F.A.S.TとTMオートサービスのコラボによって誕生したキャノンボール【シボレー コルベット C3】
CHEVROLET CORVETTE C3
F.A.S.T
C3コルベット
大阪のF.A.S.TとTMオートサービスのコラボによって誕生した次世代カスタムトレンドを担うキャノンボール。ヴィンテージマッスルの定番から大きくかけ離れた、斬新なカスタムに迫る!
見た目とは裏腹にロングドライブも快適仕様がコンセプト!?
CHEVROLET CORVETTE C3(シボレー コルベット C3)
本誌からスピンオフして発売されたアメリカンヴィンテージマッスル。その表紙に抜擢された車両の一台がここで紹介する大阪のファーストが作り上げたコルベットC3だ。代表の大森氏が長きに渡って愛車として所有する名車であり、スプリットウィンドーのC2と共に誌面を賑わせたのが記憶に新しい。
そんなファーストが得意とするのがヴィンテージマッスルを軸にオリジナルを綺麗に保ちながら、必要に応じてパフォーマンスアップを図ること。整備やメンテナンスの腕は確実で、古いモデルに限らず高年式まで幅広く対応しており、関西を中心に一般のユーザーはもちろん業者間でも駆け込み寺的存在として活躍する名医である。

その一方で、表紙を飾ったコルベットC3とは別に以前から秘かに計画を煮詰めていたのが紹介するキャノンボールの存在。実はこのコルベット、これまでファーストが手掛けてきたクルマたちとはまるで異なるコンセプトで製作されており、言うならば異端児的なポジションなのだ。

しかし、改革なくして進化はありえない! と新たな方向性を見出すべく今までにないカスタムシーンを模索していく中で、タイミングよく2016年のAIWAブースで「やったことのない車種に挑戦したい!」と意気込むTMオートサービスと意気投合。そんな流れでフルサイズトラックを軸にカスタムペイントを世に送り出してきた関西の匠と、ヴィンテージマッスルのプロフェッショナルが夢のコラボを実現させたわけだ。
そのベースとして用意されたコルベットC3がタダモノではない。実はコレ、アメリカでエックラーズターボキットに換装し、ノーマルルーフをミラートップに加工、さらに1982年型にのみリリースされたコレクターエディションのオプションであるリアガラスハッチまで装着された、マニアックな1981年モデルなのだ。

だが、35年も前のクルマとなれば下地処理からチリ合わせまでの作業もそれ相応で、凹凸や湾曲の多いこのボディをいかにライン取りしてデザインを取り入れていくかなど難題が山盛り。特にボリューミーなフェンダーからタイトにシェイプされたクビレの部分をどう生かすかは最大の見せ場であるとともにもっとも難易度の高い箇所。それらを見事成し遂げて描かれたトリプルフレイムスは圧巻。
また、このビジュアルで目指すところは〝快適街乗り仕様〟というギャップも特筆物だ。現時点ではオートサロン出展に向けて外観のみの仕上げとなっているが、今後特注オーダーした18インチホイールの換装やLS1エンジンへのスワップ、足回りやブレーキ系のリフレッシュなど、ショーカーとしてのインパクトを進化させつつ、遠方イベントから普段乗りまでをこなせる〝メインシューズ〟として活躍させるとのことだ。
ファーストの新たな挑戦でリリースされたキャノンボール。そのフレイムスの如く今後のヴィンテージマッスルシーンを熱く盛り上げる起爆剤として活躍する日が実に待ち遠しい。

アイスパールゴールドを使用したオリジナルのオレンジをベースにシルバーフレークのフレイムス、キャンディーの縁取り、リアルフレイムスを加えたトリプルフレイムスのカスタムペイント。ラインがずれないように考慮されたフェンダーからドアにかけてのナチュラルな境界線や、大きく張り出したフロントフェンダー部にあえてシルバーフレークをプラスすることで強弱をつける絶妙なカラーバランスはまさに匠の技!

ブルーエンジェル社のマフラーに定番のアメリカンレーシングをセット。現状はフロント9J、リア10Jの17インチだが、SHCOTT社にてワンサイズ大きなフロント10J、リア11Jの18インチを特注でオーダー中。現在アメリカよりデリバリーされており、到着次第換装予定との話だ。


インパクトの強いエクステリアに比べるとスッキリとしたイメージのインテリア。ノーマル形状を崩さないように考慮しつつ、ピラーやダッシュ、天井までアイボリー系のレザーで総張り替えを行ない、シートはボディに合わせたオレンジのファブリックを採用してツートンカラーに。
さらにシート背面とオリジナル製作のフロアマットにアクセントとしてロゴの刺繍を取り入れた。リアガラスハッチ開閉可能かつミラートップというマニアックなスパイスも特筆物。

東京オートサロン2016のAIWAブースでデビューしたキャノンボール。2015年まではフルサイズトラックが続いていたが、これまでとは異なるジャンルだけに会場でもひと際注目を集めていた。また、会場のライトアップされた雰囲気と屋外撮影での表情が異なるトリプルフレイムスも特筆物だった。
■取材協力:F.A.S.T
https://www.fast1976.jp/
■Text & Photos:石井秋良
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