキャラクターが強いジープCJ-5やインターナショナル・スカウトの対抗馬としてラインナップ。ホイールベースは92インチ(2337mm)とCJ-5とCJ-7の中間の長さ。全長は3848mmとコンパクト。
質実剛健なオフローダーながらも、FORDとしてのブランドバリュー、充実した装備、扱いやすさなど、さまざまな面でよりSUV的なキャラクターのフレンドリーなモデル。CJやスカウトよりもフレンドリーながら出荷台数は年平均1万7000台程度。同じアプローチにしてフルサイズSUVとして登場したK5ブレイザーの人気によって、78年の第二世代ではフルサイズとなった。
ドア、ルーフのないロードスター、2ドア・ハーフキャブのピックアップ、そしてこの3ドア・ワゴンの3種でラインナップ。車体同色グリル、バンパー&ライトベゼルが白いのがベーシックグレードとなる。この個体はワイドタイヤの装着に合わせてフェンダーフレアーを装着。
人気の上昇でバリューも高騰名車として君臨する「初代」
フルサイズとなったセンドジェネレーションでは78年~79年の2年間で約18万台をセールス。それに対してアーリーブロンコは66年から77年の12年間で20万台程度と、知名度の割には出荷台数は少ない。全長4mに満たないコンパクトサイズながらもV8が搭載されているのが大きな魅力。とはいえ、標準の直6搭載車が大半で、オプション設定だったV8搭載車は希少だ。
取材車は69年よりラインナップされたFORDの主力V8となる302ciを搭載するレンジャーワゴン。この個体のオーナーは、フルサイズピックアップを思案する中で、たまたま巡り合ったことで入手した。クラシックでシンプルなマスクや、全体の雰囲気にマッチしたブルーのボディカラーも好みだった。
現在では人気の上昇とともにバリューも高騰しているが、購入時はそれほどでもなく希望の予算内で収まった。車体同色のグリル、ライトベゼル&バンパーがホワイトのベーシックグレード。機関系やエアコンにアップグレードが施されていたものの、渋滞では水温があがるなど不安要素があったが総合的に改善。現在では通勤からスワップミート出店時の搬入車としても活躍中。
アーリーブロンコは希少価値の高いモデルとなっているが、モデルのキャラクター的にも、こうして元気に実働する姿こそが魅力的。




この個体はメーターパネルはアルミパネルでカスタムされ、オートメーター製のゲージを装備。ステアリングはクラッシクな社外のウッド、シフターはB&M製にアレンジ。前後のシートはストックのビニール製ホワイト。4点式ロールバーが追加されている。
ルーフはファイバー製で脱着式ながら、シェルを装備したピックアップトラック同様にボルトで固定されている。
標準の170ci(2.8ℓ)の直6が大半を占める中、オプションの302ci V8搭載車。エーデルブロック製4 バレルキャブレター、ヘダース、MSD 点火システムでアップグレード。トランスミッションは3速AT。Dana44トランスファケース、ロックハブを標準装備する4WD。
フォードトラックお約束のツインIビームではなく、コイルスプリングによるフロントアクスル。リアエンドは9インチ。32x11.50R15のワイドタイヤ(Falken-RV Landair AT)の装着に伴って、アルミホイール、コイルスプリングをアレンジ。タイヤ、ボディ、車高スタンスのバランスによってマッシブな印象!
PHOTO&TEXT:石橋秀樹
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