【エルカミーノ】クーペのごとき流麗なスタイル、いかにもアメ車らしいセダンピック

ピックアップトラック

シボレー

アメマガ2024年3月号

エルカミーノ

ナオキモータービルド

大阪府

エルカミーノSS

ピックアップ大国であるアメリカが生んだセダンピックアップの代表格であるエルカミーノは、1959年の誕生から1987年まで生産された名車。その中でもSSの称号を持つビッグブロック搭載モデルの1970年型は特別な存在だ。


ファニーなマスクとは裏腹に荒々しいマッスルカー!

1970 Chevrolet El Camino SS

映画「ボディーガード」でケビンコスナーがドライブした87年型、それに映画「メキシカン」ではブラッド・ピットが69年型のレンタカーを借りて旅をするなど、劇中で使用されることの多いシボレー・エルカミーノ。その影響もあって日本でも人気が高い。ちなみにエルカミーノは前から見ればセダンで、横から見たらトラックという変わり種だが、ピックアップトラックの需要が高いアメリカならではなモデル。

そんな人気モデルをストックしているのがナオキモータービルド。モデルイヤーは1970年ということで第3世代となる。71年からエミッションコントロールや低オクタン価の無鉛ガソリンの義務付けを敢行したこともあり、ビンテージマッスルシーンにおいて1970年以前か否かはパフォーマンスやマッスルカーらしさ、そしてアメ車らしさを色濃く感じさせる個体としての変革期。このエルカミーノには規制に左右されない時代の454ビッグブロックを搭載して、なおかつ4速マニュアルシフトの組み合わせということで、もはやこれ以上にないレベルで当時の“最高峰マッスルカー”に浸れるモデル。

 

あまりの条件の良さに宮田氏自身がコレクションとしての所有を本気で考えた個体ではあるが、同社のユーチューブで強気な配信をした際にお声がかかった相手が何と、人気デュオ「コブクロ」の黒田さんだったのだ。現車確認に訪れた際には既に購入の意志が固まっていた様子で、その模様も黒田さんのユーチューブにアップされている。シートに腰を掛けてイグニッションを回し、ステアリングを握る時の目の輝きや、納車を心待ちにする様子は芸能人とて誰しも同じ。様々な名車を乗り継いできたコレクターでも、この7.4ℓの454ビッグブロックを4速マニュアルで操るアドレナリン全開な感覚に圧倒されることだろう。

太めにセッティングされたフージャーのラジアルタイヤでアッサリとこなすホイールスピン然り、まるで鼓動の如くダイレクトに伝わってくる454の生々しいアイドリングフィールも然り。それでいて68~70年モデル特有の丸目4灯はどこか優しげでファニーなフェイスのギャップもまた味わい深い。所有する喜びよりも操る喜びに重きを置くオーナーにとっては、この上ない魅力を持ったアメリカンヒストリックカーだ。

 

足周りやブレーキ一式、エンジンなどの整備に始まり、内装張り替えに加えて断熱防音処理。タコメーターやオートメーターの追加、各スイッチ類の新調など、徹底的に納車整備と仕上げを済ませた状態でいよいよ今春納車を迎える454ビッグブロックエンジン搭載、4速マニュアルの70年型エルカミーノ。アーティストとしてではなく、アメリカンヒストリックカー愛好家としての黒田さんの反応が楽しみでならない。

フロントアッパー、ロアアームにチューブタイプの強化品を採用し、ホチキスのサスペンションとKYBガスショックを組み合わせた足回り。ホイールは本物のバセット15インチでリアタイヤには27×10.5R15のフージャーラジアルをマウントする。ハイカムの影響でエンジンのバキュームが減ってブレーキが効きにくくなるのを回避すべく、バキュームポンプでブレーキブースターに負圧を発生させて対処するなど、ビジュアル& パフォーマンスの両立を高次元で両立。

7.4ℓの454ビッグブロックエンジンを搭載する正真正銘ナンバーズマッチのSS。ハイカム、ロッカーアームのヘッドチューニングやホーリー750ダブルポンパー、ミッドマウントキットで1本ベルト仕様となるベルト周りなど、ひと通りの手が加わる。

元々全部剥がされて何もなかった内装は、断熱防音処理を施してすべて新調。定番の3連オートメーターやシフトライト付きのタコメーターを追加してキーシリンダーやドアロックなど細部スイッチ類まで全て新品に交換。ビンテージエアーのエアコンと純正ラジエーターをコアマシしてツイン電動ファンを追加する事でエンジンも車内もクーリング対策万全!またバケットタイプではなくベンチシートに4速マニュアルで454を操る感覚は、実に官能的!


