兄弟車も含めて豊富な選択肢がある GMの定番フルサイズトラック シボレーシルバラード

ピックアップトラック

シボレー

アメマガ2018年3月号

シルバラード

American Cars Best20

シルバラードについて語るなら、兄弟車のGMCシエラおよびシエラ・デナーリについても同様である。合わせると無数と言ってもよいほどの選択肢がある。


シボレーシルバラード 1999y-

American Cars Best20 

ここではシボレーブランドのフルサイズトラック「シルバラード」をテーマとするが、シルバラードについて語るなら、兄弟車のGMCシエラおよびシエラ・デナーリについても同様である。合わせると無数と言ってもよいほどの選択肢がある。

2017 Chevrolet Silverado 1500 LTZ Z71

2017 Chevrolet Silverado 1500

2017 Chevrolet Silverado 1500 High Country

2017 Chevrolet Silverado 1500 High Country

2017 GMC Sierra 2500HD

シルバラードはシボレーブランドのフルサイズピックアップトラックで1999年モデルでデビューしたが、その前のC/Kシリーズ、3100シリーズとさかのぼっていくと、その源流は1918年にたどりつく。アメリカの自動車の黎明期でもある。そこまでの長い歴史を持つのがアメリカン・ピックアップトラックであり、それだけアメリカ人の日常に欠かせないものなのである。

シルバラードは前世代にあたるC/Kシリーズからの流れにあるもので、C/Kシリーズで確立したフロントマスクの特徴であるツーポートグリル(センターバーによって上下に2分割されたデザインのラジエーターグリル)を今も守っている。このツーポートグリルは、アストロやエクスプレスにも採用され、シボレーブランドのトラック全体の顔でもある。シルバラードの現行モデルは2014年モデルからの第三世代である。

1500、2500、3500という積載量による分類はC/Kの時代から変わっていないが、2500以上には「HD(ヘビーデューティ)」と付けられており、日常的な使用をターゲットとして設計された1500とはシャシーの設計から異なる、よりヘビーな用途にも耐えられるものになっていることをアピールしている。ピックアップトラックの用途としては、リアデッキに積載物を積んで運ぶほかに、トレーラーを牽引するヘッドとしての役割も求められる。

そのため、トラックの性能の重要な項目のひとつとして牽引重量がカタログに記載されており、各メーカーともこの数値の優秀さを競っている。そのために大排気量エンジンを搭載したり、より大きなトラクションを得るために左右に2本ずつのタイヤを装着するデューリーと呼ばれる仕様が用意されたりしているのだ。こうしたさまざまな用途に対応するため、アメリカン・ピックアップトラックには考えられる限り多くの選択肢が用意されているのが特徴で、オプションの類まで含めると、それこそ無数とも言えるバリエーションを持っている。

これはもちろんシルバラードも同様だ。それに加えてシボレーに限らずGM全体で考えると、GMCブランドにシルバラードの兄弟車としてシエラおよびシエラ・デナーリがある。シエラはシルバラードの上級バージョンとして位置づけられており、装備もより充実している。シエラ・デナーリはそのさらに上級バージョンであり、GMピックアップトラックモデルの最上級車種とされている。ここまで前提としてきた実用用途の他に、単にオフロードを走って楽しむユーザーもアメリカ国内では一大マーケットとなっており、そのための仕様も存在する。

このオフロード走行に対するユーザーの要求は近年特に高まる傾向にあって、フォードF-150のラプターやラム1500のレベルなどはまさにそこをターゲットにしたものである。今のところGMのピックアップトラックにはそれに対応するバリエーションがないが、それに近い仕様としてGMCシエラには「オールテレーンX」が用意されている。ラプターやレベルのようにフロントマスクデザインまで変えるような突き抜けた存在ではないが、オフロードトレンドに乗ったものであるのは間違いない。さらなるオフロード仕様のリリースは果たしてあるのか。

2017 Chevrolet Silverado 2500HD 2017 Chevrolet Silverado 3500HD 2017 GMC Sierra 1500 2017 GMC Sierra Denali 1500 2017 GMC Sierra Denali 2500HD 2017 GMC Sierra Denali 3500HD

2017 Chevrolet Silverado LTZ Specifications
全長 5843㎜
全幅 2032㎜
全高 1879㎜
ホイールベース 3645㎜
トレッド 前 1750㎜/後 1717㎜
重量 2404kg
エンジンタイプ V8 OHV
総排気量 5.3?
内径×行程 96.5㎜× 91.4㎜
圧縮比 11.0 : 1
最高出力 355hp/ 5600rpm
最大トルク 52.9kg-m / 4100rpm
燃料供給装置 直噴インジェクション
変速機 6AT
EPA燃費 市街地6.8㎞ /?/高速9.35㎞ /?
サスペンション前 ショートロングアーム・コイルスプリング
サスペンション後 リジッド・リーフスプリング
ブレーキ前 ベンチレーテッドディスク
ブレーキ後 ベンチレーテッドディスク
タイヤサイズ前後 P265/65R18

