【GMC タイフーン】モンスターSUVの異名を誇る、90年代を代表するプレミアムカー!
1992 GMC TYPHOON
THE 90's STRIKES BACK ナインティーズの逆襲
1992 GMC TYPHOON
90年代SUV&トラックシーンにおいてどうしても触れておきたいクルマが紹介するGMC・タイフーン。C/Kとは異なる2ドアコンパクトボディに圧巻のハイパフォーマンスエンジンを搭載するマニアックなスタンスは今なお色褪せない魅力を放つ。
GMCサイクロン譲りのスペシャルチューン!
1990年のスピードトライアルにトラック部門としてエントリーしたGMC・サイクロン。ソノマをベースにハイパフォーマンス化を図り、ツインターボ搭載の4.3? V6エンジンにコルベット用の5.7L V8エンジンよりインジェクター、スロットルボディ、さらにはピストン本体までを移植。コルベットZR1、フェラーリF40に対抗するレベルのモンスタートラックとして君臨した名車。
そのGMC・サイクロンの兄弟モデルに当たるのが紹介するタイフーン。ソノマのSUV版であるS15ジミーをベースに、サイクロン同様のメカニズムを持ち、プラットフォームはGMT325と呼ばれるピックアップトラック用のフレームを採用。フォルムこそS15ジミーに近い物があるが、中身はほぼサイクロンと言っても過言ではない。わずか4697台しか製造されていないレアなモデルで、一部のマニアの間ではいまだ絶大な人気を誇る。
しかし絶対数が少ないだけに絶滅危惧種といった位置づけである。 足回りはフロントがダブルウィッシュボーン、リアはリーフスプリングのリジッドを採用。S15ジミーよりも約2インチロワード化され、空気抵抗を加味したフロントのエアダムやサイドスカートが標準で装備される。総重量1725kgに対して285hpのハイパフォーマンスエンジンを搭載。それをビスカスカップリング採用のAWDで駆動する感覚と、トラックシャーシならではの豪快な荒々しさの混じる感覚は官能的。
撮影時に少し乗せてもらったが、わずか4.3mほどの全長に1730mmの全幅は4ナンバートラックとさほど変わらないサイズ感で、当時のZR1のごとく軽快に加速していく感覚は異次元。それでいてアメリカンSUVとしてのフィーリングも顕在しており、この絶妙なニュアンスがマニアを虜にする魅力と言える。
ツインターボ搭載のV6 4.3?エンジン。ギャレット製の水冷インタークーラーで冷却されたエアを強制的に詰め込み、コルベット用のフューエルインジェクター&スロットルによる吸気系チューニングが施され、最大出力285hp を発揮。当時はテスタロッサキラーと呼ばれ、スーパーカーに匹敵する走りを堪能できる唯一無二のモンスターSUVとして注目を集めた。
トラックらしからぬホールド性の高そうな形状のフロントシート、そしてSUVらしいベンチ式のリアシートはスタイリッシュなブラックレザーを採用。ヘッドレストにはタイフーンの刺繍が入り、MOMOステアリングへの換装以外はオリジナルをストックする。28年前とは思えないグッドコンディションを保つインテリアも特筆物。
コルベット用のホイールなどへ換装されることの多かったタイフーンで純正の16インチをストックしている点も素晴らしい。装着するタイヤは225/45R16。現状はオリジナルを忠実に守った状態ではあるが、今後J`S Fam PIT川上氏によって大掛かりなカスタムを構想中とのこと。
PHOTO&TEXT:石井秋良
アメ車マガジン 2020年 4月号掲載
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