THANKS:Naoki Motor Build【ナオキモータービルド】
TEL:072-236-7300
https://naoki-mb.co.jp/


PHOTO&TEXT:石井秋良
アメ車マガジン 2024年3月号掲載


関連記事

RELATED


デューリーに魅せられたコレクターのコレクション

ポリス仕様を筆頭に、過去に何度もマニアックなOBSカスタムをナオキモータービルドと共に手掛けてきたコレクターの鈴木さんが遂にデューリーカスタムへ。そのこだわりっぷりと魅力を一挙公開!

やり尽くしたOBSで令和の時代を走る贅沢!

シンプルにオリジナル志向で乗っても、ガッツリカスタムして乗っても様になるOBS。中でも当時のカスタムカルチャーを色濃く残した個体は、マニアの間でも人気急上昇中。紹介するC-1500ファントムデューリーはまさに、1990年代のカスタムシーンを彷彿とさせるマニア必見の個体だ。

【リアデザインの至宝】エルカミーノが誇る最高の魅力、そのリアフォルムとは?

魅力的なビンテージ・アメリカンカー「1987年式シボレー・エルカミーノ」の乗り心地と実用性を紹介。カスタマイズされた信頼性の高いデイリードライバーとしての魅力や写真家にとっての理想的なクルマとしての魅力に迫る。オリジナルの内装とユニークなデザインをご紹介しよう。

巡り巡って覚醒させる運命を感じた憧れのエルカミーノSS396

1969 CHEVROLET EL CAMINO SS396

インパラ=ローライダーの常識を覆すモンスター!【シボレーインパラ】

59年モデルを筆頭に、60年代前半までのインパラといえばローライダーが主流。なので世間一般的にはそっちのイメージが強い。だが、その常識を覆すモンスター級のマッスルカーがここに!

 

最新記事


2025/11/06

統一感が生む独自の世界は近未来な印象を抱かせる【ハマーデザイン】

クーペ

ビンテージ

シボレー

ショップ

ハマーデザインの濱岡氏がアメリカ滞在時に出会ったダニーD氏。彼に亡き今、その遺志を継承し後世に広める者として、様々な作品を濱岡氏は生み出し続ける。

2025/11/04

【FIELD STYLE JAPAN 2025】450社以上が出展するアジア最大級のアソビの祭典

イベントレポート

FIELDSTYLE JAPAN 2025
AICHI SKY EXPO(愛知国際展示場)

2025/10/30

【マッスルカーナショナルズ14】イベントの主役は、1960~70年代のアメリカンマッスルカーたち

イベントレポート

MUSCLE CAR NATIONALS 14
18th May 2025
名古屋港ガーデンふ頭ひがし広場

2025/10/28

夫婦でアメ車!しかもマッスルカー2台という贅沢な選択肢【チャレンジャー&マスタング】

クーペ

ダッジ

フォード

一台はマッスルカーやトラック、そしてもう一台はミニバンやSUVと、夫婦でアメ車2台を所有する方たちの大半はどちらか一方がファミリーカーとして成立するパターンが多い。そんな中、どちらも2ドアクーペのマッスルカー2台を所有する強者夫婦を発掘!

ランキング


2025/11/06

統一感が生む独自の世界は近未来な印象を抱かせる【ハマーデザイン】

クーペ

ビンテージ

シボレー

ショップ

ハマーデザインの濱岡氏がアメリカ滞在時に出会ったダニーD氏。彼に亡き今、その遺志を継承し後世に広める者として、様々な作品を濱岡氏は生み出し続ける。

2020/08/31

魅惑のマッスルカー黄金時代:1960年代と70年代の誇り高き車両たち

ビンテージ

人気のあるマッスルカーであるマスタング、カマロ、チャレンジャーに焦点を当て、1969年のシボレー・カマロ、コルベット、フォード・マスタング・ボス429を紹介。性能やコストパフォーマンスだけでなく、美しさや運転の喜びにも注目。

2022/04/08

US日産の巨大ユーティリティバンのNV3500

バン

逆輸入車

2019 Nissan NV Passenger

2016/03/24

ランチェロを毎日乗り回せる、その秘密とは【フォード ランチェロ】

ピックアップトラック

ビンテージ

フォード

Ford RANCHERO
Car-Producer K&G