CHEVROLET C/K(シボレーC/K)

2nd Generation 1967-72

1967y

この時期はC-10、K-10と呼ばれており、積載量に応じて20、30と数字が変わった。ちなみにGMCのトラックはこの時期からC-1500、K-1500だった。この世代をベースとして、フルサイズSUVのシボレー・ブレイザーおよびGMCジミーの初代モデルが生まれた。

3rd Generation 1973-87

1976y

C/K シリーズでもっともモデルレンジが長かったのがこの世代で、C-10と言われてイメージするのはこの形だという人が日本では多い。今もこの世代のファンは多く、クラシックなアメ車が集まるカーショーではその姿を普通に目にすることができる。

4th Generation 1988-99

1999y

CHEVROLET SILVERADO(シボレーシルバラード)

この世代になるとシボレーのC/K もC-1500、K-1500 と呼ばれるようになる。日本で一番多く売れたシボレーのピックアップトラックはこの型で、とくにローダウンしたC-1500は売れに売れ、「C-1500」ブームと言われた時期が日本には確かにあった。

1st Generation 1999-2002

1999y

日本でも大人気を博したC-1500の後を受けて登場した最初のシルバラード。C/Kのツーポートグリルをそのままなぞって少し曲面的にしたようなフロントマスクを採用した。より現代的なデザインにはなったものの、日本への輸入量はC-1500ほどではない。

1st Generation 2003-06

2004y

よりSUVライクなピックアップトラックとして2001年モデルでデビューしたアバランチが採用した「怒り目」のツーポートグリルが、シルバラードのフェイスリフトで採用された。この怒り目はエクスプレスにも採用されたが、タホ/サバーバンでは未採用。

2nd Generation 2007-13

2010y

第二世代のシルバラードは、よりボリューミーなフロントマスクとなって登場。この型のシルバラードは2010年に日本への正規輸入が三井物産オートモーティブにより実現した。アメ車のフルサイズピックアップトラックとしては初めての正規輸入だった。

CUSTOMIZED MODELS

リフトアップ系

全長5mを大きく超えるフルサイズピックアップトラックだけに、リフトアップは定番のカスタマイズ手法となる。さまざまなディテールに流行の流れはあっても、大きなトラックをもっと大きく見せるリフトアップは、今後も引き続き支持されていくはずだ。上のようにガルウイングドアまで上げると、一番上まで何メートル?という感じになるが、そこがリフトアップの醍醐味である。

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ローダウン系

ローダウンカスタムは、リフトアップとはまた違った迫力をフルサイズピックアップトラックに与えることができる手法だ。エアサスの発達によって、走行性能は確保したうえで、停車時の車高を極限まで下げることができるようになったのもローダウンを支持する層の厚みにつながっている。さらに大径のホイールをどう見せるかにもさまざまなアイデアが発揮できる。

2011-11-1 2015-05 2012-01 2013-09

日本でシボレーのピックアップトラックというとC-1500にとどめを刺す。それに次ぐ存在としてはその前の世代のC-10があげられるが、その他のモデルは実は大きな話題にはなっていない。C-1500は1990年代に大量に日本に輸入された。非常用の後席を備えたエクステンドキャブをベースとして、外装はホワイトまたはブラックにオールペンされ、ローダウンが施され、ボイドのビレットホイールが装着されていた。

搭載エンジンは5.7?V8だったが、自動車税の安い8ナンバーとして登録されていた。そうしたほぼ同じ仕様のC-1500が店頭にズラリと並べられ、割安感のある価格設定も理由となり、それらがドンドン売れていった。間違いなくアメ車の一大ブームだったが、中でも突出していたのがC-1500、カプリス、アストロであり、当時は「カプリス、C-1500ブーム」と真面目に語られたのだ。当時のC-1500は、まさしくデカくて、うるさくて、燃費の悪いアメ車だった。

しかしそんなことは気にしない人たちが乗っていた。むしろ一般にはデメリットとして語られるそれらを誇りに思って自慢してさえいた。それでもそんなC-1500に乗るのがカッコ良い時代だったのだ。一方、現在のシルバラードは当時のC-1500と比べるとクルマとして長足の進歩を遂げており、速いし快適だし燃費も良い。C-1500に似たイメージの現行モデルで巻き返しなるか。


http://www.chevrolet.com
■Text|アメ車MAGAZINE
アメ車マガジン 2018年3月号掲載


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American Cars Best20 
CHEVROLET TAHOE/SUBURBAN(シボレータホ/サバーバン)1953-82y, 84y-

 

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